今日は起床直後に突発的な雨が降ったが、午前中の早い段階で天候が回復に向かった。そのおかげもあり、昼食前にノーダープラントソン公園にランニングに出かけた。
雨が止んだ後の晴れ独特の空気と香りが漂う中、私は颯爽と公園を走っていた。現在の仕事が思考を司るものであればあるほどに、自らの身体を調整しなければならないことを強く実感する。
自分の身体は紛れもなく思考運動の土台となっており、身体の基礎が確立されていないと、思考運動を日々継続させていくことはできない。ノーダープラントソン公園を抜けると、私は行きつけのインドネシアンレストランに立ち寄り、いつもトレーニング後に食べることにしているお決まりのメニューを注文し、その足で行きつけのチーズ屋に行き、そこでも毎日摂取しているナッツ類とチーズを購入した。
身体を動かすことのみならず、身体を動かすために必要な食事についても色々と心掛ける必要がある。良質な食事を必要な分だけ摂ることが何より重要である。
身体を動かすことと食事は、特に日頃から気をつけていることだ。昼食後、メールを確認すると、この秋から始まる「実証的教育学」のプログラムのコーディネーターであるマイラ・マスカレノ教授から連絡があった。
有り難いことに、私の近況を気にかけてくれているようであり、一年目のプログラムが無事に終わったかどうかの確認と、この夏の計画についての質問であった。マスカレノ教授からのメールは大きな偶然であり、ちょうど二年目のプログラムで必読となっている専門書を購入したところだった。
教授へのメールに対し、一年目のプログラムが無事に終了したことと、この夏はデンマークとノルウェーに行く旨を伝え、マスカレノ教授が母国のチリに戻るのかどうかを尋ねた。メールのやり取りの後、出版記念ゼミナールに向けた資料作りに着手した。
今日はちょうど第二回目のクラスの講義資料の作成に取り掛かり、ミクロ・メソ・マクロな成長に関して、これまでの自分の研究データから具体例を引用したり、フラクタル次元に関する説明とそれを分析する手法についてなど、書籍に書くことのできなかった点を盛り込んだ。
また、書籍の中でコラムとして簡単に触れた、私の論文アドバイザーを務めてくださっているサスキア・クネン教授の実証研究についてより詳しく取り上げることにした。具体的には、ロバート・キーガンが提唱した仮説モデルである「意味構築能力と葛藤量の関係」について、それをどのように数式モデルとして表現し、どのようにコンピューター・シミレーションをするのかを紹介し、いくつかのシミレーション結果を紹介したいと思う。
それに加えて、本書の本文の中で簡単に触れたダイナミックネットワーク理論についても、より説明を加えたいと思う。発達研究を進めていくにあたって、私が最も着目しているのはシステム科学とネットワーク科学であり、ダイナミックネットワーク理論には両方の科学分野の考え方が盛り込まれている。
最先端の発達研究では、発達現象をシステムかつネットワークと捉えることが徐々に浸透し始めており、ダイナミックネットワーク理論には個人的に熱い視線を注いでいる。また、私のメンターであるルート・ハータイ教授がこの理論に精通し、彼の仕事が身近なところにあるということもあって、第二回のクラスで改めて取り上げたいと思った。
資料作りに没頭していると、いつの間にやら一日が終わりに差し掛かっていた。就寝前に、少しばかり作曲の学習と実践を行い、明日という新たな一日を迎えたい。2017/7/11