カート・フィッシャーの発達モデルは、以前紹介したロビー・ケースの発達モデルと非常に似ています。どういった点で似ているかというと、どちらもピアジェの発達モデルを参照して、主要な段階を4つに分類していることです(厳密に言えば、フィッシャーはより高次の階層についても言及しています)。
フィッシャーは、4つの階層構造を提唱し、各々の階層構造において、私たちは異なる方法で世界を認識し、意味を構築しているとしています。
最初の階層は、「反射階層」と呼ばれ、生誕間もない幼児期に構築される心の段階です。二番目は「運動感覚階層」と呼ばれ、知覚や行動を統制する段階です。三番目は「表象階層」と呼ばれ、現実世界を具体的な言葉で記述することができる段階です。最後は「抽象階層」と呼ばれ、現象を一般化したり、具体的な事物を抽象化する能力が発揮される段階です。
さらに、ロビー・ケースと同様に、フィッシャーは、各々の階層構造の発達の中に、構造的に同質なサイクルが繰り返されることを発見しました。以前紹介したように、各々の階層構造の中に単一要素段階、要素配置段階、システム段階、メタシステム段階という4つのサイクルがあることを指摘しています。
このようにフィッシャーは、心の発達は4つのサイクルを辿りながら、反射階層から運動感覚階層へ、表象階層へ、そして抽象階層へ至ると結論づけています。
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