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809. オランダでの家の購入について


今日は昼食後、フローニンゲンに来てからずっとお世話になっている美容師のロダニムに髪を切ってもらった。職業柄か、ロダニムはとても人当たりが良く、彼との世間話は何かと面白い。

特にオランダの文化や制度について質問をすると、いつも新たな発見を私にもたらしてくれる。昨日、知人からオランダの住宅手当の制度について教えてもらったことを書き留めていたように思う。

全く意図的ではないのだが、今日のロダニムとの世間話の中で、偶然にもオランダの住宅事情、特に不動産の賃貸と購入の話になった。実は私が毎月支払っている家賃は、オランダ人の学生の年間の授業料とそれほど変わりはない。

もちろん、オランダ政府は高等教育に手厚い支援を行っているため、オランダ人の学生が支払う大学の授業料は、極めて良心的だと言える。一方、EU圏以外から来た留学生は、オランダ人やEU圏内の学生が支払う授業料の10倍ほどの授業料を大学に納めている。

とはいえ、それでも私のような非EU圏から来た留学生が支払う大学院の授業料は、米国のそれに比べると格段に安い。話が少し脇にそれたが、毎月にそれぐらいの家賃を支払うぐらいなら、フローニンゲンの街の中心部に持ち家を購入することをロダニムから勧められた。

せいぜいフローニンゲンに後数年ほどしか滞在しないことを考えると、家を購入するというのはあまり賢くない行動であるとわかってはいたが、ロダニムにあれこれオランダの住宅事情について聞いてみると、面白いことがわかった。

そもそも、私のような外国人でも、例えば、フローニンゲン大学の博士課程に進学し、安定的な給料が大学から支払われることになれば、銀行から比較的簡単に融資を得ることができ、自宅を購入できるそうだ。

また、フローニンゲン大学から給料が支払われるというように、オランダ国内で所得を得るのではなく、例えば、日本での自分の事業から安定的な収入が得られているのであれば、それを証明する書類を銀行に提出すれば、同様に融資が受けられるそうだ。

フローニンゲンの街に今後何十年もいるわけでもないことをロダニムに伝えたところ、仮に数年間でも今後この街にいるのであれば、やはり住居を購入するべきだと勧められた。というのも、ロダニム曰く、購入した物件を売ることは非常に簡単であり、何より、購入時よりも間違いなく高く売却できるような仕組みがあるそうなのだ。

実際にロダニムも、数年前に家を購入しており、今は売ることを考えていないが、安定的な収入があるのであれば、オランダで家を賃貸することは馬鹿げており、投資目的としても家を購入することが賢い選択だということを聞いた。 自宅に帰ってから、少しばかり自分でも調べてみたところ、外国人がオランダで家を購入することには特に何も制限がないことがわかった。また、オランダ人の6割以上が持ち家を持っているというデータにも少し驚いた。

オランダの不動産市場に関するデータを眺めてみても、ロダニムの言うように、確かに数年前よりも今の方が住宅を購入しやすくなっていることがわかった。とはいえ、結局のところ、私はせいぜい後一年か二年でまた別の国で生活を開始することになるであろうから、当面はオランダで家を購入することはないだろう。

ただし、仮にフローニンゲン大学から雇われる形で博士課程に進学することになれば、少なくともさらに四年以上はこの街で生活をすることになるため、その時は必ず家を購入しようと思う。2017/3/6

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