夕方の仕事を終え、夕食を済ませてから窓の外を眺めると、嘘のように日が伸びていることに気づいた。夜の八時近くだというのに、辺りはまだ明るい。
ちょうど昨日に、欧州はサマータイムに入り、それを象徴するかのようである。冬の時期における日の入りが、あれだけ早いものだったことを考えると、極端なまでに日の入りの時間が伸びていることに驚きを隠せない。
日が沈む時刻というのも、一つの状態から別の状態に移行する瞬間は非連続であり、大きな飛躍が二つの状態の間にあるように思えた。食卓の窓から、眩しいぐらいに輝く夕日を眺めたのは、本当に久しぶりのことであった。
これから毎日、この輝く夕日を見ながら就寝に向けて自分の仕事を進めることになるのだろう。冬の時期には、辺りの闇という支援者が就寝までの私の仕事を支えてくれていたが、これからの時期には、燦然と輝く夕日が私の仕事を支えてくれることになるのだろう。 今日の一日の仕事を総括すると、計画通りに全てのことを仕上げることができた。特に、修士論文に関しては、教師と学習者間のシンクロナイゼーションを分析するための手法である、「交差再帰定量化解析(CRQA)」の解析結果を全て執筆することができた。
CRQAには、幾つかの指標が盛り込まれており、これまでは各々の指標が意味することを正確に解釈することに苦戦していた。幾つかの専門論文を通じて、それらの指標の意味を解釈しようと思っても、一つの指標と別の指標が一体何を表し、それらの違いが何かを明瞭にしながら文章にすることが難解であった。
今日はそうした難所を乗り越え、全ての指標に関する意味を明確にし、それぞれの指標の結果が何を表すのかを無事に書き上げることができた。これで研究はまた、大きな山場を乗り越えることができたと言っていいだろう。
また、「複雑性とタレントディベロップメント」に関する共同論文に関しても、Google Documentを確認すると、一緒にこの課題に取組んでいるインドネシア人のタタが、担当の箇所をうまく執筆してくれていることがわかった。
タタから送られてきたエクセルファイルをもとに、二人で作り上げた二つのコーディングシステムの測定者間信頼性を測定した。コーディングマニュアルをもとに再評価をした際に、二人の回答が完全に合致することはなかった。
しかし、Rを用いて測定者間信頼性を算出したところ、どちらのコーディングシステムも「非常に強度」とまでは言えないまでも、強度なものだということがわかった。その算出結果をドキュメントに反映し、明後日にタタが執筆した文章をレビューし、とりあえず論文全体が完成することになる。 明日は、再び修士論文の執筆に時間を充てたいと思う。具体的には、「状態空間グリッド」に関して、論文アドバイザーのサスキア・クネン先生から得た先日のフィードバックを元に、修正・加筆を行いたい。
その作業の過程で、 “Discussion”セクションに盛り込んでおくべき内容を閃いたら、その都度メモを取っておきたいと思う。ザルツブルグの学会に参加する前に、 “Discussion”のセクションを書き上げ、論文を構成する全ての部分を今週中に書き切ることができそうだ。2017/3/27