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2451. 【中欧旅行記】旅の終わりに思うこれからの旅


たった今ホテルの朝食を摂り終えた。これからフランツ・リスト空港に向かうバスに乗るためにバス停に行こうと思う。

ブダペストのホテルを出発する前に最後の日記を書き留めておきたい。今日も晴天に恵まれ、今回の旅を締めくくるための素晴らしい天気が今目の前に広がっている。

ブダペストの街に滲み出している文化には大変感銘を受けた。一昨日のオルガンコンサートの印象は今もなお私の内側に残っており、あの音楽体験はこれからの私の肥やしとなり、絶えず大きな励ましを与えてくれると思う。

これまでフローニンゲンではオルガンコンサートに出かけたことはなかったが、街の象徴でもあるマルティニ教会でのオルガンコンサートに今度足を運んでみようと思う。それほどまでに教会で聴くオルガンの音色に魅了されてしまった自分がいる。

中欧旅行を終えるにあたって、これからの旅について考えていた。人生という旅、そして見知らぬ土地に足を運ぶという双方の旅についてである。

今後私は、文明と自然の双方に触れることを交互に繰り返しながら、あるいはそれらを織り交ぜながら旅をしたいと思う。今回の旅行は非常に有意義なものであり、深い体験を与えてくれるものだったが、滞在した場所はどちらも人間が築き上げた文明圏内にあった。

時に自然が恋しくなり、大自然の中に身を置きたいという思いがこの旅の最中に湧き上がったのは確かである。この夏は再び北欧に旅行したいと思う。訪問先はスウェーデンかフィンランドを予定しており、その時は大自然の中でくつろぎたいと思う。

今年の年末はエジプトに行きたい。冬の砂漠は寒いのだろうか。エジプトでも可能な限り自然がすぐそばにある場所で滞在をしたいと思う。

自然の中でゆっくり過ごしながら、日記を書き留め、作曲をしたいと思う。旅から喚起されるもの、文明や自然から喚起されるものを言葉として、曲として形に残しておきたいのである。今後の旅においても、過去の作曲家が残した楽譜を持参し、旅先で音楽を作っていきたい。

朝食を摂りながら、ふと欧州での三年目の生活はほぼ毎月どこかの国や地域に足を運ぶ予定が入っていることに気づいた。来月末はアムステルダムで国際ジャン・ピアジェ学会がある。

フローニンゲンからアムステルダムまでは距離があるため、学会期間中はアムステルダムのホテルに宿泊したい。学会の前日からアムステルダムに行き、三年ぶりにアムステルダムのゴッホ美術館に足を運びたいと思う。

その翌月の六月末にはロンドンで行われる国際学習科学学会に参加する。どちらの学会でも研究内容を発表する機会に恵まれたことは本当に有り難い。

ロンドンを訪れるのは今回が初めてであるため、自分の発表日と感心のある研究内容の発表以外の日はロンドン市内を観光したいと思う。七月末か八月の上旬には、上述の通り北欧に足を運びたい。

フローニンゲンの夏は涼しいが、それ以上に涼しい北欧に行き、そこで大自然と接したいと思う。それ以降の秋においてもドイツのデュッセルドルフとボンを訪れる計画があり、秋には四年ぶりにボストンを訪れようと思う。

ハーバード教育大学院に芸術と教育に関する研究を行っている教授が何人かいることが分かり、そのうちの一人の教授と会ってきたいと思う。また、私が敬意を表しているザック・スタインという若い教育哲学者の師でもあったキャサリン・エルギン教授とも会って話ができればと思う。

そして年末年始にはローマとエジプトへの旅を予定している。このように考えてみると、欧州で三年間過ごすことの意味が見えてくるような気がする。

私には欧州でまだまだ学ぶべきこと・経験するべきことが数多くあるのだ。来年の春にトルコとギリシャを訪れ、その翌月あたりにポーランドのクラクフとアウシュビッツを訪れる。

欧州での旅はまだ終わっておらず、これからが本当の旅の始まりなのだ。オランダでの生活の始まりに期待を寄せながら、そろそろホテルを出発しようと思う。ブダペスト:2018/4/21(土)08:10 

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