静けさに包まれているフローニンゲンの早朝。今日は2018年最後の土曜日であるが、今年一年間の他の土曜日と変わらない姿が目の前に広がっている。
ただし、本年最後の土曜日であるということを思う自分の気持ちが混じっているため、今この瞬間に感じる事柄は幾分特別なものだと言えるかもしれない。
目の前の通りを一台の車が静かに走り去った。今年一年は、そのように静かに過ぎ去ったようにも思えるし、どこか激しく過ぎ去ったようにも思える。
いずれにせよ、今年一年もまた自らの肥やしとなるような期間であり、また一歩人生が深まっていくような年であった。来年の夏からどこで何をしているのかはまだ定かではないが、来年もまた充実した年になるだろう。
昨夜の日記に書き留めていたように、昨日も就寝前に爆竹音が近くで鳴っていた。あれは一体何の音なのだろうか。
それは夜の時間に一度鳴り、その後時間をおいてまた鳴るということが三、四回ほど繰り返される。クリスマスまではこうした爆竹音が聞こえることはなく、ほんのここ数日前からそれが始まったことがやはり不可思議であり、たった今、少し調べてみた。
すると、「花火に爆竹、オランダの年末年始は大騒ぎ」というタイトルの記事を筆頭に、オランダの年明けが尋常じゃないではないことを示す記事を多く見つけた。どうやらここ最近の爆竹音は年越しに向けた前祝いだったようである。
日本のように静かに年越しをする文化とは異なり、オランダは盛大にそれを祝うようだ。夜の十時には就寝している自分にとっては、大晦日の深夜12時に花火が盛大に打ち上げられることは少々迷惑だが、オランダの文化を尊重してその日は我慢しようと思う。
さらに調べてみると、盛大に打ち上げられる花火は市が実施するものではなく、なんと一般市民が勝手に街中で打ち上げるようだ。花火や爆竹の取り扱いはオランダでは自由になっており、ニューイヤーのカウントダウン終了後に、街の至る所で花火を打ち上げ、爆竹を鳴らすそうだ。
その激しさは、大やけどをしてしまう人がいたり、間違って指を吹き飛ばしてしまう人がいたり、最悪のケースは死者も出るぐらいとのことである。オランダで生活をして三年目になるが、まさかこのような形でオランダ人が年越しを祝うとは知らなかった。
花火や爆竹で年越しを祝った翌日、日本では初詣として神社にお参りにいくような感覚で、オランダ人は極寒の中、「寒中ダイブ」というものを行うそうだ。それはオランダの正月の名物行事のようであり、オランダという国を象徴するオレンジ色の帽子をかぶった国民たちが水着を着て、極寒の海に入っていくという行事らしい・・・。
もちろん全てのオランダ人がこれを行うわけではなく、ハーグの海岸に毎年1万人ほど集い、その行事が実施され、テレビ中継されるとのことである。日本で言えば、ニューイヤー駅伝や大学駅伝のようなものだろうか。
いずれにせよ、オランダ人の年越しと新年の祝い方には圧倒されてしまう。
改めて調べてみることによって、ここ最近の夜の謎が解けて良かったと思う。フローニンゲンの大晦日と元旦がどのような雰囲気に包まれるのかを少しばかり楽しみにしている自分がいる。フローニンゲン:2018/12/29(土)07:22
No.1524: Morning Celebration
The last Sunday in 2018 came.
The outside world seems to be full of celebration. Groningen, 08:51, Sunday, 12/30/2018