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567. カート・フィッシャーとポール・ヴァン・ギアートの仕事を辿りながら


フローニンゲンの最低気温が本格的にマイナスに入り始めた。外気の寒さに反比例する形で、自分の内側の熱気が日増しに高まっているのを感じる。

もはや自分の内面世界は、外面世界の表面的な変化に左右されることはない。内面世界と外面世界は、深層的な部分で深いつながりを持っているのは確かである。

しかし、今の自分の内面世界は、外面世界の表層的な現象に動じない形で、進化の歩みを進めているのを感じる。早朝のオンラインゼミナールのクラスを終えた後、研究プロジェクトに取り掛かっていた。

昨日は、発達科学者のカート・フィッシャーの執筆した専門書と論文を一心不乱に読み耽っていた。このような集中的な読書を行うと、その日の夜に見る夢が、特殊な影響を受けながら、いつもとは毛色の異なる夢になることは面白い。

昨日の午後はまず最初に、手持ちのフィッシャーの論文と専門書を本棚から取り出し、とりあえず書斎の机の上に積み重ね、机に乗りきらないものは、食卓の上に並べるということを行っていた。

同時に、フィッシャーのCVを見ながら、彼が過去に執筆した全ての論文目録に目を通し、自分の研究に関するものの中で、自分がまだ入手していないものをチェックしていた。チェックのついた項目をもとに、大学の電子ジャーナルを通じて、それらの論文をダウンロードすることを行っていた。

この電子ジャーナルは非常に便利であり、正規の大学に属していなったこの三年間の間に読みたいと思っていた論文を、今このようにして自由に読むことができることは、とても有り難い。フィッシャーが1970年に博士論文を提出して以降、引退をする2014年までの間に、執筆論文は300本を超えている。

そのうち、フィッシャーが筆頭著者を務める論文は、過去数年間の間にほとんど全て読むことを心がけていた。昨日の作業は、抜け漏れていた論文を発見し、それを読むことであった。

フィッシャーの活動初期から晩年に至るまでの探究過程を辿ることによって、研究者として一つの体系を構築していくことが何たるかを教えてもらったように思う。フィッシャーの研究アプローチが洗練されていく過程、理論体系がより高度な構築物に変容していく過程、一つの概念や言葉が彫琢されていく過程を眺めれば眺めるほど、フィッシャーへの敬意が増すばかりである。

昨日だけでは、時間が足りなかったので、今日も午後からフィッシャーの論文を読み耽っていた。フィッシャー同様に、知性発達科学の領域に多大な貢献を果たした元フローニンゲン大学教授ポール・ヴァン・ギアートの仕事に対しても、これから同様なやり方で彼の仕事の体系を掴んでいきたいと思う。

ヴァン・ギアートもフィッシャーと同じく、多産な研究者であり、彼が残した論文の総数も300本を超えていると思う。フィッシャーとヴァン・ギアートの仕事は、他の発達科学者の追随を許さない量と質を持っており、知性発達科学の専門性をより高めていくためにも、彼らの仕事とまずは真剣に向き合わなければならない。

この作業は時間を要するものであるが、大きな励ましを得ることができるとともに、自分の仕事を確実に前に進めてくれることにつながっていると思う。2016/11/27

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