今日のオランダ語のクラスでも幾つか面白い発見があった。クラスの参加者の大半は自分よりも年齢的に若いのだが、大の大人たちが本日のクラスの最初に、レストランでの注文の仕方をたどたどしくオランダ語で表現する様は微笑ましいものがあった。
最初のエクササイズは、隣の人とペアを作り、一人がレストランの店員役を務め、もう一人が客の役を務めるというものだった。私はこのエクササイズをイタリア人のファブリツィオと共に行った。改めて振り返ってみると、教師のリセットは実に工夫を凝らしながらクラス運営をしているように思えてきた。
というのも、毎回のクラスの中で多様なエクササイズを学習者に提供し、私たちが飽きないような配慮と工夫がなされているのである。学習を進める上で私たちの感情はとても重要な役割を果たすため、「飽きる(退屈さ)」という学習の大敵となる感情を引き起こさないことは教師に求められる一つの大切な役割だろう。
とりわけ外国語学習においては、単純に単語や文法の解説をするのではなく、多様なエクササイズを織り交ぜながら、実際に言語を活用するという実践経験をクラスの中で積ませていくことが教師の役目となるのだ、と思わされた。
リセットの配慮と工夫を見ていると、これは他の成人学習領域にも等しく当てはまることであるし、私自身も学習コンテンツを成人に提供することを行っているので、リセットのクラスの進め方から大いに学ばせてもらっている。
レストランを想定したシミレーションが終わったところで、一人の生徒からオランダのチップ事情に関する質問が出た。私は今のところまだ一度もオランダのレストランで食事をしたことがなく、外食を控えているが、リセット曰く、オランダにもチップの慣習があるようだ。
ただし、それほど強制力を持った慣習ではないらしく、またチップの金額も米国よりも割安の10%未満ということである。
本日のクラスのテーマは主に、冠詞と強調構文であった。オランダ語の冠詞も当然のごとく、英語のように定冠詞(the)、不定冠詞(a/an)、無冠詞が存在する。特に興味深いのは、オランダ語には二種類の定冠詞が存在するということである。
英語の定冠詞は “the”しかないが、オランダ語には “de”と “het”の二種類がある。名詞に応じてdeを用いるのかhetを用いるのか決まってくる。実はどちらの定冠詞を用いるのかに関して明確な法則性はなく、どの名詞にどの定冠詞が付くのかは慣れるしかないのだそうだ。そのため、名詞を覚える際には、定冠詞と合わせて語彙を学んでいく必要があるのだ。
それほど有益な情報ではないが、 “de”と “het”が付く名詞の数の割合は、2:1とのことである。迷った時には、 “de”の方に賭けてみるのが賢明なのかもしれない。明確な規則は確かに存在しないのだが、いくつか規則に準ずるものは存在している。
例えば、 “de”は “dochter(娘)”や “vader(父親)”などの人称名詞に付けられることが多いということや、複数形の名詞には必ず “de”を付けるということや、名詞の最後が “-je”で終わるものには “het”を付けるということなどが挙げられる。
これらのような規則に準ずるものが少しばかり存在するが、リセットが指摘していたように、名詞と定冠詞を常にセットで覚えていくことを繰り返し、体感的に語感覚を磨いていくことが重要になるだろう。
本日学習したもう一つの項目は強調構文である。オランダ語の強調構文は面白いルールがあり、強調したいものであれば何でも文の一番最初に置くことができ、それを行った瞬間に、次に続く形は必ず「動詞+主語」の順番にしなければならない、というものである。例えば、 “De tekst begint op bladzijde 2 (The tesk begins on page 2).”という文章において、 ”op bladzijde 2”を強調した場合には、 “Op bladzijde 2 begint de tekst”となる。
最初は感覚的に違和感があったたが、文書を作ったり、発音を繰り返しているうちに徐々にこの強調構文にも慣れてきた。近々、これまでの単元の復習テストがあるので、週末に過去習ってきた単元を総復習しておきたい。