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376.「タレントディベロップメントと創造性の発達」:第一回目のクラス


今日は「タレントディベロップメントと創造性の発達」というコースの第一回目のクラスがあった。フローニンゲンに到着してから一ヶ月強の時間が経ち、ようやくプログラムが本格的に動き始めたのを感じる。

フローニンゲンに到着後、このコースが始まる前から、人間の知性や能力が卓越に至るプロセスについてあれこれ考えさせられることが多く、そもそも卓説性や才能と呼ばれるものは一体どのようなものなのかを自分なりに考える時間が十分にあった。待ちに待ったこのコースと共に、人間が持つ才能や獲得しうる卓越性について自分の考えを深めていきたいと思う。

このコースのコーディネーターは、私が所属するプログラムの責任者を務めるルート・ハータイである。実際にルートは、スポーツの領域におけるアスリートの卓越性について長きにわたって研究を進めており、年齢は若いながらも、この分野に関する知見を豊富に持っている研究者である。そして、ルートは初回、第三回、第七回のクラスを受け持つことになっている。

このコースの特徴を一言で述べると、「卓越性」や「創造性」と呼ばれるものを科学的な知見から理解を深めていくことにある。近年、スポーツの世界、教育の世界、企業社会において「タレントディベロップメント」という概念が注目を集めており、アカデミックの世界も「私たちの知性や能力はどのようなプロセスで卓越の境地に至るのか?」「どのような支援や仕組みが卓越性や創造性を涵養するのか?」というテーマに対して多大な関心を寄せているのだ。

このように、学術の世界や多様な実務領域において「タレントディベロップメント」という概念の重要性が高まってきている。このような背景を受けて、このコースでは卓越性や創造性の要因やその発達メカニズムに関する理解を深めるだけではなく、それらをどのように評価するのかというアセスメントについても理解を深め、またどのような仕組みや政策を企業や政府は導入するべきなのか、ということについても理解を深めていく。

話題が多岐にわたるため、実際にこのコースは、様々な教授が入れ替わりに講義を行う形式になっている。ここで各クラスの主なテーマを簡単に紹介したい。

第一回:「タレントディベロップメントと創造性の発達に潜むメカニズム:当該領域の研究に関する歴史」担当ルート・ハータイ

第二回:「タレントディベロップメントとパフォーマンスを決定づける心理的特性」担当:ニコ・ヴァン・イペレン

第三回:「スポーツにおける才能や創造性の発掘とその発達」担当ルート・ハータイ

第四回:「教育における才能と創造性の評価と支援」担当ヘンデリアン・スティーンビーク

第五回:「企業組織における才能と創造性」担当エリク・リーツシェル

第六回:「才能と創造性の測定・評価」担当ロブ・メイヤー&スーザン・ニーセン

第七回(前半):「コースの総まとめ」担当ルート・ハータイ

第七回(後半):「『精神病理は一種の才能か?』」担当ピーター・デ・ヨング

各回ともに非常に興味深いテーマであり、現在の私の仕事とも直接的に結びついているものばかりである。そのため、このコースを通じて学術的な知識を獲得することのみならず、それらの知識を実務の領域で活用できるような知恵にまで高めていきたいと思う。2016/9/14

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