1755. 時の流れぬ時の最果てで
- yoheikatowwp
- 2017年11月26日
- 読了時間: 4分

本格的に寒い日が続き始めてから数日が経つ。冬の訪れを感じながら、私は今日なすべきことに絶えず従事していた。
午前中から昼食後にかけて、予定通りに明日の試験の準備を行っていた。今から少し時間間隔を空け、夕食前と夕食後に再び、作成したテキストの要約を確認し直したいと思う。
今からしばらくは、研究とは離れた本を読みながら、ゆったりとした時間を過ごそうと思う。昼食後、数年前に知った、福永武彦という小説家の作品に改めて感心を持った。
ちょうど二年前に日本に滞在していた時に、福永武彦氏の日記集を購入したことがある。知人の一人が、福永氏の作品を高く評価しており、私も一度福永氏の作品を読んでみようと思ってから、二年以上の月日が流れた。
なぜだかわからないのだが、この二年の間に、福永氏の主要な作品の概要だけを確認することを何度も行っていた。そして、それらの作品を必読和書のリストに記載している自分がいた。
オランダで生活を送っている本日、再び同じことが起きた。福永氏の主要な作品について、再び自分の文献リストを辿り、その概要を確認する自分がいたのである。
どこかの日記で書き留めていたように、私は小説作品を読めない。これは文字通り、一つの作品を最初から最後まで読むことがどうしてもできないのだ。
そのような特性を持っていることは十分承知であったが、先ほど意を決して、福永氏の主要な作品が収められた全集を10冊ほど購入した。
福永氏の全集のうち、1巻から12巻までは小説となっていたが、最初の巻が適正価格では購入できず、また5巻は福永氏が別名で書いていた推理小説がまとめられたものであり、それにはあまり関心を持たなかったため、それら二冊を除いて10冊ほど全集を購入した。
二年間を超す年月の中で発酵されたものが自分の中にあり、それが福永氏の中心主題と何かしらの共鳴を起こしたのではないかと思っている。送り先はオランダの今の住所ではなく、実家にしておいたため、今度実家に帰省する際に、福永氏の全集を欧州に持ち帰りたいと思う。
福永氏の全集を購入後、日々の日課である昼寝を20分ほどしていた。久しぶりに、この短期間の仮眠の中で夢見の意識に陥っていた。
この意識に陥り、再び目覚める時、20分の時間が6時間ほどに伸びたような感覚がした。この感覚は何であろうか。
夢が時間を超越し、長い時間をその空間で過ごしたという感覚がありながらも、夢から覚めた時に時間がほとんど経っていないことに気づく体験である。それは少しばかり宇宙空間に出て行く感覚と似ているかもしれない。
宇宙を旅して帰ってきた後、時代が何百年も先に動いていたことを知るのとは逆に、宇宙を旅して帰ってきたはずなのに、時間がほとんど動いていなかったことを示すような不思議な感覚がした。
時の流れぬ時の最果てを訪れ、そこから帰還した際に、時の最果ての恩恵である時の不流現象がこちらの現実世界にわずかに滲み出しているのではないか、と思わせるような体験であった。
現実世界の時の流れがとても緩やかに流れていく。オランダで生活を始めて一年以上の月日が経った。
過ぎ去った日々を思い出すことを今はしない。なぜなら、それらの思い出は常に今この瞬間の自分の中に顕現し続けており、思い出すことなどできないはずのこの瞬間の現実感覚だからだ。
時計の針が午後3時を告げている。これからもう少し気の済むままに研究に関係のない書物を読み、夕食前から再度明日の試験に向けた準備をしようと思う。2017/11/8(水)15:15
No.400: Van Gogh’s Guidance Yesterday, I had a meeting with two friends of mine, both of whom are international students.
Although we talked about diverse topics, one question was very intriguing to me.
That was: “What brought us to the Netherlands?”
Of course, my destiny and entangled various factors brought me here.
Yet, I thought that I could not forget about the influence from van Gogh.
I don’t know why, but I feel that he is not other person but none other than myself.
I can find van Gogh within me. It is a huge revelation that someone else can be me.
In other words, the possibility of identifying us with somebody else can exist.
I cannot help but think that Van Gogh brought me to this country. 08:40, Tuesday, 11/21/2017