少し早いがもう少ししたら昼食を食べようと思う。早朝の日記に書き留めていたように、今日はこれからマルティニ教会に行き、パイプオルガンのランチコンサートに参加する。
今日は肌寒いが、一日を通して晴れのようであるため、教会までの散歩はとても気分の良いものになるだろう。初夏の花々が満開に咲く中をゆっくりと歩き、マルティニ教会に向かっていく。
私は民族音楽学者になるわけでは決してないが、欧州にいる間に欧州の文化と音楽との関係を探っていきたいと思う。自分が欧州にいる意味、欧州に根を下ろして生活を営んでいる意味を考えなければならない。
この土地で生活をすることでしか得られない感覚や学びを逃すわけにはいかない。今はその関心が音楽に向かっている。
今日これからパイプオルガンのコンサートに参加するのも、この国に根付く音楽文化を理解することに一つの目的がある。今年は特に教会で行われるパイプオルガンのコンサートには積極的に足を運ぼうと思う。
旅をするのと同じぐらいに意欲的に教会に足を運ぶ。欧州での三年目の生活は、旅とパイプオルガンのコンサートを中心に回っていくだろう。
昨日購入した書籍を見てわかるように、私は欧州での生活を通じてこの地に根付く西洋音楽を理解しようとすることに関心があるだけではなく、日本古来の伝統音楽と日本の風土との関係にも関心があるのだと気づく。
それらは純粋に自分の好奇心と探究心からなされる。書籍を読むだけではなく、実際に欧州の各地を旅し、できればいつか日本の各地を旅しながら、直接体験を通じて音楽に対する理解を深めていく。
しかし忘れてはならないのは、決して私が音楽学者になるわけではないということであり、それらの探究は自らの人生を深めるため、そして作曲の手助けのためにあることを忘れてはならない。
先ほど、ゴッホの芸術性及び精神性の発達に関してより深く理解するために、二冊の書籍をイギリスのアマゾンから注文した。一冊は“Vincent Van Gogh: His Spiritual Vision in Life and Art (2016)”というタイトルの書籍であり、もう一冊は“The Shoes of Van Gogh: A Spiritual and Artistic Journey to the Ordinary (2004)”というタイトルの書籍だ。
ゴッホの手紙の全てと無数のイラストが収められた全六巻の“Vincent van Gogh - The Letters: The Complete Illustrated and Annotated Edition (2009)”と合わせてそれらの書籍を読んでいく。突然私は、ベートーヴェンの手紙とゴッホの手紙を比較研究することを通じて、彼ら二人の芸術性と精神性の発達過程を読み解きたいという思いに駆られた。
この比較研究は定量的には決して行わない。そのような味気のないことはしない。徹底的に定性的なアプローチを用いて探究を進めていきたい。
二人の偉大な芸術家の手紙を読み解く際には、“The Art and Science of Portraiture (1997)”という書籍に紹介されている定性手法が有益だろう。この比較研究の際には、ジェームズ・ファウラーの主著“States of Faith (1981)”を久しぶりに参考にしながら、ファウラーの発達モデルを活用しながらベートーヴェンとゴッホの芸術的信念の発達過程を辿ってみたいとも考えている。
ベートーヴェンの発達過程を辿る際には、ゴッホの全六巻に渡るような膨大な資料がなく、まだまだ研究材料が少ないが、昨年に購入した“Beethoven’s Letters (1972)”と “Beethoven His Spiritual Development (1936)”を研究材料にしたい。
この研究は緩やかに進めていくつもりである。ベートーヴェンとゴッホの生き様と作品群が私に与えた影響の大きさを考えると、この研究を博士論文のテーマにしてもいいかもしれないと思う。
その際には、単に二人の芸術的発達と精神性の発達過程を辿るだけではなく、そこから芸術教育へのインプリケーションを引き出せるような研究内容にしたい。この夏から少しずつこの研究に着手する。フローニンゲン:2018/6/15(金)11:04
No.1075: Skin of Life
Although many people may overlook, air has skin, and so a building does.
Taking it into account, we know that we always touch the skin of others——both animate and inanimate beings.
It seems to me that this reality consists of skin, and that many people forget that the only fulness of skin exists in this world. Groningen, 09:22, Thursday, 7/19/2018