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885. オーベルンドルフという小さな町への思い


早朝、外の物音で目が覚めた。どうやら下の階に住んでいたドイツ人のクリストフとバーバラが帰国したようだ。

そのため、清掃会社の人が部屋を掃除していたようだった。以前上の階に住んでいたスウェーデン人のアクセルが帰国した際も、この清掃会社はなぜだか決まって早朝の五時ぐらいから掃除機をかけ始める。

いつも掃除は一時間以内で済んでいるため、そんな早朝から掃除をする必要があるのか少々疑問であるし、何より近隣住民への迷惑だと思うのだが・・・。今日は、そのような騒音で目覚める形となった。

目覚めた時に、昨夜の夢の中の出来事を回想していた。その内容は、何を示すのかわからないものもありながら、顕在意識下における私の関心と関係しているものもあった。

記憶に残っている一つ目は、私が小学校時代の友人に対して、フランスのボルドーについてあれこれ質問をしていたことだ。夢の中の私はボルドーを訪れたいと思っているらしく、どのような地域なのかについて情報を得ようとしているようだった。

正直なところ、顕在意識の中で、ボルドーに訪れたいという思いはさほどない。そのため、夢の中で、なぜ私がボルドーという場所を口にしていたのか定かではない。

一方、もう一つ記憶に残っていることがある。こちらは、完全に顕在意識の関心と合致したものだと言える。

来週からザルツブルグの学会に参加することになっており、空いた時間にどのような場所を見て回るかをここ数日間あれこれと考えていた。夢の中で私は、父と話をしていた。

偶然ながら、父もかれこれ十年以上も前にザルツブルグを実際に訪れている。その時、『きよしこの夜』の曲が誕生した小さな教会を訪れたという話をこれまで何度か聞いていた。

夢の中で私は父に、「その教会に足を運んだ方がいいと思うか?」という趣旨の質問を投げかけた。すると父は、「必ず足を運んだ方がいい」という返答をした。父からの返答を受けた後、夢の中で私はしばらく考えていた。

すると徐々に、ザルツブルグの街から数十分ほど電車で北上したところにあるオーベルンドルフという町を訪れてみたいという思いが静かに湧き上がってきた。それは決して強烈な思いではなく、大山脈の山道に静かに湧き出る山水のような、静かで小さな思いだった。

起床直後、オーベルンドルフという町が気になり、何よりも、『きよしこの夜』が誕生した教会についてとても気になり始めた。少しばかり調べてみると、オーベルンドルフの町の人口は、わずか6000人ほどであり、その礼拝堂がある以外、目ぼしいものは他にないように思える。

それでも私は、この街に訪れ、その礼拝堂に足を運びたいと思うようになった。起床してみると、夢の中での気持ちが幾分強くなっていることに気づいた。

ザルツブルグに滞在する最終日の午後に、オーベルンドルフという小さな町にあるこの礼拝堂を是非とも訪れてみたいと思う。2017/3/28

『きよしこの夜』が誕生した聖ニコラウス教会

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