シュタイナー教育は、私たちの身体に含まれるエネルギー体を考慮し、人間の生涯的な発達に基づいて教育実践をおこなっている点が特徴的であることを強調してきました。エネルギー体としての身体をより詳しく説明すると、シュタイナーは、エーテル体と呼ばれる生命エネルギーが発達に欠くことのできない要素であると主張しています。
エーテル体という概念は、どこか秘教的な響きを持つ言葉ですが、教育プロセスにおいて、どうしてエーテル体の存在を認識することが大切なのでしょうか?シュタイナーが指摘している一つの答えとしては、それが、概念の生成や思考を支える役割を担っているからだとしています。
つまり、思考というのは、エーテル体と呼ばれる生命エネルギーを通じて初めて、そこに活力を得るのです。実際のところ、エーテル体の重要性は何も思考という認知的な側面だけにあるのではなく、子供たちの身体的な発達とも密接に関係しています。
シュタイナー教育が持つ優れた教育実践は、教師が様々なアプローチを用いて、子供たちが持つエーテル体を傷つけることなく涵養し、発達を支援している点にあります。具体的には、子供たちが発達の初期段階にある場合、教師は、子供たちが持つエーテル体の段階に合わせて消化しやすいように知識を提供しています。
特に、読み書きに関して言えば、それを単に平面的な文字として子供たちに提供するのではなく、身体的、視覚的、感情的、音楽的、芸術的な工夫を凝らしながら、発達段階に合わせた形で子供たちが消化できるようにしている点が特徴的です。
これは仮説に過ぎませんが、シュタイナー教育が子供たちの発達段階を常に考慮に入れながら教育実践をおこなっているところから、各年齢あるは各学年に応じて提供される教育実践のアプローチは、カート・フィッシャーのスキルレベルと何かしらの相関関係を見出すことができるのではと思います。
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