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2504. 科学・哲学・芸術の両立に向けて


早朝の九時を迎えた。辺りが春の幻想的な雰囲気に包まれている。

色彩に富み、生命力に満ち溢れた景色が目の前に広がっている。雲ひとつない爽快な青空、青々と茂る木々、躍動的に飛び交う鳥たち。

そうした一つ一つの要素がこの幻想的かつ生命力に溢れた一つの景観を生み出している。そうした景観を眺めている私もまた、その景観に不可欠な要素としてここにある。

先ほど、トイレの暖房から聞きなれない音が出ていた。トイレの暖房に関しては、数週間前に完全に切っていたのだが、それでも暖かい熱が暖房から出ていた。

もう一度暖房をつけ直し、改めて完全に切ることにした。しばらくして、突然その聞きなれない音が鳴り止んだ。音が鳴り止んだところで、書斎の暖房の温度を少し低くした。

世界は創造によって成り立っているということを先ほど改めて思った。絶え間なく続くこの創造の流れ。私たち自身の内側でも創造の流れは滞ることなく進行し続けている。

私にできることは、自らの創造の流れの中で生きることであり、その流れの中で形を絶え間なく生み出していくことと、それを通じてこの世界の絶え間ない創造の流れに寄与していくことだ。

絶えず創造を宿命づけられた人間存在について思いを巡らせれば巡らせるほど、創造性というものについて関心が向かう。フローニンゲン大学での一年目のプログラムは、まさに創造性に焦点を当てたものであり、今改めてそこに関心が向かっている。

人が創造性を育んでいくプロセスと、それを発揮するプロセスの探究。それは今後の私がより真剣に取り組んでいきたいと思っているものだ。

とりわけ創造性の発揮される領域として芸術の分野を想定している。芸術の中でも、音楽、特に作曲に関しての関心は尽きない。

芸術と人間発達の探究をより深く行っていきたいという思いが日増しに強くなる。今後取得する博士号の一つ目は、まさに芸術と人間発達に焦点を当てたものになるだろう。

今のところ、このテーマ以上に自分が情熱を傾けられるものはない。芸術と人間発達が今の自分を強く駆り立てている。

今、書斎の中にはバッハの音楽が鳴り響いている。ここ数日間、ずっとバッハを聴き続けている。

バッハの音楽を聴けば聴くほどに、バッハの思想と作品世界をより深く理解したいと強く思う。これは他の作曲家の思想と作品世界に対する理解を深めていく際にも当てはまるが、とにかくバッハについて書かれたものを読むだけではなく、バッハが書いた文章も読み進めていきたいと思う。

また、解析的にバッハの楽曲を分析することと、分析を離れた形で純粋に感覚的に曲を聴いていくということも行いたい。後者に関しては、単に曲を聴き流すということを意味しない。

そうではなく、集中した意識を持ってバッハの音楽に接するということだ。そうした実践をしなければ、バッハの思想や音楽世界は一向にして見えてこないだろう。

科学・哲学・芸術の両立。あるいは、それらが三位一体となった生活を早く実現させたいと思う。だが、焦ってはならない。

それは焦って実現されるようなものでは決してないのだ。辛抱強く毎日少しずつ前に進むこと。日々の小さな歩みを積み重ねていくことでしか、そうした生活は実現されないだろう。

科学・哲学・芸術の三つの領域が自分の内側に真に統合され、それら三つの領域に絶えず関与した日々を生きられるのだということを自ら証明したいと思う。それらのうち一つたりとも欠けてはならない。

真善美の追求とそれらが満ち溢れた日々の実現に向けて、今日もまた自分にできることを積み重ねていきたい。フローニンゲン:2018/5/2(水)09:21

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