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2062. 社会人一年目の頃の記憶


今日はとにかくインターン先のオフィスにいる時はデータの整理しかしていなかった。常にパソコン画面とにらめっこをして黙々とデータの整理をしていたが、時には意識的に自室の窓から外を眺めた。

今日は早朝は曇り気味だったが、オフィスに到着した頃には少しずつ太陽が顔を覗かすようになり、冬の優しい日差しが地上に降り注いでいた。私は自室の窓から誰もいないサッカーコートを眺めていた。

頭の中で何回か視界に映っているサッカーゴールにシュートをした。サッカーもバスケも随分とご無沙汰であるが、今でも暇さえあれば頭の中で両競技をすることがある。インターン先のオフィスでも、息抜きにそのようなことをしていた。

午前中のデータ整理を終えて、キャンパスの敷地内にあるスーパーに昼食を買いに行こうとした時、ふと前職時代にお世話になったシニアマネジャーの顔が脳裏をよぎった。新卒で入ったコンサルティング会社でその方には本当にお世話になった。

私とその方とは親子ほどの年齢差があったが、同時期に会社に入社したこともあり、入社時の研修を一緒に受けることになった。それからその方には随分と可愛がってもらい、二人だけであるプロジェクトを担当する機会も得た。

仕事以外にも、会社帰りに一緒に通天閣に上りに行き、その後新世界で串カツを一緒に食べたりもした。二人とも東京から大阪にやってきたため、大阪の観光名所にはあまり行ったことがなく、休日に一緒に出かけたこともあった。

実は、私が啓示的なメッセージを受けて、経営コンサルティングの領域から離れ、発達科学の領域に足を踏み入れるきっかけになったのは、その方と一緒に訪れた京都にあるクライアントからの帰り道でのことだった。

今でもあの瞬間のことは鮮明に覚えている。その日を境に留学しようと決心し、留学について最初に相談したのもその方であった。

その方に素晴らしい推薦状を執筆していただいたおかげもあって、私の米国留学が実現したと言える。それはもう今から八年も前のことである。

留学後から現在にかけて、その方とは何回かメールでやり取りをした。最後に連絡をしたのは今から二年前に、私が最初の書籍を出版した時だった。

その方に連絡をしてみると、その方は既に退職をし、退職を機に以前からの望みであったロースクールに入学し、連絡を取った時は司法試験に向けて勉強中であるとの連絡が来た。

「小生、司法試験の受験生です。小生歳のせいか、物覚えが悪く、色々難儀しております」というユーモアのあるメールをもらった。

私は留学を決意するまでは、毎朝早くオフィスに行き、仕事関連の勉強をしていた。大抵私の出社はオフィスの中で二番目であり、そのシニアマネジャーの方が常に一番に出社し、机で勉強をされておられた。

その方が熱心に机に向かっている背中を私は毎朝見ていた。プロジェクトの兼ね合いで、私が休日に出社する必要があった時も、その方はオフィスで勉強していることがあった。

「いや〜、家とオフィスが近いものでね。家よりもここの方が集中できるんだよ」とその方が述べていたことを今でも鮮明に覚えている。

その方は定年退職をした後にロースクールに入学し、二年前に法科大学院を修了された。もう司法試験には合格されたのだろうか。

昼食を買いに、キャンパス内のスーパーに向かって歩いている最中、その方との思い出ばかりが脳裏に蘇っていた。社会人一年目の私に対して、その方は毎朝笑顔で、「おっ、加藤君、勉強しとるね」と話しかけてくれていた。

おそらく私は人生を終える最後の日まで、その方との当時の交流を忘れることはないだろう。フローニンゲン:2018/2/19(月)20:23 

No.781: A Run of Time

Time has passed in my life very quickly as if it were running.

Time in my life is sometimes walking and stopping, but I now feel it running. Groningen, 12:01, Tuesday, 2/20/2018

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