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2468. 雨上がりの夕方に


雨が上がり、雲間から太陽の光が再びフローニンゲンの街に降り注いでいる。今日は雨が降ったり止んだりする忙しい天気だ。

夕方の四時半を迎えた今、書斎の窓から太陽の光で輝く青々とした木々を眺めることができる。窓ガラスに付着した雨滴もどこか美しく耀いている。

今日は室内にいてもなんだか寒かった。五月を迎えようというのにもかかわらず、午前中は暖房をつけていた。

しかしよくよく考えてみれば、これがフローニンゲンの気候なのだ。この時期に暖房をつけていてもおかしくない気温を持っているのがフローニンゲンという街である。

この街で生活をすることによって、五月が初夏だという概念を再検証することができた。そのような概念が通じるのは特定の地域だけであり、同時にそれらの概念が通じないのも特定の地域においてのことなのだろう。

この世界には本当に様々な気候を持つ地域があることに驚かされる。先日訪れたワルシャワしかり、ブダペストしかり、それらの土地で生活をしてみれば、旅では分からなかったことが見えてくるだろう。

天候一つをとってみても、様々な場所で生活をすることによって随分と多くのことを学ばされていることが分かる。たかが天候かもしれないが、天候が私たちに与える影響については見逃すことができない。

その地域固有の文化は、実はその地域の気候特性と密接に関係しているということを欧州に来て学んだ。気候が私たち自身を育み、文化を育んでいくという側面を蔑ろにしてはならない。そんなことを思う。

差し込む太陽の光の暖かさのおかげで室内も暖かくなり、今は暖房のスイッチを切っている。今日は先ほどまで、自宅から歩いて30分ほどのザーニクキャンパスにいた。そこで研究インターンの最終評価ミーティングを行っていた。

このミーティングの前に、スーパーバイザーを務めてくれたトム・スピッツ氏と改めて三十分ほどミーティングを行った。特に、今回のインターンを通じて私が行ったデータ分析の結果と実務的なインプリケーションに関して口頭で報告した。

その後、インターンのコーディネーターを交えて三人で最終評価ミーティングを行った。スピッツ氏から今回の私の研究とその働きぶりに随分と高評価を得ることができて有り難く思う。

お互いに働いている曜日や場所が異なっていたにもかかわらず、スピッツ氏は随分と細かく私の働きぶりとデータ分析の成果を見ていてくれたようだった。また、私の性格についても非常によく理解してくれていたことが分かり、大変感銘を受けた。

今回の研究インターンを通じて、研究に関する技術が向上したことのみならず、オランダの職場環境についても随分と理解を深めることができたように思う。これまでは日米での職務経験があったが、オランダという国の職場環境はそれら両国とはまた異なる点が多々あったことが記憶に新しい。

スピッツ氏も話していたが、欧州のその他の国とオランダはまた働き方も含めて随分と異なるだろう。今回研究インターンを行ってみて、複数領域で多様な顔を持って仕事をしていくことがいかに自己を深めていくかを再度確認した。

日本企業との協働プロジェクト、科学者としての研究、インターンとしての仕事など、この一年は随分と多くの実践領域を横断する形で仕事を進めてきたように思う。今日をもってインターンは全て終了し、あとはこのインターンの活動報告をするためのレポートをまとめていくだけだ。

そのレポートもすでにドラフトが完成しており、来週の前半にもう一度文章全体を読み返し、修正を施していきたいと思う。本当に全てのことが着実に前に進んで行く。これからもそうした日々を送っていきたい。フローニンゲン:2018/4/25(水)16:45 

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