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2719. 変容作用を持つ曲の創出に向けて


時刻は午後八時を迎えた。先ほど瞬間的に雨滴が空から落ちてきたが、空は晴れ、今は暮れ行く西日が地上に降り注いでいる。

今日は昼寝をしている最中、印象的な内的ビジョンを見た。広大な砂漠がそこに現れ、砂漠の大地が太陽の光で輝いていた。

大地を駆け抜けていくかのようにビジョンが移り変わり、最後にはオアシスと様々な色に彩られた街を発見した。徐々にビジョンが消えていき、そこで昼寝から目覚めた。

今日は午前中にエリック・サティの手紙を読んだことに触発されてか、サティの曲に範を求めて午後に曲を作った。日常を新たな眼で見ることを誘う音楽、既存の感覚を一新するような音の創出を実現したいという思いが強くなる。

これは以前から芽生えていた関心であったが、それが実現するのは本当に気の遠くなる程先のことだと理解している。だがその実現に向けた足取りは全く苦ではなく、そこには絶えず小さな喜びと進歩の実感がある。

そうした実感があることに本当に感謝しなければならない。それさえあれば自分はどこまでも進んでいけるような気がする。

夕方から、先日に購入した“Expanding Tonal Awareness: A Musical Exploration of the Evolution of Consciousness (2014)”という書籍を読み始めた。読み始めてすぐにこの書籍の虜になった。

ここ最近購入した書籍の中では最も私の関心を引く書籍だと言っていいかもしれない。著者はルドルフ・シュタイナーの思想に影響を受けている音楽理論家かつ作曲家であり、本書に記述されている内容の一つ一つが私の心を完全に掴んでいた。

人間の発達と音楽がこのように結びつき得ることに驚かされた。端的に述べれば、本書は人間の意識の発達と音楽形態の発達とを関連付けている。さらには、人間の意識と調性感覚の発達モデルについて紹介していると述べてもいいだろう。

この書籍は本当に何度も繰り返し読みたいと思う。先ほど一読を終え、明日も簡単に再読をしたいと思う。

既存の音楽理論に関する解説書を読むことはもちろん作曲において重要だが、そうした書籍ばかり読んでいても自分が実現したい曲を作ることはできない。ある意味、これまで学んできた意識の形而上学やシュタイナーの思想などを組み合わせることによって、日常を新たな眼で見られるような感覚を引き起こす曲を作っていきたい。

それは端的には、意識の変容作用のある曲ということになるだろう。そうした曲を作っていくために、今日はこれからもう一曲ほど曲を作りたい。

上記の書籍があまりに洞察に溢れるものであったため、関連書籍を調べたところ、三冊ほど興味深い書籍を見つけた。“Human Hearing and the Reality of Music(2013)”と“The Inner Nature of Music and the Experience of Tone (1983)”をドイツのアマゾンから取り寄せ、“Intervals, Scales, Tones: And the Concert Pitch c = 128 Hz (2015)”をイギリスのアマゾンから取り寄せることにした。

この夏は音楽理論と作曲理論に関する手持ちの書籍を繰り返し読むと共に、今月に新しく購入した何冊かの書籍を何度も読んでいきたいと思う。できる限り多くの知識を実践を通じて血肉化し、確実に我が物にしたい。フローニンゲン:2018/6/17(日)20:28 

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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