時刻は午後の七時半を迎えた。つい先ほど夕食を摂り終え、本日の振り返りを行っている。
今日は午後の仮眠後に、ショパンのワルツに範を求めて作曲実践をした。ショパンのワルツに関しては、以前コード分析をしたことがあるのだが、実際にワルツを参考にすることはなかった。
そのため、今日は初めてショパンのワルツを参考にして曲を作ったことになる。作った曲は、フローニンゲンの夕方の優しさを象徴するようなものになった。
ショパンの曲に範を求めた後、夕方に街の中心部に行き、買い物をした。先日に計画していたように、水彩色鉛筆で描いた絵に水を含ませるための水筆ペンを購入した。
幸いにも、日本製の水筆ペンを購入することができた。目当ての品がオランダの文房具屋にあったことをとても嬉しく思った。
以前色鉛筆を購入した時にも、まるでクリスマスプレゼントをもらった子供のような喜びが自分の内側に流れていたことを思い出す。それと同様の喜びが、今日も私の中で起こった。
少しばかり早いかもしれないが、この水筆ペンは、今年の自分へのクリスマスプレゼントにしよう。昨年の自分へのクリスマスプレゼントは、日本円にして六万円ほどするフルカラーのゴッホの手紙全集だったが、今年は900円ほどの水筆ペンである。
今回水筆ペンを入手したことに伴って、子供のような喜びの感情が起こることを見ると、経済的な尺度と内在的な喜びの感情の度合いは関係ないことがわかる。確かにカネがなければ900円の水筆ペンですら購入できないのだが、カネが100億円あったとしても、感じられる喜びには差がないだろう。
買い物からの帰り道、市場が開かれている街の中心部を歩いている時、西の空に輝く夕日が沈んでいくのが見えた。今日は快晴の空であったから、夕日の輝きがいつも以上に眩しく感じた。
季節はもう冬に入ったようであり、今日はとても寒く感じられた。そろそろマフラーや手袋をつけて外出をする必要があるようだ。来週の水曜日と木曜日に雪が降るというのも信じられなくもない。
行きつけのチーズ屋に立ち寄り、いつものチーズとナッツ類を購入して自宅に戻った後、再び読書に取り掛かった。今日はすでに、ボールドウィンの全集の第三巻と第四巻を通して読んでいたのだが、第五巻も目を通しておこうと思った。
結局、第五巻も全て読み終え、今日の読書は非常にはかどったように思う。第五巻の前半は全て、ダーウィンの進化論を多角的な観点で解説している論考で構成されていた。
改めて、ボールドウィンは、ダーウィンの思想に強く影響を受けていることがわかった。ボールドウィンが発達心理学の始祖であることを考えると、発達心理学の枠組みの根底には、ダーウィンの進化論が多かれ少なかれ横たわっていると言えるかもしれない。
明日は、全集の最終巻を読み、明後日以降は、ボールドウィンの思想にも触れた、進化と学習に関する書籍“Evolution and Learning: The Baldwin Effect Reconsidered (2003)”を読み進めていこうと思う。フローニンゲン:2018/11/16(金)19:57