昨日私は、夕食を摂りながら、自分が日々従事していることは、記号創造の営みなのだと理解した。科学論文の執筆にせよ、作曲にせよ、記号を生み出す活動に他ならないのだとわかったのである。
発達心理学者のロバート・キーガンは、私たちは絶えず意味を構築することを宿命づけられた生き物である、と述べている。意味そのものは記号であるため、意味構築活動とはすなわち記号創造活動に他ならない。
そして、そうした記号を何かしらの手段を通じて外側に表現するとき、記号創造活動は形を持ったものとして私たちに知覚される。結局自分が毎日行っているのは、こうした記号創造活動なのだという気づきに襲われたのが昨日だった。
そこからさらに考えていたのは、何かが新たな記号として生まれるということは、記号になる前のものが存在しているということだった。自然言語にせよ、音楽言語にせよ、言語による記号化の影響を受ける前の、生々しい存在がこの世界に存在しているようなのだ。
端的には、記号になる前の何かがこの世界には溢れているのである。それを知った時、記号にならないものに対して、改めて畏怖の心を持った。
一方で、未だかつて誰も記号にしたことのない生々しい存在を、この世界に記号化していくことが、一つ自分が果たすべき役割なのかもしれないと思った。 一昨日、記号化される前の蝶を見た。大学キャンパスに向かう最中に、近くのノーダープラントソン公園を横切った時、一匹の蝶を見つけた。
その蝶が舞っている姿を見て、この現象世界に畏怖の念を持ったの同時に、ある種の恍惚感を覚えた。私は最初、その蝶を見た時、「蝶」だと認識したが、一瞬にして認識以前の状態に引き戻されるような体験をした。
つまり、蝶が蝶として記号化される前の状態に戻ったのである。記号化される前の蝶には名がなく、ひらひらと宙を舞う何かだった。
それを見ている最中、私はとても不思議な感覚に包まれていた。蝶が「蝶」という名前が与えられた瞬間にこぼれ落ちてしまうものと接触している感覚、と表現すればわかりやすいかもしれない。
それがそれたる所以、その存在がその存在たる所以と自分が密着している感覚、と表現すればなお正確だろう。記号化される前の蝶から視線を別のところに移すと、そこには記号化される前の無数の存在者で溢れていた。
公園の池、芝生の上の草花一つ一つ、道端に落ちているカモの糞、目の前を通り過ぎていく人たち、それらどれもがその存在たる所以の光を輝かせていた。この世界には、どうしてこうも多様性に溢れた存在者で満ちているのだろうか、と考えざるをえなかった。
この世界がこのように、多で溢れる形で創造されたのにはおそらく何かの意味があるだろう。一つの壮大なドラマの中に、自分も一人の存在者として生きているような気がしてならない。2017/10/12(木)08:51
No.287:Projective Writing and Connection with Unlimited Sources of Creation I observed my writing process.
The observation made me notice that I projected something beyond me onto a paper. More specifically, the projection has two elements.
One is a somatic projection, and the other is a transcendental projection. Whenever I engage in writing, I always have the whole of what I want to express.
The location of the entity exists in the core of my body and beyond my physical existence. That is why I called the latter as a transcendental projection.
Both projections seem not to occur simultaneously. To articulate the sequence of the projections, the first step is a transcendental projection.
I intuitively and immediately capture an invisible subject to write that transcends my physical body. Then, I embody the theme and project it onto a paper by writing.
Whenever I engage in writing, I always feel connecting with the unlimited sources of creation. 20:31, Friday, 10/13/2017