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3166. ヨルゲン・ハーバーマスの批判理論から


今朝は起床後にとても肌寒く感じられ、まだ何とか暖房をつけずに生活しているが、ボストンから戻ってくる次の週には暖房をつけ始める必要があるかもしれない。

つい先ほど昼食を摂り終え、今は小雨が降っている。とても冷たそうな雨だ。

早朝の予報では最高気温は14度とのことであったが、もう一度予報を確認すると、最高気温は12度までしか上がらないらしい。道理で寒いわけである。

今日は午前中に、ヨルゲン・ハーバーマスの批判理論に関する“The Critical Theory of Jurgen Habermas (1988)”の初読を終えた。本書はとても実りの多い書籍だった。

ローレンス・コールバーグの道徳性の発達理論を用いながら論を進めている箇所については、今後また読み返す必要がある。ハーバーマスは、私が思っていた以上に発達心理学の枠組みを活用しており、とりわけピアジェからの影響を強く受けているのだと知った。発達心理学の枠組みを採用しながら批判的に社会の問題を考察していく道をハーバーマスは示してくれたように思える。

本書を読みながら考えていたことは多岐にわたるが、経済空間の構造的な問題が公共空間に影響を与え、社会・文化的空間の質を劣化させているというハーバーマスの指摘にはとても納得がいく。ハーバーマスは、公共空間はそもそも、空間内での人々の対話の質と関与の質によって規定されると述べている。

現代社会においては、政府の形を取らない形で、巨大な企業群が中央集権的な力を発揮しており、人々はその力に屈服・抑圧されているような状態が見受けられる。たとえば、マスメディアによる情報などは中央集権的な形で市民に流される。

確かにここでは、ソーシャルメディアの発達などによって、そうした情報に対して市民はあれこれ議論はできるのだが、そもそも流されてくる情報が最初から限定的であることや、ひどく歪められたものであることに多くの市民は気づいていないのではないかと思われる。

そうした限定的かつ歪んだ情報に基づいて市民は議論をすることを余儀なくされており、それが結局のところ公共空間の対話の質を劣化させているように思える。また、多くの市民は情報を得るだけ、もしくは消費するだけで満足するように飼い慣らされているのだから、社会に関与をしていこうというアクションもほとんど期待できない。

公共空間の中における対話と関与の質の劣化により、私たちの社会・文化的な空間はますます劣化していく。本書の中で用いられていたハーバーマスの言葉は、“crisis of social-cultural sphere”であるから、私たちは社会・文化的な空間の危機に瀕している、あるいは崩壊の危機に瀕していると述べた方が正しいかもしれない。

今日は午後からシュタイナー教育に関する書籍の続きを読み進めていき、明日以降からは教育哲学に関する書物を読む計画を立てているが、近日中に本棚に置かれたままになっていたハーバーマスの他の書籍を読み進めていきたいと思う。フローニンゲン:2018/9/23(日)13:12

At Refreshing Lunch Time

It is very refreshing in Groningen today.

Enjoying such an atmosphere, I’ll eat lunch.

After lunch, I’ll go to a barbershop and a secondhand bookstore to purchase some books about philosophy. Groningen, 11:40, Tuesday, 10/16/2018

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