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951. 難所の突破に向けて


昨日、研究論文を執筆している最中、ザルツブルグで先日行われた非線形ダイナミクスの国際会議でお会いしたハーマン・ハーケン教授の顔が突然浮かび上がってきた。複雑性科学の発達に多大な貢献を果たしたシナジェティクスを提唱した人物の一人であるハーケン教授とその場で交わしたやり取りが強く記憶に残っている。

学会に参加している最中に、ハーケン先生の書籍を読みたいと思っていた。これまで、ハーケン先生の仕事の功績と名前だけを聞いたことがあっただけであり、先生が書き残した書籍については一切読んだことはなかった。

ザルツブルグでの宿泊先のホテルで、先生の書籍の中で強く自分の関心を引くものを何冊が選んでいた。そのことを昨日ふと思い出し、早速英国のアマゾンを通じて、”Information and Self-Organization: A Macroscopic Approach to Complex Systems (2006)”を購入した。

昨日は、ラルフ・ワルド・エマーソンの全集も購入したことを考えると、二人の人物の書籍内容そのものは全く異なるものでありながらも、何か大きなつながりがそれらの間に横たわっている気がした。それらの書籍に共通する普遍的なものが私を引き寄せたのは間違いないだろう。

しかし、その共通事項が何なのかを未だ掴めていないため、それが何かを見出すように二つの書籍を読まなければならない。両者に共通して存在している普遍性が私を捉え、それが私の内側の成熟をさらに展開させていくに違いないという予感がしている。

それらの書籍を読む際に、決して二つの書籍の細部に囚われることなく、私がそれらの書籍を必要だと思わせた本質を発見するように努めなければならない。一年目のプログラムが終了する六月の半ばまで、それらの書籍をじっくりと読む時間は取れないかもしれないが、焦ることなく二つの書籍を読み進めていきたいと思う。

今日は午前中から、修士論文の執筆に取り掛かりたい。昨日思わぬところで足踏みをし、その一箇所に長らく頭を悩ませていた。結局、昨日の段階でそれが解決することはなかった。

その箇所さえ解決すれば、あとは論文の全ての箇所が一つのまとまりとして流れ出すことがわかっている。その流れをせき止めるその一点を何とか突破できるように努めたい。

プログラミング言語のRと格闘し、分析結果が示す指標の意味を明瞭なものにしていく必要がある。今日はとにかくこの点だけに焦点を当てていきたい。2017/4/17

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