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2041. 算術癖


「75万円、100万円、60万円・・・」 数年前に京都の街を歩いていた時の記憶が突然甦ってきた。今、私は北欧にほど近いオランダのフローニンゲンという街で生活を営んでいる。

それにもかかわらず、数年前に京都を訪れた際の記憶がふと蘇り、あたかも自分が京都にいるかのような感覚に陥っていた。

あれは桜の綺麗な春の季節だったと思う。ちょうどその頃はフローニンゲンで生活をすることが決まっていた時期であり、日本を離れる前に、私はもう一度京都に足を運んでおきたいと思った。

夕方、京都の街を歩いている最中、数十歩歩くごとに「75万円、100万円、60万円・・・」と何やら金額を計算している自分がいたことを思い出した。

これまでは無意識的に行っていたが、私は道を歩いている最中に居住用のマンションやアパートを見ると、その家賃収入を計算するような癖があるようなのだ。別に私は守銭奴ではなく、単に算術が好きなだけである。

これは家賃収入に関する計算だけではなく、街で店に入る際にも似たようなことを行う癖がある。先日も、フローニンゲンの街の中心部にある歯医者に行った時、この歯医者の月間の収益を計算している自分がいた。

持参した音楽理論のテキストを開く前に、そうした計算を頭の中で無意識的に行っていたようなのだ。とかく自宅の中ではそのようなことはしないため、時折街に出かけることが何らかの刺激となり、そうした計算に興じてしまうのだろう。

そうした記憶がさらに別の記憶を呼んだ。大学時代に、ゼミのある友人が面白いゲームを教えてくれた。

そのルールは極めて単純で、一桁の四つの数字を四則演算を用いて10を作るというものである。ゼミの友人たちとある授業に参加していた時、授業そっちのけで紙に四つの数字を書き、それらの数字を用いて10を作るゲームに興じていたことを思い出す。

このゲームはいついかなる時にもできるということが特徴であり、大学卒業後も、道行く車のナンバープレートを見て、そこに記載されている数字を用いてこのゲームを行っていた。

今、欧州で生活をしていると、車のナンバープレートの数字が四つでないものの方が多いため、道行く車を見てもなかなかこのゲームができないのだが、それでも似たようなことを自然と行っている自分がいるのは確かだ。

そのようなことに興じる自分はおそらく、単純に算術が好きなのだろう。あるいは意味のないものを組み合わせて、何か意味のあるものを作り上げることが好きなのかもしれない。

また一つ私の知らなかった自分の側面が明らかになったところで、今日の仕事に取り掛かろうと思う。フローニンゲン:2018/1/22(月)10:12

No.676: Experimentation

I determined to experiment creating with the same rhythm but with a different key and melody, which simultaneously generates a different harmony.

This is a total experimentation.

Although I don’t have any hypotheses beforehand, this experimentation will reveal something intriguing to me. Groningen, 18:27, Monday, 1/22/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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