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2454. 旅の振り返りに向けて


晴れ渡る青空に、優しく吹き渡る春風、そして小鳥の小さなさえずり。人々はまだ活動を始めておらず、日曜日のこの時間帯は本当に静かだ。

今日からいよいよ新たな生活が始まる。わずか八日間の中欧旅行は、その短い期間以上のものを私に授けてくれたように思う。昨日までの旅が全くもって短く感じられなかったことがそれを物語っている。

今日から少しずつ旅の振り返りをしていきたい。旅の最中はなかなか日記を書き留めることができなかった。もちろん、書けるだけのことは書き留めていたのだが、書き残しておきたかったことがまだまだたくさんあった。

そうした事柄は断片的なメモとして残っている。今日からは時間を見つけて、そうしたメモを読み返しながら旅の振り返りを綴っておきたい。

旅というのは本当に自己の存在を深めてくれるような力を内包しているとつくづく思う。ただし、それはあくまでも内包されているだけであって、その力を引き出すのは私たちの意識次第だ。

旅での経験と一つ一つ向き合うこと、それが何より大切であり、それをしなければ旅が私たちを深めてくれることはほとんどないように思う。旅での経験を消費してはならず、旅そのものを消費してはならない。

旅は決して消費されるようなものではなく、咀嚼されるものであり、自分の骨身にしていくべきものである。そうしたことを可能にするのが、旅の振り返りだと思う。

旅を振り返ることによって、旅が終わった後でも、それが自分の人生をさらに深めていくことになる。むしろ、旅は旅を行っている最中に自己を深めてくれるというよりも、旅はそれが終わった後に徐々に私たちを深めてくれるものなのかもしれない。

欧州での三年目の滞在期間中、幸運にもこれからほぼ毎月どこか見知らぬ土地に旅に出かけることになりそうだ。そうした旅の最中においては、今回の旅のように絶えず旅の一日一日を振り返り、日記を書き留めておきたい。

そして、旅が終わった後もまたその旅を振り返っていくのである。こうした過程を経ることによって、旅は真に私たちの肥やしとなっていくだろう。

旅の最中に日記を執筆し、その日一日を真に充実したものとして生きることは、実は普段の日常で行っていることと全く変わらないことに気づく。旅に出かける前も、旅の最中も、そして旅の後も、私はその日一日を深く充実したものとして生きるために日記を書き続けている。

今日から始まる新たな日常においても、その姿勢を崩すことはないだろう。むしろ、これからより一層その姿勢を強固なものにしたい。

鮮やかな朝日が赤レンガの家々に反射している。裸の街路樹に止まっていた一羽の小鳥が今大空に羽ばたいていった。

深い安息をもたらすこの街で私はもう一年暮らすことになった。たった今大空に飛び立った小鳥のように、私も大空に飛び立つ日がやってくるだろうか。いつかきっとやってくるような気がしている。フローニンゲン:2018/4/22(日)07:41 

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