今日は早朝にバッハの曲を参考にしながら曲を作った。楽譜を精査していると、単純にバッハの曲を聴いていてもわからないようなことに気づかされる。
楽譜の中にバッハの創意工夫が溢れている姿を見るにつけ、改めてバッハは美を体現させた知性に基づいて構成的に曲を作っていったのだとわかる。
現在取り組んでいるアーノルド・ショーンバーグの書籍に掲載されているバッハの具体例を見て、それをもう一度実際の楽譜で確認し、その曲を何度も聴くということを行っている。
楽譜を分析し、何度も曲を聴き、そしてその曲に範を求める形で自分の曲を作っていくという実践を今後も継続させていく。この実践を毎日絶え間なく続けていけば、作曲技術の確固たる土台がいつか出来上がるだろう。 昼食時にふと、人は固有の狂気さを内に秘めているのではないか、ということに考えを巡らせていた。もしかすると、私が毎日日記を書き続けていること、毎日作曲をしていることは、自分に固有の狂気さの表れだと言えるかもしれないと思ったのである。
そして、こうした狂気さこそが、その人のライフワークの礎となるのではないか、と考えていた。狂気さを抑圧し、狂気さを否定的に捉えようとする社会の流れとは逆向きに歩いていく。
逆向きに歩く中で、狂気さが具現化された表現物をうまく社会の中に還元的に流し込んでいく術を今後は考えていく必要があるだろう。 ぼんやりとそのようなことを考えていると、夕方前の歯医者の予約の時間が迫ってきた。自宅を出発し、背筋を正されるような寒さの中を歩きながら歯医者に向かった。
街の中心部にある行きつけの歯医者は、フローニンゲン大学の学生に人気があり、終日予約で埋まっていることが多い。歯医者に到着し、受付を済ませ、しばらく持参した音楽理論のテキストを読んでいた。
10分ほど書籍を読み進めていると、私の番が来た。昨年歯医者に来て以降、歯科医の助言通り、半年に一回は歯の検診を受けている。
今回の検診では虫歯はなく、勧めてもらった電動歯ブラシを使っていたことと歯茎を鍛えるために歯間スティックを使っていたことの効果があったようだ。
ただし、電動歯ブラシで少し強く歯を磨きすぎていたためか、二本の歯の歯茎に傷があるようであり、半年に一回のクリーニングに合わせて、歯茎と歯の隙間を埋める治療を次回にしてもらうことになった。 検診が終わって治療費を払うと、突然みぞれが降り始めてきた。みぞれと言うと地面にぶつかるとすぐに溶けそうだが、それは一切溶けることなく固形物のままの姿をしている。
おそらくそれは、あられと言った方がいいだろう。大量のあられが空から舞い落ち、パチパチと地面にぶつかっていた。
こうした風景もまた一興であると思い、私は歯医者で待機をすることなく、折りたたみ傘を広げて自宅に戻ることにした。フローニンゲン:2018/1/19(金)16:50
No.664: Unique Insanity
Human beings may have a certain type of intrinsic insanity.
What I keep a journal and compose music everyday could be a manifestation of my unique madness.
Our life work may be an embodiment of our own insanity. Groningen, 08:52, Friday, 1/19/2018