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2305. 今日を振り返りながら


就寝に向けての仕事に取り掛かる前に、今日の事柄をもう少し振り返っておきたい。今日は午前中に「デジタルラーニングと学習環境」のコースの実質的に最後のクラスに参加した。

来週は、グループ課題をもとにした受講生からのプレゼンテーションが行われるだけであるため、講義形式のクラスは実質上、今日で最後であった。このコース全体を振り返ってみると、かなり多くの学びを得たように思う。

四月の上旬にワルシャワとブダペストに行く前に、このコースの試験があるため、もう一度コースで取り上げられた論文や講義資料を繰り返し読み直したいと思う。

今日のクラスの中で一つ印象に残っているのは、私たちは現実世界の具体的な事例から多くのことを学ぶが、単にそれをケーススタディとして提示するだけではなく、事例と合わせてメンタルモデルを提示する方が学習効果が高いということである。

個人的に、この調査結果は経験上納得いくものであった。実際の調査は、生物学や物理学の理解度に関するものであり、その時に現実世界の現象を単に事例やアニメーションとして学習者に提示してもそれほど学習効果はなく、それをモデル化した上で提示した方が学習効果が高いことを明らかにしていた。

もちろん、この調査において注意をしなければならないのは、調査対象領域に関する点であり、同時にこの調査がメタアナリシスやシステマティックレビューのような包括的な調査ではない点である。

そうしたことを考慮に入れながらも、とりわけ成人学習においては、錯綜とする現象をモデル化し、そのモデルを通じて現実世界の現象を再解釈していくことは大切になるだろうと思わされた。

複雑な現象を複雑なままに扱おうとしていては、私の思考能力は追いつかない。その際に、現象の枝葉末節は捨象し、現象の本質を抽出してモデル化を行う思考の枠組みを獲得することは重要だろう。

以前の日記で書き留めていたように、モデル化の限界と盲点について理解しておかなければならないが、おそらく多くの成人学習者はモデル化の能力に課題を残しているように思える。

どの領域においてもモデル化ができる能力レベルというのは、カート・フィッシャーの尺度を用いれば、システム構築段階(レベル11)に該当するだろう。「システム構築化能力」と「メンタルモデル」は、随分と前から私の関心の一つであり、これからより本格的にその探究を行っていこうと思う。

クラス終了後、友人のハーメンと一緒にランチミーティングを行った。ハーメンと一緒にこのコースのグループ課題に取り組んでおり、昼食を食べた後に今後の方針について話しあった。

ハーメンとのミーティングはいつも生産的であり、意思決定が速やかに行われる。今日のミーティングもいつもの通り時間がかからず、残った時間でお互いの近況や今後のことについて色々と話した。

今週の土曜日は、このグループ課題に午前中から取り組みたいと思う。課題として取り組むべきものもあと一つとなり、この課題も終わりに近づいている。

日本企業との協働プロジェクトにせよ、大学の事柄にせよ、諸々のことが終わっていく。そして、何かが終わればまた何か新たな事柄が始まる。

人生が一つの流れであるならば、そこには本当に終わりも始まりもないのだろう。自分の人生が個人的なものではなくなり、一つの巨大な縁起に思え始めてくる。

私にできるのは何かを終わらせることでも始めることでもなく、この大河に関与し続けていくことだけだ。フローニンゲン:2018/3/21(水)18:14   

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