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1216. 偉大な社会学者から


昨日の午前中は、あれこれと論文や書籍を読み、午後からは、二時間ほど書籍に関する対談をさせていただいた。普段と異なるのは、この対談だけであり、その他は常時読むことと書くことで構成されているような一日だった。

しかし、今朝の起床時に、いつもより一時間ほど多くの睡眠が必要だということに気づいた。何かを回復させる必要性に迫られていた、と言えるかもしれない。

昨日に目を通して論文は、主に非線形ダイナミクスの手法を活用した楽曲の構造分析に関するものである。一方、読み進めた書籍の中で最も印象に残っているのは、 “Masters of Sociological Thought (1971)”だった。

この書籍は、一昨年に神保町のとある古書店で購入したものであり、本書を開くと、当時の様子がありありと思い出されるかのようである。この書籍は、社会学の発展に貢献した13人の学者の仕事が紹介されており、600ページ弱の内容を持っている。

昨日は、フランスの社会学者オーギュスト・コントとカール・マルクスの箇所を読んだ。コントに関しては、彼が発達論者としての観点を持ってることに驚かされ、それ以上に、ダイナミックシステム理論に通じるような発想を持って社会現象を捉えていたことに驚かされた。

マルクスに関しては、やはり「疎外(alienation)」という概念が、妙に私を惹きつける。疎外とは、私たちが産み出したものが、私たち自身から離れ、逆に私たちを支配するような現象を指す。

例えば、貨幣というのはその際たる例だろう。一体この言葉の持つ何が私を強く惹きつけているのか未だ謎な点が多々あるが、私たちが産み出したはずの文化や仕組みが私たちから離れ、私たちを支配するような現象に対して、私が関心を持っていることは確かである。

また、より焦点を狭めると、私たちが生み出した概念が、いつの間にやら私たちから離れ、私たち自身を縛るような現象にも強い関心がある。これらの点については、より具体的な事例と照らし合わせながら考えを深めていきたいと思う。

また、マルクスの章を読んでいた時に大きな共感を受けたのは、彼が様々な苦難を抱えながら、ロンドンに移住した際の探究生活に関するエピソードだった。このエピソードは非常に有名なものであり、私も以前から知っていたのであるが、改めてその箇所を昨日読んだとき、感じるものがあったのは確かである。

この時期は、マルクスが主著『資本論』を執筆する前であり、まともな生活を送ることすら困難であったマルクスは、そうした状況の中でも探究活動を止めることなく、大英博物館の図書室に毎日朝から晩まで通い詰めた。

この時期の探究が、それからおよそ10年後の『資本論』という作品に結実していく。探究者としてのこうした生き方に大きな励ましを受けるのは、現在の私がマルクスと同じような探究衝動を持って日々を生きているからかもしれない。

今日は、本書の続きのハーバート・スペンサーとエミール・デュルケムの章を読み進める。2017/6/25

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