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1252. 散逸的な夢と統一体


散逸した精神エネルギーが統一性を取り戻そうとするかのように、昨夜はいくつかの連続した夢を見た。昨日は、私の精神エネルギーが拡散し、それが夜の睡眠の間において、一気に新たなまとまりになろうとするかのようであった。

精神エネルギーが無秩序に散逸したのと同様に、昨夜の夢の内容も散逸的であり、その順序を適切に思い出すことができない。とりあえず、記憶にある断片的な事柄を書き留めておきたいと思う。

まず印象に残っているのは、私がある山の中腹部あたりで父方の祖母と会話をしている場面だった。ドライブとして一つの高い山を登っていく経験があれば、誰しも一度は車を止めて立ち寄ったことがあるであろう、見晴らしの良い休憩地帯で、祖母と私は会話をしていた。

そこには、薄い青空が広がっており、ちぎれ雲がいくつか浮かんでいた。そのちぎれ雲は、私の手の届く距離にありそうに思えた。

過ぎゆくちぎれ雲を見ながら、私は祖母の言葉に耳を傾けていた。「大学にいることは大切だけれども、そこから社会だね」という祖母の優しい言葉が印象に残っている。

話し言葉を書き言葉にした途端、また、前後の文脈を無視する形でその一言だけを切り抜いた瞬間、その言葉が意味することを掴むのは難しいかもしれない。しかし、その言葉を聞いていた私は、祖母の言葉が意味することを全身を通じて理解していた。

見晴らしの良い休憩所を流れる風が強くなり、ちぎれ雲が足早に過ぎ去っていった。 夢の第二幕は、プロイセン王国とゾンビに関係する内容であった。この夢は、完全に映像が断片化してしまい、一連のストーリーを思い出すことができない。

ただし、両眼のくり抜かれたゾンビがそぞろ歩きをしている姿を見かけ、私はそのゾンビと対話をしていたことは確かである。話しかけることを薄気味悪いと思うこともなく、私はそのゾンビから何か重要なことを教えてもらっていたように思う。

そのゾンビの姿と対話内容を思い出そうとしていると、その直後に、私は以前住んでいた寮にいる友人と遭遇し、日本橋にある編集社に今から行く必要があることを伝えた。歩いてそこに行くと一時間ほどかかるため、友人は親切にも、彼の自転車を貸してくれると述べた。

私は、彼の厚意に甘えることにした。友人は、寮の自分の部屋の入り口に自転車の鍵があるから、それを取って自転車を自由に使ってくれ、と述べた。

彼が住んでいた部屋番号は402だった。友人の部屋に到着すると、すぐさま自転車の鍵を見つけた。

彼の自転車は、寮の一階にあるようだった。一階の狭い通路に自転車が停められており、その狭い通路に入る際に、自分の体を横に向けなければならなかった。

自転車に腰掛けたところで、通りを歩く見ず知らずの人が、日本橋の付近は自転車の盗難が多発している、ということを私に述べた。それを聞いた時、私は、この人は日本橋を米国の治安の悪い都市の一角だと誤解しているのではないか、と思った。

だが、友人から借りていた自転車が盗まれてはならないと思ったため、私は結局、走って目的地に行くことにした。夢の終わりに、プロイセン王国の設立に関して、極めて重要な洞察を得たことだけが記憶に残っている。

これらの一連の夢は、明確な関連性を持たず、散発的に思えるが、それらは間違いなく何かによってつながっているような気がしている。それは、無意識の世界を貫く統一性がもたらすものだと言っていいかもしれない。

こうした統一性がもたらすものによって、夢から覚めた私の精神エネルギーは、また一つの新たな総体として機能し始めたようである。2017/7/3

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