昨日は久しぶりに随分と夜更かしをしてしまった。気づけば時計が深夜の12時を回っていた。
普段は10時前から就寝の準備をするのだが、昨日は12時半に近くなってから就寝の準備を始めた。その時間まで何をしていたかというと、作曲実践を行っていた。
厳密には、曲を作るというよりも、その前段階として音楽理論に関するMOOCを受講しており、さらには今使っているMuseScoreという作曲ソフトの可能性をさらに探究するための調べ物を行っていた。
音楽理論に関しては、この夏期休暇を利用して、手持ちのテキストを二回ほど繰り返し読んでいたため、随分と基礎的な事柄が頭に入りつつある。ただし、その基盤ですらまだ強固なものではなく、身体の次元で知識が獲得されておらず、時に曖昧な記憶のものが多々あるため、その辺りを今後は強化していく必要があるだろう。
そうしたこともあり、テキストだけではなく、MOOCを通じても音楽理論を学ぼうと思ったという経緯がある。ちょうど昨日、シンガポール国立大学のピーター・エドワード教授が提供する“Write Like Mozart: An Introduction to Classical Music Composition”という作曲コースを全て終えた。
このコースは、音楽理論を学ぶ前の私にとってはかなりハードルが高かったが、全てのクラスの録画を見る中で、非常に有益な作曲理論と作曲技術が随所に盛り込まれており、質の高いコースだった。このコースはクラシック音楽の作曲のためのものであるが、音楽のジャンルを問わず、作曲に有益な内容を提供してくれていると思う。
現在は自分の中で音楽理論の基礎が幾分か確立された状態にあるので、今日からまたこのコースの二回目の視聴を行いたい。一回目はコースの内容を聞くだけであったが、作曲は確かに理論を学ぶことも大事だが、とにかく自分の手を動かすことが重要なので、二回目は自らの手を動かしながら、コースで与えられる課題に取り組むことによって作曲技術を高めていきたいと思う。 昨夜は音楽理論に関する学習を主に進めていたのだが、全く作曲をしなかったわけではない。譜面に向き合い、バッハのゴルトベルク変奏曲アリアの解析を進める過程で、曲を生み出す法則を掴まえようとしていた。
MuseScoreの譜面上にアリアの第一小節から再現を始めたのだが、これまであまり見たことのない記号が出現したため、一つ一つの小節を再現するのに随分と時間がかかった。あるところまで再現をして、曲を再生すると、どうも自分の頭の中にあるアリアではないことに気づいた。
どうやらテンポの指定を間違えていたり、装飾記号のプラルトリラーとモルデントと呼ばれるものを付け忘れている箇所があり、随分とぎこちないアリアが流れた。装飾記号は意味のない装飾を施しているわけでは決してなく、一つ一つが重要な意味を持っていることを痛感させられた。
このように四苦八苦しながらアリアを再現していく過程で、いろいろと学びになることがあり、今後も曲の再現を続けていこうと思う。ただし、このアリアを再現していく中で思ったのは、バッハの頭の中にあったであろう曲の構造を自分の中で把握しておらず、それと同じような構造を自ら生み出すことは相当に難しいということであった。
また、音階の展開も今の自分には理解に苦しむ進行があり、そうした箇所に出会うたびに思わず唸ってしまった。またしても、「このような曲を自分に作ることは不可能だ」という考えが一瞬よぎったが、バッハも最初から完成された状態で曲を生み出したわけでは決してなく、長大な時間をかけた鍛錬を経て、このような素晴らしい曲を生み出したのだということをもう一度思った。
また、バッハは一つの曲を作った後に、時間を空けてから何度も改良に改良を重ねるということを行っていたそうだ。バッハですらも、一つの曲を高度に完成された状態にするのに多大な労力と時間をかけていたのである。
曲を寝かせ、曲を改定するという作業はどこか文章の執筆と同じものを思わせた。2017/8/30(水)
No.134: Research on Piano Works I have various research topics, for instance, adult development, online education——in particular MOOCs——, philosophy of education, etc. Yesterday, my passion for research on music reinvigorated.
I have had a research idea for a long time to investigate a piece of piano music by nonlinear dynamics or dynamic systems approach. Since a piece of music is a dynamic system, the applicability of those scientific fields would be promising.
I also think that network science can be applied to a piece of music because it is not only a dynamic system but also a dynamic network.
The more I engage in music composition, the more I want to know unique features and structures of piano works. Sunday, 9/3/2017