top of page

1331. 出版記念ゼミナールの第一回のクラスより


今日は午前中に、『成人発達理論による能力の成長』の出版記念ゼミナールの第一回のクラスが行われた。久しぶりにオンラインゼミナールを開講することもあり、初回の今日は諸々のことに少々手間取ることが多かった。

今回のゼミナールからマイクロソフトのPPTではなく、Preziを活用した講義に切り替えた。その理由については以前の日記に書き留めていたように、より私たちのの脳や視覚に訴えかける形のプレゼンを行いたかったからである。

Preziを活用することで、これまでのゼミナールの講義とはまた異なった説明が可能になったように思う。一方で、Preziを活用するためにはPCのワーキングメモリに注意しなければならないと思った。

Preziを活用するとなると、どうしてもワーキングメモリを多く消費することになるようであり、説明の一部で音声が途切れてしまうことがあったようだ。改めて自分のPCのメモリなどを確認してみると、随分とPCが重くなっているようだったので、PCを軽くするようにした。

また、これまではブラウザをGoogle Chromeを使っていたが、以前のようにSafariに戻すことにした。色々と調べてみると、やはりMacを使う場合にはSafariの方が良さそうだという結論に至った。

特に、メモリの消費に関して言えば、Safariの方が圧倒的に消費メモリを抑えることができることがわかった。明日もまた初回の日曜日クラスがあるので、明日以降からは再びSafariをメインブラウザにしたいと思う。 本日の土曜日クラスの内容を振り返ってみると、一つ印象に残っているのは、発達プロセスを表す線形的なメタファーが非線形的なメタファーに移行することによって生じた変化についてである。カート・フィッシャーの功績の一つは、まさに発達プロセスを階段のような線形的な形で捉えるのではなく、乱高下の伴った非線形的なプロセスとして捉えたことにあった。

発達科学の領域において、こうしたメタファーの変化はパラダイムシフトとも呼べるようなものであり、受講者の方から質問があったように、これは様々な領域に大きな影響をもたらした。特に、発達研究と発達支援に対する影響が大きいだろう。

既存のメタファーから新しいメタファーが生み出されるというのは、上述の通り、一つのパラダイムシフトであり、パラダイムが変化することによって、そもそも発達現象というものを複雑かつ動的なシステムやネットワークと捉える認識が芽生え始めた。

それに伴い、発達現象を捉える研究手法も新たなものが必然的に導入されるようになったのである。とりわけ重要なのは、複雑性科学の重要分野であるダイナミックシステム理論や非線形ダイナミクスのアプローチが積極的に活用され始めたことにある。

無数に存在する様々な研究手法については、これまでの日記で取り上げてきた通りである。それらの新たな研究手法によって、これまで解明することのできなかったような発達のプロセスやメカニズムが明らかになり始めた。

それに伴い、実証研究をもとにしたアセスメントや能力開発手法などが生み出されるようになったのである。発達研究において複雑性科学の手法が導入され始めたのは、今から30年ほど前ぐらいであるからそれなりの歴史はあるが、ダイナミックシステム理論や非線形ダイナミクスの手法が多くの研究者の間で活用されるようになったのは比較的近年のことである。

そのため、こうした最先端の研究成果を取り入れた人財開発や組織開発を行っている事例というのはまだ少ない。人や組織をダイナミックスなシステムかつネットワークと見立てて発達支援を行うというのは、まだまだこれからの話だろう。2017/7/22(土)

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page