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2527. 経隓ず叡智


䞀぀の週が終わり、新たな週がやっおきた。今日は六時に起床し、六時半を迎える少し前から䞀日の掻動を開始した。

月曜日ずいうこずもあっおか、昚日ずはたた異なる時間がフロヌニンゲンの街に流れおいるように思う。今日も雲ひず぀ない快晎であり、早朝の優しい倪陜光が赀レンガの家々の屋根を照らしおいる。

小鳥のさえずりが爜やかな颚に運ばれおくる。倩気予報の通り、先週の金曜日から日曜日にかけおは本圓に倩気が良かった。

小雚が降るこずは䞀床もなく、雲ひず぀ない晎れた日が続いおいた。それは今日明日ず続くらしい。

しかしどうやら、明埌日からは小雚が降る日に戻るそうだ。䞀日を通じお、その日のどこかで小雚が降るずいうのはフロヌニンゲンらしくおいい。こうした倉動性の激しい倩気にもすっかり慣れた。

気づけばこの地での生掻もあず䞉ヶ月ほどで䞉幎目を迎える。この二幎間の時の流れは緩やかであったが、同時に確かな足取りがそこにあったず思う。

これたでの二幎間で埗たこずは、この人生の䞭でも極めお重芁なものばかりであった。欧州での䞉幎目の生掻は、この二幎間で埗られた経隓の総括的な幎ずしたい。

もちろん、たた新たな経隓を私は積むこずになるだろうが、この二幎間で埗おきたものをさらに深めたいず思う。これたでの経隓を深めるこずそのものが、新たな経隓ずなる。

経隓に぀いお曞き留めおいるず、起床盎埌に入れたお茶のティヌバッグに付されおいた蚀葉を思い出す。「経隓は叡智をもたらす」ずいう蚀葉がそこにあった。

経隓ずいうのはたさに叡智をもたらし埗るのだ。いや、諞々の䜓隓が自らの経隓にたで真に深められた時、それはそのたた叡智ずなるだろう。

ずいうこずは、私がやるべきこずは、やはり既存の䜓隓を経隓にたで昇華しおいく詊みだろう。ずにかく、この二幎間で積むこずのできたかけがえのない䜓隓の䞀぀䞀぀を経隓にたで深めおいきたい。

それが実珟した時、真の叡智に至るだろう。そのようなこずを早朝に思う。

フロヌニンゲンを吹き抜ける早朝の颚は本圓に心地が良く、小鳥のさえずりも私の心を本圓に萜ち着かせおくれる。ここしばらく、ずっずバッハの楜曲を聎いおいるように思う。

スノャトスラフ・リヒテルずフリヌドリヒ・グルダの挔奏をもっぱら聎きながら曞斎で過ごす毎日ずなっおいる。今この瞬間も、リヒテルの挔奏を聎いおいる。

挔奏に関する技術的なこずはほずんどわからないが、毎日10時間以䞊その挔奏を聎いおいるのであるから、きっず私を捉えおやたない芞術性がそこにあるのだろう。

頭ではわからないが䜓でわかるもの。あるいは存圚だけがわかっおいるもの。そうしたものを本圓に倧切にしたい。

そうした䜓隓の䞭に経隓ぞの道がある。今日もリヒテルの挔奏だけを聎き続ける。

曞斎にいる間䞭ずっずリヒテルの挔奏に耳を傟けよう。そうすれば、埐々に芋えおくるものがあるだろう。少しず぀明るみになっおくる事柄を䞻発点にしお、たた新たな探究に乗り出しおいきたい。フロヌニンゲン2018/5/7月06:43

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