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2625. ゆっくりと近づくゴッホ


時刻は夕方の七時半を迎えた。今日は一日を通して気温が高かった。

フローニンゲンの夏の平均最高気温は22度ぐらいであるが、今日は最高気温が29度もあった。湿気が少ない分、そうした気温でも過ごしやすいのが唯一の救いである。

今も爽やかな風が流れている。小鳥の鳴き声が遠くの方から聞こえて来る。その鳴き声は午前中の響きと似ているように思われる。

今日は午前中に小林秀雄氏の全集『ゴッホの手紙』を読んだ。小林氏もゴッホに多大な関心を持っており、私も足を運んだことがあるゴッホの作品を最も多く展示している二大美術館「ヴァン・ゴッホ美術館(アムステルダム)」と「クレラー・ミュラー美術館(オッテルロー)」に小林氏も訪れたことがあるようだ。

ちょうど明後日にアムステルダムのゴッホ美術館に三年振りに訪れる計画を立てており、小林氏の全集でゴッホを取り上げたもの読むことにした。ゴッホについての詳細をここで語ることはしない。

確かに私はオスロのムンク美術館に昨年訪れて以降、ムンクから多大な影響を受けている。しかし、画家の中で一番私に影響を与えているのは間違いなくゴッホだ。それだけははっきりと言える。

小林氏の文章を読みながら、明後日に訪れるゴッホ美術館への期待が高まっていくのを実感していた。ただし、それはとても落ち着いた気持ちの高まりであった。

特に何か特定の作品を見に行くわけではなく、所蔵されているゴッホの全作品をもう一度鑑賞してくる。鑑賞の際には、とにかくよく作品を眺めることを心がけたい。

特に自分を捉えてやまない作品があれば、それだけを眺め続けていてもいいぐらいだ。明後日からはアムステルダムで行われる三日間の学会に参加するため、アムステルダムに滞在する。

仮に午後一番にホテルのチェックインができれば一旦荷物を置き、ホテルから歩いて20分ほどの美術館に向かう。水曜日はゆっくりとフローニンゲンを出発し、アムステルダムに着いてからは閉館ギリギリまでゴッホ美術館で時間を過ごそうと思う。

この夏は再びゴッホの手紙の続きを読み進めていく。小林氏の全集の一巻ではなく、昨年イギリスから取り寄せたゴッホのデッサンと絵画作品が手紙の文章の横に添えられている全集“Vincent van Gogh - The Letters: The Complete Illustrated and Annotated Edition (2009)”だ。

これは全六巻、2200ページにわたって4300ほどのイラストが挿入されている(価格は400ポンド:およそ6万円であった)。この夏は時間をかけてゆっくりと手紙の全てを最後まで読み通していく。

水曜日の美術館への訪問、そして夏にゴッホの手紙を一つ一つ読み進めていくことによって、ゴッホがまた自分にとって近しく、かつ重要な存在になっていくだろう。

今日は午後から学会の発表に向けたパワーポイント資料を作成した。改めて発表時間を確認すると、発表者は三名ではなく、四名であることがわかり、一人当たりの発表時間はおよそ18分程度であることが判明した。

これは質疑応答も含めてであるため、実際に発表する時間は15分弱になるだろう。そうした見積もりを立ててから資料を作成した。二時間半ほどの時間をかけて無事に資料が完成した。

明日は午後から、この資料をもとにプレゼンの予行練習を何度かする。もし追加で盛り込む必要のある事項があれば資料に付け足す。発表時間が限られているだけに、必要なことをうまく説明するように心がけたいと思う。フローニンゲン:2018/5/28(月)19:50 

No.1045: An Icy Castle

Today’s weather in Groningen is brisk and very comfortable. I’m imagining about the life in an icy castle. Groningen, 11:59, Tuesday, 7/3/2018

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