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2510. 論文の大きな進展


成層圏が見えるかのような青空が広がっている。時刻は夕方の七時半を迎えた。

この時間帯のフローニンゲンはまだまだ明るく、夕方の四時ぐらいの様相を呈している。気づかない間にこの時間帯になった。

今日は本当に論文の執筆がはかどった。論文の“Discussion”セクションに着手したのだが、数時間をかけて無事に初稿を書き終えることができた。

自画自賛を避けたいところだが、今回の研究は本当に面白い結果が得られた。研究の出発地点から掲げていたキーメッセージである、「発達現象の表層だけに囚われてはならない。深層を見よ」という言葉を裏付ける実証結果を得ることができた。

具体的には、対象としているMOOCの講義ビデオに対して三つの定量化基準を活用して時系列データを作り、その時系列データに潜むフラクタル次元を調査することがいかに重大かを示す結果が得られた。もう少し説明すると、単に三つの定量化基準によって作られた時系列データと学習成果(完遂率、クイズスコア、テストスコア)には統計的に有意な相関関係は見られず、それらの時系列データを持ってしては学習成果の予測をすることができないことが示された。

一方で、時系列データの背後に潜むフラクタル次元を「標準分散化解析」によって明らかにし、それと学習成果との相関関係を眺めると、統計的に有意な結果がいくつかの組み合わせの中に見られたのである。仮に時系列データだけを表面的に眺めていては、学習成果を予測するための変数が何であるかが見えてこなかったのである。

補足事項としては、時系列データというのはダイナミカルシステム理論(ダイナミックシステム理論とは別の応用数学の一つの領域)おいて一つのシステムとして扱われる。専門的には、それは「ダイナミカルシステム」と呼ばれる。

このダイナミカルシステムに潜む構造的なパターンを分析することがいかに大切かを、MOOCの文脈において明らかにしたのが今回の調査の一つの大きな意義である。執筆した文章の誤字脱字などを確認し、論文アドバイザーのミヒャエル・ツショル教授にドラフトを送った。

このドラフトをもとに行われる月曜日のミーティングが今から楽しみである。前回のミーティングで有り難いことに、今回得られた調査結果は査読付き論文として世に送り出すに値する、とツショル教授からコメントをいただいた。

ツショル教授と協働して執筆する二本目の査読付き論文として、今回の修士論文をもとにぜひとも査読付き論文を執筆したいと思う。今回の修士号は三つ目であるため、今回三回目の修士論文ということもあり、いろいろと勝手を知っている自分がいる。

これまでの経験があるおかげで、論文の執筆を滞りなく進めることができ、質的にも過去の二つの論文よりも高いものになっているのを実感する。学術論文の執筆という一つの実践領域を取ってみても、この七年間を通じて確実な進歩を遂げている自分がいることを実感する。

ツショル教授からのフィードバックを待つため、明日と今週の土日は一旦論文の執筆から離れ、協働プロジェクトや作曲実践に力を入れたいと思う。今週末はとても充実したものになるという予感がする。フローニンゲン:2018/5/3(木)19:46

No.1003: The Morning for a Departure

I’ll leave for Amsterdam to participate in the 48th Annual Conference of the Jean Piaget Society.

I really look forward to the three day’s conference and my presentation on Friday. Furthermore, I have a particular expectation for the Van Gogh Museum to visit today. Groningen, 07:35, Wednesday, 5/30/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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