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657. ザルツブルグと人生の舵


今日は正午過ぎに、突発的に大きな粒のあられが降った。窓に激しく打ち付けられるあられを見ながら、ザルツブルグで春に開かれる国際会議に思いを寄せていた。

今目の当たりにしている冬の景色の影響だろうか、春のザルツブルグはどのようなものなのかを想像しただけで、心踊る気持ちにならざるをえなかった。以前の日記で言及したように、今回の国際会議の参加には、様々な偶然が重なっていた。

そうした偶然に偶然を重ねた産物が、今回のザルツブルグ行きだったのである。この国際会議は、四月の六日から八日にかけて開催されるのであるが、ここでも偶然ながら、その前後の私のスケジュールがぽっかりと空いていたのだ。

そのおかげで、ザルツブルグに行く前に、音楽の都であるウィーンに立ち寄ろうと思う。ウィーンに数日滞在し、主要な博物館や美術館を巡り、ウィーンの街がどのようなものなのかをこの目で確認しておきたいと思う。

当然ながら、ここで述べているのは、肉体の眼でウィーンを見てくるということのみならず、心の眼や観想の眼を用いてウィーンを見てくるという意味である。表層や外形に囚われることなく、その背後に広がる世界を感じてきたいと思うのだ。

調べてみると、列車を用いてウィーンやザルツブルグに行こうとすると、フローニンゲンからだと15時間ぐらいかかってしまう。さすがに今回は列車の旅を断念し、飛行機を用いてオーストリアに向かうことにした。

非常に良心的な価格の航空チケットが購入できることが判明し、それはアムステルダム国際空港からではなく、ロッテルダムの空港からウィーンに向かうものである。計画としては、ウィーンで数日過ごした後に、列車でザルツブルグに移動し、三日間の国際会議に参加してフローニンゲンに戻ろうと思う。

国際会議の数日後に、外すことのできない所用が入っているため、今回はザルツブルグから他の場所を訪問するのではなく、すぐさまフローニンゲンに戻ろうと思う。 今回の国際会議は、非線形ダイナミクスに関心のある研究者や実務家にとって大変意義深いものだと思う。「複雑性と人間発達」のコースを受講している者たちにも今回の国際会議の詳細情報を共有しておいた。

フローニンゲン大学の何名の教授や学生がこの会議に参加するのかは定かではないが、現地で落ち合うことができたら幸いである。 書斎の窓から外を眺めると、先ほどのあられ模様の雪が止んでいた。窓の縁に少しばかり降り積もっていた雪も溶けていた。

溶けた雪を見ながら、今の私は、自分の内側の熱と一体化し、熱を通じて日々を生きていることを実感した。そこから思ったのは、もしかしたら私たちは、自分の内側から湧き上がる熱に浮かされていれば、人生の舵を取る必要はないのではないだろうか、ということであった。

自己が燃焼を通じて真に生きる時、内側の熱が舵を切り、私たちを必要な場所に導いてくれるように思えて仕方ないのだ。2017/1/14

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