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83. モンテッソーリ教育の原則:内在的な世界探求力


これまでの記事に引き続き、今回の記事もモンテッソーリ教育に焦点を当てたいと思います。今回は、モンテッソーリ教育の原則に焦点を当て、それがどのように子供たちの内在的な学ぶ力に影響を与えているかについて簡単に紹介したいと思います。

モンテッソーリ教育の根幹に流れる思想は、どの子供もある特定の活動や学習に関心を抱くような内在的な力を持っているというものです。そのため、モンテッソーリ教育では、子供たちが自分の内在的な力を発揮し、ある活動やタスクに焦点を当てられるような環境づくりに配慮しています。

また、子供たちは各人自分のペースで学習を進めることができるため、自分の発達段階や習熟度合いに応じて、学習がより高度なものになっていきます。さらに特徴的なのは、子供たちに座っていることを強制する伝統的な集合クラスとは違い、モンテッソーリ教育では、自分が選ぶタスクに応じて自由に場所を変え、自分のタスクに専念します。

積み木、ブロック、パズル、体操用具、数の書かれたカードなど様々なマテリアルを通じて、子供たちは身体感覚的な学習をおこない、世界を探求する好奇心を多いに刺激されることになります。モンテッソーリは、教育の大きな目的は、子供たちが自分を没入させることのできる活動を発見する手助けをすることであると述べています。

心理学者のミハイ・チクセントミハイは、自己実現を果たしている人を数多く調査したところ、自己をある活動に没入させることができるかどうかは、自己実現を果たしている人の特徴の一つであると述べています。もちろん、チクセントミハイの研究対象は成人でしたが、モンテッソーリ教育では、将来的に自己実現を果たす可能性を閉ざさず、その芽を養うような教育思想が根付いていると言えます。

こうした点を考慮してみると、モンテッソーリ教育の中心は常に生徒にあり、生徒が学校側の要求に合わせるというよりも、学校側が生徒の要求事項に適合するような教育プログラムを提供していると言えます。これは、モンテッソーリ教育が誕生した当時、あるいは現在においてでさえ、教育界における一つのパラダイムシフトであったと言えるでしょう。

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