昨日は雨が断続的に降っていた。今日は昨日のような雨雲もなく、晴れた一日になりそうだ。早朝の爽快な空を眺めていると、今日は確実に晴れた一日になると確信していたのだが、天気予報を確認すると、午後から天気が崩れるらしい。
正直なところ、それが信じられないほどに、今この瞬間の空は美しい。フローニンゲン大学での最初の学期に受講した心理統計学のクラスを通じて、人間の直感がいかに頼りないものであるかを示す論文をいくつか読んだ。
私は人間の直観が持つ力を信じているのだが、それを全面的に信じるのは問題があることを学んだ。人間の直観力は、与えられた情報や既存の情報を組み合わせて一つの全体的な判断を下す際に、重要な変数を発見することには長けているが、それらを組み合わせることには実は向いていない、ということを学んだように思う。
人間に備わる直観力を活用しながら今目の前に広がる空を見ても、そこに雨を発生させるような変数など見つけることができない。私は一体どの変数を見逃しているのだろうか。
天気を予測する際に、人間の直観力は本当に頼りないものだということをまざまざと見せつけられた気がした。 人間の直観力、ひいてはプロフェッショナルと呼ばれる人たちの判断が、実は定量的アプローチによって導き出された判断に劣るという実証結果と出会ったのは、ロブ・メイヤー教授とスーザン・ニーセン先生のクラスであった。
来週から始まる最後の学期において、再び二人が担当する「タレントアセスメント」というコースを履修する。こちらのコースでは、心理統計学に関する概念と理論、そして実際のデータ分析手法について学びを深めたい。
実は、スーザン・ニーセン先生は博士課程に在籍している研究者であり、私の修士論文の査読者の一人でもある。以前、私の研究の中で適用した統計手法に関して助言を求めた際に、非常に親切に対応をしてくれ、いくつかの参考になる論文を合わせて紹介してくれたことがある。
このコースについても、彼女から詳しい説明を事前に聞き、大変興味のある内容だったので今回履修することに決めた。前回の学期に引き続き、今回の学期に履修するコースの課題は、筆記試験のみならず、コンサルティングの要素が絡んだ論文の提出を要求している。
その課題の内容は、ルーワーデンという町にある観光に特化したプロフェッショナルスクールが、アドミッションの際に志願者をより適切にアセスメントするにはどうすればいいのか、というものである。
詳細は課題に取り組みながら書き留めておきたいが、要するにこの課題は、タレントアセスメントの先行研究や概念・理論を踏まえ、このスクールがこれまで行ってきた志願者選抜方法の問題点を指摘し、改善案を提案するというものだ。
私自身、これまで発達測定を企業の人財評価に導入するプロジェクトに従事してきたため、そうした経験を活かしながらこの課題に取り組み、さらに新たな観点を獲得できるだろうという期待がある。この課題は、とりわけ私の関心を引くものであるため、そのスクールのアドミッション担当がゲストスピーカーとしてやってくる第一回目のクラスが楽しみである。 一方、最後の学期に履修するもう一つのクラス「成人発達とキャリアディベロップメント」でも、コンサルティングの要素が含む課題が要求されている。「タレントアセスメント」のコンサルティング課題は一人で取り組むことが要求されているのだが、「成人発達とキャリアディベロップメント」の方のコンサルティング課題はグループで取り組むことが要求されている。
こちらの課題は、企業人としての能力の発達、働くモチベーションの変化、キャリアフェーズに応じた問題など、何か一つの観点に絞り、そのテーマに対してグループメンバーの一人一人が関係当事者にインタビューをし、問題の発見から問題の解決案を先行研究や既存の理論に基づいて行っていくというものである。
私は、三人や四人でのグループ課題をあまり好まないのだが、この間の学期で二つのグループワークをこなしてきた経験から、グループ課題もそれほど悪いものではないという考えを持ち始めている。
今回の課題は、発達心理学と産業組織心理学を架橋するようなテーマであり、個人的にもキャリアの発達は非常に関心のあるトピックだ。こちらのコースも今から非常に楽しみにしている。2017/4/16