top of page

1954.今年最後の夜に


2017年最後の日の晩餐を終えた。今、自室に戻り、今年最後の日記を書いている。

数年前に両親の結婚30年を祝って贈ったワインをまだ飲んでいないとのことだったので、晩餐時に私も飲ませてもらった。それは、1983年に製造された “Pernand Vergelesses”のヴィンテージもののワインである。

普段は一切アルコールを飲まないため、実家に戻ってきた年末年始は少しばかり特別な日だと言える。昨日は二時間半、今日は二時間ほどの時間をかけて夕食を楽しんだ。

2017年最後の日を振り返ってみると、今日もいつもと変わらず、読むことと書くことの中で時間が過ぎていった。午後に海岸を散歩している最中、一日が本当にあっという間に過ぎていくことに思いを巡らせていた。

振り返ってみると今日は、今道友信先生の『美について』、辻邦生先生の『西行花伝』、そしてチャイコフスキーの “Guide to the practical study of harmony (2005)”を読んでいた。とりわけ、今道先生の書籍には大変感銘を受けた。

二年前に一読をしていたのだが、今の私が「美」そして「美学」に強い関心を持っているため、今年最後の日にして、本書は今年で最も重要な書籍だったと言っても過言ではないかもしれない。

それぐらいに下線を引く箇所や書き込みをする箇所が多かった。本書を通じて、何度も立ち止まって考える場面があり、今後の探究の指針を与えてもらったように思う。 本書を読みながら、私はこれまで何度も美の力に救われてきたことをふと思い出す。本書の中にも美の価値について論じられているが、私は美に救われてきた自分の経験があるからこそ、美を探求し、美を実践する生き方をしたいと強く思う。

2018年は、探究の重心を美に関するものに移していきたいという思いが沸々と湧き上がっている。美を創出し続け、美を探究し続ける生き方に強い憧れの念を持つ。

2018年は具体的にどのような年になるのかわからない。しかし、2017年と同様に、いやそれ以上に来年は大きな変容の年になりそうなのだ。

そして、来年の一年は、日常に遍満する永遠の美に絶えず包まれた年になることを、もう私は知ってしまっている。今年は美で終わり、明日から迎える来年は美で始まる。

日々は単なる日々ではなく、日々は美だったのだ。山口県光市:2017/12/31(日)21:41

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page