「タレントディベロップメントと創造性の発達」というコースの最終試験が無事に終わり、一息つこうと思ったが、そうもいかなかった。実際には、一息つきたいと思うような気持ちよりも、とにかく自分の仕事と向き合いたい、という気持ちが勝っていたのだ。
日本からオランダに渡ってから、仕事に向き合う態度にも変化が見られ、そもそも仕事に対する意味づけも変化したようなのだ。こうした変化のおかげで、仕事というものが自己の本質に近づく最良の道であると同時に、他者や世界とつながる最良の道であることに気づかされる。
今の私は、諸々の「道」が一つに収束した道の上を生きているのだと思う。つまり、道と自己とが一致し始めたという意味である。この感覚をさらに観察してみると、自己そのものが本来的に道であり、道と呼ばれるものが本来的に自己であることに気づかされる。
こうしたことに改めて気づかされると、本当に私たちが生きる意味世界は、未知なるもので溢れ返っていることがわかる。自己と道との同一性に真に気づかされたのは、本当にごく最近のことなのだ。こうした同一性は、以前の私にとっては未知なるものであったことは間違いない。
だが、仕事を通じて自己を少しずつ深めていくことによって、意味世界からそのような新しい意味を汲み取ることができたのだ。私たちが生きる意味世界は、底なしに深淵なものであり、時に足がすくむことがあるが、その世界と向き合えば向き合うだけ、新たな意味が私たちの目の前に開示されることは間違いないだろう。
来学期が開始されるまでに、自分の仕事を進めることと同時に、オランダ国内の主要都市を日帰りで訪れたいとも思っている。今のところ、候補地としては、ロッテルダム、デン・ハーグ、ユトレヒトの三ヶ所である。
各々の街には、それぞれ是非とも訪れたい場所がある。八月の半ばに欧州小旅行をして以来、フローニンゲンの街から一回も離れることがなかったので、時間を見つけて、違う街の空気を吸うのも悪くないと思うのだ。
そして、これは私の直感であるが、明らかにそれら三つの街には、自分を揺さぶるような何かがある気がしているのだ。何かがあることは間違いないとして、それが何なのかはわからない。ある意味、それを確かめるために、それらの街に足を運んでおく必要があると思っている。
先日、仕事のミーティングをオンラインで行っている時に、動作の不具合がやたらと目立つ事態に遭遇した。そういえば、フローニンゲンの新居に到着してから、時折インターネットの速度が遅くなる事態に見舞われていることをふと思い出した。
自分のパソコンの回線速度を測定できるウェブサイトがあったので、調べてみると、回線速度が平均をはるかに下回る結果であることに愕然とした。私は三階に住んでおり、インターネットのルーターは一階に置かれている。
そこから無線LANを飛ばして、これまでインターネットを使っていたのだが、回線の混雑なのか、ルーターからの距離が遠いからなのか、回線速度が十分ではないことが判明したのだ。そのため、今日は近くの家電量販店に行き、回線速度を上げる機器を購入した。
その機器を活用し、無線ではなく有線でネットに接続してみると、回線速度が無事に向上し、インターネットの利用が再びスムーズムになったことは大変喜ばしい。それにしても、フローニンゲンの街で生活を始めてから、三ヶ月も経ってこの事実に気づくことになるとは、思ってもみなかった。
インターネットを活用して仕事を進めていく場合、回線速度というのは非常に重要な要素であり、これまでそれを蔑ろにしていた自分を少しばかり反省した。インターネットの問題が解決し、来週訪れる予定のデン・ハーグについて色々と調べていた。
この街には、きっと何かがあるに違いない。そのような予感がしている。