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845. ある土曜日の暮らしぶり


週末の二日間を自分が望む形で過ごすことができるというのは、何にも代えがたい喜びをもたらしてくれる。しかも今日は土曜日であるため、もう一日ほど、自分の探究活動に没頭できる日が残されていることを考えるだけでも、喜びの感情がもたらされる。

今日の午前中に取り組んでいたのは、「交差再帰定量化解析(CRQA)」に関する論文とシステム科学に関する専門書である。前者に関しては、先ほど頭の中にあることをいったん文章の形で吐き出しておいたため、論文の話題については今は少し落ち着いている。

しかし、CRQAについて学べ学ぶほど、CRQAという非線形ダイナミクスの研究手法が持つ奥深さを痛感している。今朝読んでいた論文のおかげで、その手法の本質部分の理解を補完することができた。

ただし、CRQAに含まれる諸々の指標について、それぞれの指標が意味する内容を字面で捉えるのではなく、イメージの次元で捉えたいと思う。夕方あたりに再びCRQAの他の論文を読む際には、各指標に対して、自分なりの理解を図の形で論文に書き込んでおきたいと思う。

先日、非線形ダイナミクスの専門家であるラルフ・コックス教授のオフィスを訪れ、「トレンド除去変動解析(Detrended Fluctuation Analysis: DFA)」について解説をしてもらう時に、図を用いて説明してほしいとお願いをしていたように、私は言葉よりもイメージで概念を捉えることを好む傾向にあるようだ。

夕方から、CRQAの論文を読む際には、各指標が持つ意味を図の形で表現することを強く意識したい。その作業が終われば、再び “Principles of systems science (2015)”に取り掛かる予定である。

午前中に、無事に三章を読み終えることができたので、今度は第四章に取り掛かりたい。この章は、システムとネットワークの関係について論じている。

とりわけ、現在の私の頭の中は、「システム」と「ネットワーク」という言葉に満たされており、両者を架橋するこの章を読むことは、今からとても待ち遠しい。本章を読むことによって、人間の発達現象をシステムとネットワークで捉えることに関して、また小さな進展が必ずあるだろう。 そして、今日の夜に済ませておきたいのは、あれよあれよと言う間に迫ってきた、ザルツブルグで行われる非線形ダイナミクスの学会に参加するための旅行計画である。出発の日まで残すところ、あと二週間ほどになったが、依然として航空券の予約もホテルの予約もしていない。

ザルツブルグでの学会に参加する前に、ウィーンに少々滞在する予定なので、それを含めて各種の予約を済ませておきたい。年末年始の日本への一時帰国以降、フローニンゲンの自宅から半径数キロ以内でずっと生活を続けていたため、その圏外に出ることは、少しばかり期待感を私にもたらす。

ウィーンとザルツブルグを訪れる際に、具体的に何を見て回るかを決めるのは、もう少し後になるだろうが、モーツァルト博物館を始め、音楽にゆかりのある場所には必ず足を運びたいと思う。2017/3/18

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