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363. カリキュラム再考


今日は、プログラム長のルートと一年間のカリキュラムの最終決定と論文アドバイザーの選定のための面談をした。論文アドバイザーに関しては、このプログラムに応募する前からサスキア・クネン教授に依頼をしており、彼女が私のアドバイザーを務めてくださることになっている。

フローニンゲン大学は二つのセメスターをさらに前半と後半に分けているので、実質上、ジョン・エフ・ケネディ大学の時と同じようにクォーター制のような形でカリキュラムが組まれる。最初のセメスターの前半と後半に履修するクラスは、ルートを含めた様々な教授陣がゲストレクチャーとして登場する「タレントディベロップメントと創造性」に加え、論文アドバイザーのサスキア・クネン教授が担当する「複雑性と人間発達」の二つである。

次のセメスターでは四つのクラスを履修する予定なのだが、ここでルートから助言があった。フローニンゲン大学で私が探究を深めたいのはダイナミックシステム理論であり、もう一つにはダイナミックネットワーク理論というものがある。

ルート曰く、二つの自由選択科目は全ての学科から履修することができるため、ダイナミックネットワーク理論について理解を深めたいのであれば、数学科のクラスは難解すぎるが社会学科のクラスならお勧めのクラスがある、ということであった。

また、ダイナミックシステム理論についてさらに探究を深めたいのであれば、「動的発達過程におけるマイルストーン」というクラスが第二セメスターの前半にあることを教えてくれた。このクラスに関しては以前からルートより話を伺っていたが、オンラインシラバスに掲載されていなかったので、いつの間にか選択肢から外していたようであった。

もう一度キーワード検索でシラバスを確認すると、そのクラスはオランダ語で提供されている発達心理学科のカリキュラムの中にあった。シラバスを読むと、このクラスはオランダ語で提供されているものであり、もし英語での履修希望者が四名以上いれば英語でも開講する、という記載があった。

実はこのクラスを担当するマライン・ヴァン・ダイク教授と「複雑性と人間発達」のクラスでクネン教授と共に教鞭をとるラルフ・コックス教授の研究には前々から着目していたのだ。

ファン・ダイク教授は主に子供の教育に関心を寄せており、研究の中にダイナミックシステム理論とカート・フィッシャーのダイナミックスキル理論を活用しているため、自分の研究アプローチと似たところがあるのだ。そのため、彼女から学ぶことは多そうだ、ということを思っていたのである。

また聞くところによると、心理学科の中でコックス教授がダイナミックシステム理論に関する数理的アプローチに最も習熟している、ということを耳にしていたため、彼から直々にダイナミックシステム理論の数理的アプローチの教えを受けたいと思っていたのだ。

そうした理由により、このクラスを是非履修したいという思いが高まり、開講にこぎつけるため、英語での履修希望者を今後リクルートしていこうと思う。ただし、このクラスを履修することができた場合に、一つカリキュラムから外さなければならないクラスが出てくるのだ。

それをどれにするかに関して思案していた。現在、自分の学術的探究活動に並行して、発達科学に基づいた人財開発コンサルティングサービスを日本企業に提供させていただいているという仕事もあり、仕事の関係上、どうしても産業組織心理学に関する二つのクラスを外すことはできない。

それゆえに、今のところ「知性・能力の発達とモチベーション」というクラスを泣く泣くカリキュラムから外す方向に傾いている。

全体として、教育・ビジネス・スポーツの領域におけるタレントディベロップメントと創造性開発に関する最先端の研究と実践について学ぶクラスから始まり、ダイナミックシステム理論とダイナミックシステムアプローチに関する理解を深める二つのクラス、イノベーション創出と人間発達に関する産業組織心理学関連の二つのクラス、タレントディベロップメントに関するアセスメントのクラス、というカリキュラムに落ち着きそうである。

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