早朝、ポール・シリアーズの “Complexity & Postmodernism: Understanding Complex Systems (1998)”を読み終えた。随所に洞察に溢れる記述があり、複雑性科学と発達科学を架橋させる哲学論文を執筆する際に、この書籍を参考にすることになるだろう。
本書を読みながら随分と多くの下線を引き、多くの書き込みを行った。再読時にまたどのような気づきや発見がもたらされるかが今から楽しみである。 先週末のオンラインゼミナールでは「自己組織化」と「創発構造」について取り上げた。結局、自己組織化の末に生み出される新たな段階としての創発構造は、どのようなものなのかは事前にわからないのだ。
もちろん、構造の特性は多くの発達理論によって明らかになっているが、それが具体的にどのようなものであるかは個人によって差があるのだ。言い換えると、その構造特性がある個人の中でどのように発揮され、どのように体験されるかには随分と個人差があるのだ。
それはやはり、自己組織化を生み出す要素が各人多様であるということと、置かれる環境も多様であるということが影響しているだろう。こうした特性ゆえに、発達をあらかじめ設計するようなことはできないのだ。
哲学者のザカリー・スタインがかつてある論文の中で、「子供を設計することと子供を育てることは全く異なる」と指摘していたように、成人の発達においてもその違いに留意しなければならない。発達プロセスを完全に予測することや発達プロセスを事前に設計することは、複雑性科学の観点から見ても不可能である。
では発達支援者に何が求められるのかということ、そして何ができるのかということについて、シラーズの書籍は大きな洞察をもたらしてくれた。それらのいくつかは、これまで自分が考えていたことの延長線上にあるものもあれば、全く新しいものもある。
今後の日記の中で、少しずつそれらについて言及したいと思う。昼食前にランニングに出かける前に、米国の哲学者かつ認知科学者でもあるジェリー・フォーダーの “The Modularity of Mind (1983)”を少し読む。
本書を読み終えたら、残りの時間は久しぶりに森有正先生の日記をゆっくりと読みたいと思う。 シラーズの書籍の中で脳神経科学とコンピューターサイエンスに関する記述がちらほらとあり、その中でも「バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)」という概念は面白いと思った。これは機械学習におけるアルゴリズムの一つである。
神経回路網がバックプロバゲーションによって絶えずインプットをモニタリングしながらアウトプットを生み出し、その過程の中で学習を続けていくように、自分もインプットを絶えずモニタリングし続けながら絶えずアウトプットを生み出す必要があると思わされた。
ここでいうインプットとは、書籍や論文から得られる情報も含まれるが、環境との相互作用によって生み出される思考や感覚もアウトプットではなくインプットとみなし、それを文章に書くというアウトプットに絶えず変換していくことを自らに課す。
これは、コンピューターが行う機械学習的な営みかつ、人間が行う建築的な営みとして実行させたい。コンピューターが機械学習によって内側のアルゴリズムを絶えず発達させていくように、バックプロバゲーションの発想を自らに適用し、自分の内側のアルゴリズムを絶えず発達させていく営みに従事する。
機械的かつ有機的にそれを実行していく。そのような必要性をふと感じた。2017/7/27(木)
No.1: The Ultimate Reality
The crystal clear blue sky above Groningen is whispering. Can you hear the voices derived from the truth beneath the whisper? If not, you miss something important in our lives.
The sky always crucifies me but at time same time always emancipates me. The crucification and emancipation are not separable. They merge into the one, liberation. Why are we apt to see one partial dimension of the reality?
The aptitude might be one of our inherent propensities. However, we have to dissolve the inclination into the vast ocean. Our reality is an oceanic creation of time and space.
Yet, we should not forget that the ultimate reality is beyond such an amalgamation. Thursday, 8/3/2017