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3728. バルトークの作曲語法からの学び


時刻は午後の八時を迎えようとしている。今日は極めて寒く、今の気温はマイナス4度である。そうした寒さの中、今日も普段と変わらずに、自分の日々の取り組みに従事していた。

先日イギリスの書店から届けられた、“Bela Bartok: An Analysis of His Music (2000)”を今日から読み始めた。本書はタイトルにあるように、バルトークの作曲手法について解説をしているものである。

本書を読み始めてすぐに気づいたが、本書から得るものが非常に多く、大変感銘を受けた。自然の美に体現されている法則性を活用して作曲を行っていたバルトークの思想に大変共感をし、彼の技術から得られるものはできるだけ得ようという思いが高まった。

中でも、五度圏における対極性を活用した技法は非常に興味深く、早速明日にでもそれを活用した実験を行ってみたい。

今日の昼食前に、ショーンバーグが考案した12音技法を活用して作曲を行ったが、バルトークが考案した12音技法の方が調性が維持されており、自分にとってはより魅力的に映り始めている。ショーンバーグの作曲語法よりも先に、バルトークの作曲語法を参考にしていくことにする。

ここ最近は、あまり転調を活用することはなかったので、明日の作曲実践においては転調を活用するような曲を作ってみよう。その際には、ピボットコードだけではなく、他の方法によって転調を行っていく。

「転調」という言葉を入力しようと思ったら、「転生」という言葉に誤変換してしまった。だが、調を曲にとっての命、ないしは魂と見立てれば、転調とは曲にとっての転生であると言えなくもない。

先日、ぼんやりと窓の外を眺めていると、葉っぱのフラクタル性に目がいった。それを眺めていると、なんとも言えない心地良さがあった。

私たちはフラクタル性に心地良さを感じるのかもしれない。バルトークもきっと、自然を眺めてこのような感覚に浸っていたのではないかと想像される。

そして、バルトークの場合は、その感覚を曲の中に再現していく術を編み出したのだと思う。それをこれから学んでいこう。

私たちが自然の中に美を見出すのは、規則性の中にある秩序と私たちの内側にある規則性の秩序が共鳴をし合っているからなのかもしれない。外面宇宙の秩序と内面宇宙の秩序が響き合っている姿を想像することができる。

もしかすると、秩序のみならず、混沌、ないしは外面・内面の宇宙に潜む決定論的カオス同士が共鳴している可能性もある。

外面・内面宇宙にある様々な規則性、その中でもフラクタル性をなんとか曲の中に活用していく道を見つけていく。曲にホロン階層を設け、それらがフラクタルをなし、内側に響くような曲を作っていきたい。フローニンゲン:2019/1/24(木)20:10

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

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