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【成人発達心遊記】13571-13577:2024年11月13日(水)



⭐️成人発達理論・インテグラル理論・瑜伽行唯識学の観点から、リスナーの皆様と心の成長を一緒に実現していくことを目指した成人発達コラボラジオの配信をしています。


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タイトル一覧

13571: 【日本滞在記】フランクフルト空港のサクララウンジから

13572: 【日本滞在記】お腹周りの思わぬ変化

13573: 【日本滞在記】書くことと教えること

13574: 【日本滞在記】日本人が日本人を理解することの重要性について

13575: 【日本滞在記】日本教と唯識

13576: 【日本滞在記】成人発達理論と唯識識

13577: 【日本滞在記】まさかの勘違い


13571. 【日本滞在記】フランクフルト空港のサクララウンジから      


フランクフルト時間の12日午後5時を迎えた。それは日本時間13日の深夜1時を意味する。ここからパソコンの時間を日本時間に設定し直したいと思う。今、フランクフルト空港のサクララウンジで寛いでいる。サクララウンジは日本の甘いカレーの香りが漂っており、久しぶりにこの香りを嗅いだ気がする。食欲をそそる匂いではあるが、ビジネスクラスの機内食のヴィーガン料理を楽しみにしているので、カレーを含め、何も食べることをせず時間を過ごしている。実際には、ガラス瓶に入ったミネラルウォーターとビタミンCの補給としてスライスされたレモンだけいただいた。実はサクララウンジの前には、同じくフランクフルト空港にあるPrimeclass Loungesというラウンジに行った。ここは最近できたばかりのラウンジで、事前に調べていたときに、フラットに横になって寝れそうなソファがあったので行ってみた。事前のカスタマー評価にあったように、ラウンジ内はとても静かで、目星のソファで1時間ぐらいに仰向けになって仮眠を取った。アムステルダム国際空港からフランクフルト国際空港に向かう飛行機が、機内に乗客が乗った後に遅延になるというアナウンスがあった。何やら空港内の枠が混雑しているとのことで、予定よりも1時間以上遅れると機長が伝えたのだが、後ほど半分ぐらいの時間の遅延で済むとのアナウンスがあって、乗客たちが拍手をしていた。昨日KLMのチケットがまさかの未払い状態であったことを受けて、遅めの便でフランクフルトに行こうとも考えたが、JALさんの飛行機を逃しては元も子もないと思ったので、正午の便で早めにフランクフルトにやって来て正解だった。発着枠の問題で遅延が起こることも今後考慮して旅程を組みたいと思った次第である。飛行機の中でもパソコンなどは一切いじらずに、ずっと目を閉じて仮眠を取っていた。眠り落ちることはなく、ずっとマインドフルネス瞑想をしているかのようであった。幾分微睡の中でビジョンが知覚されることもあり、普段はパソコンや書籍と向き合うことが多い自分にとって、こうして眠り落ちるわけではなく目を閉じて考え事をするというのいいものだと思った。時間を遡ると、スキポール空港に向かう列車の中で、すでにデスクトップ上のPDF化した論文を一気に全て読み終えて、デスクトップを綺麗にすることができた。日本時間の明日は、心斎橋にあるApple Storeに行き、今使っているMacBook Airを下取りに出して新しいものを購入しようと考えている。下取りに出すためにデスクトップを綺麗にし、明日の朝の初期化に備えた次第である。


成田に向かうフライトまであと2時間半強ある。搭乗が始まるのはあと2時間後であり、この日記を書き終えたらまた仮眠を取って、ほぼ完全に日本時間に合わせた形で機内では仕事に取り組もうと思う。幸いにもここまで脳を休み休み過ごしていたので、機内ではかなり仕事が捗りそうである。今座っているソファもなんと足を伸ばして寝れそうなので、ここから1時間半弱眠りを取りたい。先ほどのラウンジではシャワー室は1室しかなく、有料と知っていたので、サクララウンジにやって来て、綺麗なシャワー室で無料でシャワーを浴びさせてもらった。フライトの時間は13時間ほどあるため、フライトの前にこうしてシャワーを浴びて体を清めてサッパリすることができるのはとても嬉しい限りだ。成田に向かう空の旅を満喫したいと思う。フランクフルト空港のサクララウンジ:2024/11/13(水)01:26


13572. 【日本滞在記】お腹周りの思わぬ変化         


パソコンの時計を日本の時刻に合わせ、今は午前6時半を迎えた。いよいよ本格的に日本時間に従って生活を始めている自分がいる。フランクフルトを出発してすでに2時間半ほどが経った。先ほど1回目の機内食を食べ終え、歯磨きをして今に至る。歯磨きをしたが、食後の紅茶を飲みながらここからゆっくりと仕事に取り掛かりたい。成田まであと10時間弱もフライトの時間がある。今回の一時帰国ではスタジオでの動画の撮影があったり、大手インターネットメディアへの出演が2本あることもあり、スーツを2着持参した。それに加えて至福のズボンやジャケットを持っていくのが面倒だったので、今回の旅はスーツをカジュアルに着こなす形で、上だけセーターなどを着て過ごすことにした。シューズもビジネスシューズではなく、ビジネスカジュアルで履けるであろうスウェードの靴を履くことにした。これでフォーマル感を落とし、それでいてビジネスでもカジュアルでもどちらも対応できる形になった、と自分では思っている。そこで1つショッキングなことがあった。今着ているビジネススーツはオーダメイドのもので、今から9年前の2015年に1年間日本に滞在していた時に新調したものである。ここ半年間ほど筋力トレーニングのために体重を増やすことを意識しており、これまで何年間も炭水化物の多い主食を一切摂ることなく過ごしていたところをバスラマティライスという米を食べるようにし、1日2食から1日3食にしたところ、体重はゆっくりとではあるが着実に増えた。しかし、今日久しぶりに9年前にオーダーメイドしたスーツを着てみたところ、なんとお腹の部分が随分と苦しくなっていることに気づいたのである。何も食べていなければなんとかボタンを止めてズボンを履けるのだが、ご飯を食べると随分と下腹部が圧迫されて苦しくなる。2年前の一時帰国の際にも同じく9年前にオーダーメイドしたスーツを着ていたが、当時は1日2食の生活をしていたこともあり、ウェストは非常に細かった。筋トレのためにはある程度の体重増加が望ましいが、今こうしてお腹が苦しいのは少し残念であり、同時に面白おかしくもある。二兎を追うもの一兎を得ずということだろうか。ちょうど今、食後の後片付けが終わって、機内が消灯となった。これに伴って持参したお腹周りのゆったりとしたパジャマに着替えたいと思う。ちなみに今の自分のお腹周りは脂肪というよりも腹筋を鍛えることによって筋力が付いた形だと思っているが、脂肪と筋肉の割合を分析してみて、一時帰国中は炭水化物の量を少し減らしてみるのもいいかもしれない。そもそも一時帰国中は方々を歩いて回るため、自然と脂肪の燃焼が促され、お腹周りがもう少しスッキリするかもしれない。日本に滞在中に外出をする際には2着のスーツを着る必要があるため、細かめにお腹周りの様子を観察することができる。最近特に下腹部の腹筋を毎回追い込んで行っていたこともあって、今日のこの状態がある。成田に向かうJL408の機内:2024/11/13(水)07:00


【追記】

後ほど気づいたが、これはお腹周りに脂肪が付いたというよりも、単純に機内の気圧の影響でお腹が張っていたことに圧迫感の原因があったことがわかった。


13573. 【日本滞在記】書くことと教えること    


今し方、パジャマに着替えて、お腹周りがゆったりしてとても心地良くなった。着替えを済ませて、歯磨き粉やワセリンなどが入った液体物のパックに手を伸ばしたところ、香水が少し漏れていたようで、それがパジャマに付着してしまった。手にも随分と香水が付着してしまい、自分のブースの周りに香水の匂いが漂っていないか心配である。幸いにも食後であることから、機内の皆さんの味覚の邪魔になることはない。今回もJALさんにお世話になり、2年に1回日本に帰る時にはマイルが程よく溜まっていることもあり、いつもビジネスクラスに搭乗させてもらっている。JALさんの欧州国際線は個室のような空間があり、プライベートが確保されていてとても過ごしやすい。かつては読書に集中したり、作曲実践に集中したり、好きなことに好きだけ打ち込める環境が空の上で提供されているのは嬉しい限りである。2年前に一時帰国した時には今よりも数週間ぐらい早い10月の初旬だったように思う。その時はまだ日本はコロナ禍にあって、マスクをして過ごしたことを懐かしく思う。その時にはビジネスクラスは結構埋まっていたが、今日はちらほら空きがあり、客の数が少ないのでさらに快適感がある。


さて、そんな快適な環境の中で、今からひたすらに12月の初旬にアントレプレナーファクトリーさんのオフィスで行う動画撮影に向けて準備をしていこうと思う。今回は代表の嶋内さんとの対談コンテンツと自分の1人語りのコンテンツの2本柱で、どちらも唯識学を扱うものだ。前者の嶋内さんとの対談は主にインテグラル理論と絡めながら唯識学を扱っていき、成人発達理論とも唯識を絡めていく。今のところ、大きく30個ほどのトピックがあり、ここからそれぞれに対して今の自分が考えていることを備忘録がてら書き連ねていこうと思う。今日中に全てに対して自らの考えを書き留めることができるとは到底思えないが、日本に到着するまで9時間半あるので、できる限り文章を綴っていく。キリ良く次の日記から具体的にトピックを1つ1つ扱っていきたいと思うが、こうして書くことは自分の天命の重要な1つであり、同時に他者に何かを教えることもまた天命の重要な1つである。アンファクさんとの対談セミナーもスタジオでの収録も、教えることが関与している。その教えることの土台に話し言葉での説明が当然あるわけだが、それは書き言葉を通じた書くことに支えられている。ゆえに自分にとっては書くことと教えることは足並みを揃えて実現されるものとなる。自分は書くことと教えることの化身であり、書くことと教えることを通じて自分はどこまでもエネルギーを汲み取ることができる。書くことと教えることは、自分の命を最大限輝かせる最愛の実践である。書くことと教えることがある限り、自分は絶えず自己を超越し続けることができる。そこには癒しと変容があり、智慧と慈悲の双方がある。書くことを通じて自己は新たに書かれ、教えることを通じて自己は新たに教えられる。能動と受動の双方の中動態をそこに見る。成田に向かうJL408の機内:2024/11/13(水)07:29


13574. 【日本滞在記】日本人が日本人を理解することの重要性について    

   

さてここからアンファクさんのオフィスで収録する動画コンテンツのおよそ30個のトピックについて自分の今の考えを吐き出しておきたい。その際にこれまで自分があまり考えたことのないようなトピックを扱っていくのが良いような気がしている。30個全てに対して順番に文章を書いていくのはなんとなく得策ではなく、あまり気乗りしない感じである。今日はこれまでのところ移動があり、仮眠を適宜取っていたとは言え、絶好調とは少し違う特殊な状態にあるため、無理をせず考えてみたいトピックについてまずは書き出していこう。それで言えば、唯識の観点から日本人が日本人を理解することの重要性について考えてみたい。この論点は幾分捉えどころがないので、日本人が日本人を理解することが個人の発達とどのように繋がるのかを考えてみたい。個人の発達に焦点を当ててみると、日本人が日本人を理解するというのは、アイデンティの形成過程において自文化中心主義的な段階を通って次の段階に向かう際に重要になる。自らの存在が自国文化との関係性においてどのように成立しているのかという洞察を深めていくことを通じて少しずつアイデンティが育まれていき、そこから自国の文化との同化を離れ、それを相対化させることができている。ちなみに自文化中心主義的な段階というのは歪んだナショナリズムのようなものでは決してなく、日本人だけではなく、どの国の人間もアイデンティを育んでいく時に通るべき段階である。その点を考えてみると、日本人が日本人を理解するというのは、自国の文化に同一化している際にはそうした客観的な認識は難しいであろうから、自文化相対主義的な段階に向かっていく出発点になると言えるかもしれない。唯識の観点からすれば、無知が種々の苦悩や病を引き起こすという考えがあるため、日本人が日本人であることが何たるかを知らないという無知が引き起こす諸々の苦悩や病というものがありそうである。それは例えば、日本人固有の思考様式や行動様式に無自覚のうちに取り込まれてしまい、それが活動の制限になる場合などが考えられる。もちろん日本人固有の思考様式や行動様式には固有の価値や特性があることは確かだが、そうした価値や特性を活かし、盲点に気づくためにも日本人が日本人であることのとりわけ思考・行動特性について自覚的になることは重要だろう。上記のアイデンティの発達と絡めてみると、日本人である私たちは日本人の思考様式や行動様式がどのようなものであり、それを支えている文化思想的な背景をほとんど知っていないというのが実情ではないだろうか。もちろんそうした文化思想的な背景は多面的なものであり、1つの思想に還元することはできないが、大乗仏教を代表する唯識の思想を学ぶことは私たちの思考様式や行動様式の底流を流れる文化思想を知ることに繋がり、それを通じて私たちの思考様式や行動様式もまた盲点を対象化しながら、それに囚われる頻度が減っていき、日本人の思考様式や行動様式が持つ本来の価値や特性をうまく発揮できるようになってくるのではないかと思う。成田に向かうJL408の機内:2024/11/13(水)08:43


13575. 【日本滞在記】日本教と唯識        

   

時刻は午後1時を迎えた。成田に向かう飛行機は順調に進んでおり、到着まであと3時間45分となった。フランクフルト空港に到着した時からすでに日本の時間を意識して生活をしており、空港に到着した頃には普段就寝する時間を迎えていた頃から、梯子した2つのラウンジではどちらも仮眠を取っていた。仮眠と言っても熟睡を意識したものではなく、横になって目を瞑って体力を回復させるような睡眠である。そのおかげで疲労を蓄積させることを防ぐことができ、成田に向かう機内に乗り込むことができた。機内では快適に過ごせていて、日本時間の正午前から先ほどまで最後の仮眠を取っていた。やはりビジネスクラスは素晴らしいなと思ったのは、単にフラットにシートを倒せるだけではなく、エアーウィーブのマットレスが収納棚の中に仕舞われていて、それを借りてシートの上に敷くことができ、とても快適な睡眠が実現したことである。ここでも熟睡を目指すのではなく、あくまでも仮眠として、脳を休め、体をリラックスさせるようにするために、寝姿勢として自分が熟睡できない仰向けになった形で1時間半ほどの時間を過ごしていた。その際に目をさらに休めるために、席に配られていた「めぐリズム」を用いて目を温めながらアイマスクをした。これが功を奏したのか、目覚めてから眼精疲労が消えている感じがする。着陸前の最後の仮眠を取ったので、ここからまた仕事に取り掛かりたい。


アンファクさんとの動画コンテンツの作成に向けて、次のトピックとして考えたいのは、「日本教と唯識」というものだ。このトピックもどこからどう手をつけていいのか悩むが、日本教というのは現代風で言えば、日本に絶えず蔓延している抑圧的な空気のようなものであり、基本的に多くの日本人がこの空気の存在に無自覚なまま行動をしている。行動を抑圧したり、歪んだものにしてしまう空気は日本全体に蔓延していたり、個別の集団内にも蔓延していたりと、マクロとミクロの差がありながらも、特徴としてはほぼ共通している。学校の中や組織の中で抗うことのできない空気を感じたことがある人は多いのではないかと思う。そうした空気には抗うことを許さないような行動論理が必ずあり、それらの集合体が日本教と呼ばれるものである。日本教は元々は山本七平氏が随分と前に提唱したものだが、現代日本には現代日本に固有の日本教が存在し、今も昔も変わらないものがある。1つ大きなものとしては、合理性段階の知性を働かせることを抑圧して、神話的な段階の知性に人々を押し込んで、長いものに巻かれろ的な思考と行動に私たちを導くことである。ここまでのところ、日本教を成人発達理論と絡めながら説明してきたが、唯識の言葉で言えば、それは日本を覆う抑圧的な集合規模の阿頼耶識と呼んでもいいかもしれない。それは私たちの合理的な知性を司る第六識の働きを麻痺させ、合理的な思考判断をできなくさせる形で、何となくの空気で形成された考えや行動に多くの人を同調させる力を持つ。もちろん知性の段階として後慣習的な段階にある人であれば、空気に流されることを防ぐことができてくるが、それは一個人では本当に抗い難いぐらいの強烈な力を持つことには注意が必要である。集合規模の阿頼耶識はそのような力を持つ馬鹿にできないものなのだ。唯識が解く修行論に沿って修行を積んでいけば、空気に流されてしまう煩悩の種子を少しずつ伏したり、滅したりすることができるかもしれない。空気からの脱却は、意識段階の向上に加えて、空気に飲まれてしまう煩悩を特定して、それを克服していくことが重要である。成田に向かうJL408の機内:2024/11/13(水)13:44


13576. 【日本滞在記】成人発達理論と唯識識  


それでは次に、成人発達理論と唯識を別の観点で横断させてみたいと思う。そもそも成人発達理論は、その真骨頂として意識の段階モデルがある。発達論者によって取り扱う領域は多岐に渡るが、共通して意識が構造的な発達を遂げていくという考え方がある。実は唯識の修行論の理論的な側面の真骨頂はまさにそれである。唯識の修行論においては、修行者は凡夫の段階から仏になるまでの41の段階を辿るとされている。成人発達理論の中で、成人が辿る発達段階を41個にまで分類するようなものはなく、唯識の詳細は他に例を見ない。もちろんカート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を活用した発達測定研究機関のレクティカでは、定量的には0.01刻みの発達段階分析をすることができるため、その数は膨大なものになる。ただしそこではあくまでも定量的にそこまで細かく発達段階が分類されているだけで、定性的な分類はフィッシャーの12個の段階モデルに従う。幾分レクティカオリジナルなのは、10から11、そして11から12にかけて前期と後期に分ける形で質的に異なる知性の発達段階を認めていることである。それで言えば、ロバート・キーガンのモデルも、成人が通過していく発達段階を0.2刻みで合計16個の分類を定性的に行なっているので、それなりに詳細なモデルである。しかし、それでも唯識が説く41個の段階モデルには遠く及ばない。まずは成人発達理論と唯識の間では、段階モデルという共通項がありながらも、唯識の説く段階モデルはとても詳細であるという違いがある。


その他に何か特筆するべきことはあるだろうか。成人発達理論はやはりどこまでいってもその強みは認識論にあり、存在論への言及はそれほどでもないと言えるだろう。私たちが世界をどのように認識し、認識の枠組みがどのようなプロセスとメカニズムで説明をしてくれるのが成人発達理論であり、それはやはり心の成長に関する認識論に真骨頂がある理論体系だと言える。一方唯識は、私たちがこの世界をどのように認識するかという認識論としての心識論がある。そこでは成人発達理論が一括りにしている1つの意識を8つに分け、ここでも意識の種類と3層の階層に関する分厚い語りがある。それに加えて唯識思想には、三性論という存在論がある点が成人発達理論と大きく異なる。唯識においては存在するとはどういうことかへの言及が詳細になされており、それは三性論へと結実していく。成人発達理論には明確な存在論がない点がここでまず大きく異なる。そしてそこから唯識は、心の成長に関する認識論と存在論の議論を経た上で修行論へと展開していく。前述の通り、41個の段階を唯識は明確にするが、それで終わりでは当然なく、それぞれの発達段階(修行段階)で収めるべき実践を提示する。成人発達理論ももちろんそれぞれの学習者や実践者が実践案を立案していくことはできるが、成人発達理論の側から具体的な実践を提示することは基本的にない。それは元々成人発達理論が発達心理学という科学分野に由来していることと関係しているだろう。科学では、現象についての記述や現象が内在するプロセスやメカニズムについて説明をするが、それを元にした実践案を提示することは基本的にない。しかし唯識思想はやはり心を豊かにする宗教思想であるゆえに、実践を絶えず希求する宗教的バックグランドのおかげで、果敢に実践案を提示していくことができるのである。こうしたところに成人発達理論と唯識の大きな違いを見て取ることができる。成田に向かうJL408の機内:2024/11/13(水)14:16


13577. 【日本滞在記】まさかの勘違い   


・・・。伊丹空港(大阪空港)と関空が違うことを知っていたはずだったが、完全にその違いを忘れ、成田空港から伊丹空港に到着し、宿泊先のホテルまで相当距離があることに唖然とした。てっきり成田空港から関空に到着するものだと思っていて、搭乗券に「伊丹空港」と書かれていたことに対して一瞬何か違うような気がしたが、伊丹空港(大阪空港)にランディングして関空と随分と雰囲気が違うことを察知し、飛行機から降りて空港内を歩いているときに両者が別物だということを完全に把握した。まるで外国人観光客化のような勘違いである。そう言えば、かつて新大阪に住んでいたとき、ジョン・エフ・ケネディ大学のキャンパスビジットのためにかつて伊丹空港を使ってサンフランシスコに向かったことを懐かしく思い出した。その記憶を蘇らせてくれたのは、紛れもなく誤解して伊丹空港に足を下ろしたからだった。実に伊丹空港は13年半振りにやって来た形となる。最後に伊丹空港を利用したのは新大阪のマンションを解約し、会社を辞めて米国西海岸に引っ越した時である。あれから13年半も経ったのかとどこか感慨深い。今、伊丹空港から千里中央に移動し、難波に向かう列車の中にいる。この列車はかつて大阪に住んでいた時に乗ったことがある懐かしい感覚を引き起こす。それにしても、前々から思っていたことであるが、日本の都市部で列車に乗っている乗客のほぼ全てが目線をスマホに向けていることに驚かされる。これはある種の集団的洗脳なのか、集団的狂気なのか。そのようなことを考えさせられる。成田空港から伊丹空港に向かっている最中に、とりわけ伊丹空港近くの上空から見える眩く輝く大量のネオンが美しかった。以前の自分であれば、こうした大都市の人工的な光を好ましく思っていなかったが、宇宙人の視点に立って眺めてみると、大都市の神々しく輝く町の灯りは生命の輝きのようであり、人間が蛍の大群を見るのとあまり変わらないのではないかと思った。こうした超越的な視点を持ってぼんやりと大阪の町の光を上空から眺めていた。


次の停車駅は、かつて2年間住んでいた新大阪である。今乗っている御堂筋線は、まさに淀屋橋にあるデロイトに通勤する時に毎日乗っていた列車である。13年以上前の会社員時代の記憶が懐かしい。時刻は午後9時を迎え、普段はもう眠っている時間だし、度重なるフライトの疲れがあるはずだが、適宜仮眠を取ってエネルギーを回復させていたからか、この時間でも脳は冴えている。しかし無理をせず、今日はりんくうタウン駅近くのホテルに到着したら、まだやっているであろう天然温泉とサウナにゆっくりと入り、疲れを癒してから就寝に向かいたい。明日の朝は少しゆっくり目に起床し、ゆったりと朝食を取って、少し休憩してから心斎橋のApple Storeに向かいたいと思う。できるだけ人混みは避け、免疫力を高めるような食事・運動・睡眠の三位一体を明日からまた意識したい。難波に向かう御堂筋線の中:2024/11/13(水)21:04


Today's Letter

Finally, I boarded the flight to Japan. The flight number is JL408. Since I am flying in business class, the atmosphere is very comfortable and convenient. Although it takes 12 hours to reach Japan, I won’t be bored and will be able to focus on my work. To Narita, November 13 2024

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