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11244-11247: フローニンゲンからの便り 2023年11月5日(日)



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タイトル一覧

11244. 飛行機への不満

11245. 未来の扉を開くための旅への願い/人類の脳とサイケデリクス

11246. 形相なき状態へ/アイヌ民族のベニテングタケの活用

11247. ゆっくりと入浴を楽しみながら


11244. 飛行機への不満


深い安堵の気持ち。無事にオランダに戻ってきた安心感に包まれている。今、スキポール空港を出発した列車の中にいる。オランダからボストンへ行く際には7時間を要したが、帰りは偏西風のおかげで6時間のフライトだった。到着予定よりも1時間早い時間に空港に到着できたので、当初予定していたのよりも早い列車に乗ることができたのは有り難い。さすがに移動の疲れが溜まっているので、一刻も早くフローニンゲンの寛げる自宅に帰りたいものである。


帰りのフライトは2回の機内食をパスし、胃腸を休め、6時間の間水分補給やトイレを除いたらずっと寝ていた。寝ていたと言っても実際には熟睡はできず、目を閉じてある種瞑想をしているような状態が続いていたが、それでも目を開けて本を読んだり、パソコンと向き合ったりするよりも遥かに脳が休まったことは確かである。体が疲れているところで脳をさらに疲れさせてしまうと体力の減退は著しいと思われるので、夜の時間帯のフライトは特に休むに越したことはない。


以前より内面宇宙の旅だけではなく、外面宇宙の旅へも密かに憧れを抱いている自分がいたが、今回のわずか6時間か7時間のフライトを受けて、自分は宇宙飛行士には向いていないと思った。飛行機に乗ると自分の内側の感覚がかなりズレる感覚が明確にあり、これは身体に毒だと常々思っていたが、今回それを改めて思った。確かに飛行機は便利なテクノロジーであるが、私からすると改善の余地が多分にある随分ポンコツなテクノロジーである。特に機内の湿度コントロールは見るも無残な状態であり、なぜ湿度をコントロールするぐらいのことができないのだろうかと思ってしまう。また、今後は上空における被曝量も減らしてほしい。前者の湿度は鼻や喉を乾燥させ、そこから病原菌への感染リスクを高めてしまうし、後者の被曝量の問題はかなりの健康リスクである。とりわけこの2つの問題が飛行機の誕生以来ずっと続いているのに、なぜ誰もこの問題の解決に向けた技術開発を進めないのだろうかと思ってしまう。乗客にその対応を任せるというのは航空会社の怠慢のように思える。こうした諸々の不満から、前々から大陸を跨ぐ旅行は豪華客船でゆっくりと行いたいと思ったいた。欧州から日本に帰るときは特にその方法を考えて色々と調べたことがあるが、こうした豪華客船は往復ツアーしか組まれておらず、片道での移動が基本的にできないようなのでこれまた不便である。こうしたことから自分の心身の状態を絶えず良好なものに維持しながら長距離を移動する旅行の手段がないことが残念に思う。少し面倒な手段としては、大陸内を1日に数時間ほど列車で移動し、その町で1泊し、同様のことを目的地到着まで何度か行うという方法である。おそらく高齢になったらそのような手段で移動をした方が間違いなく寿命を縮めないだろう。実際には、それまでになんとか飛行機での旅がもっと快適なものになってほしいし、豪華客船での片道移動のサービスも出てきてほしいと思う。飛行機を用いた旅や移動はもう極力控えたいと思うぐらいに今回の移動は疲れた。フローニンゲンに向かう列車の中:2023/11/5(日)08:47


11245. 未来の扉を開くための旅への願い/人類の脳とサイケデリクス


きっと今日は午後4時か5時には就寝するのではないかと思う。そのどちらかの時間帯に寝よう。ボストン滞在中のホテルにはシャワーしかなかったので、今日はゆっくり自宅の湯船に浸かり、旅の疲労を癒す。そして風呂から上がって足つぼマッサージをしたり、軽くストレッチをしたらそのまま就寝したい。今日は旅の恒例であるファスティングをしようと思う。後ほど朝食として軽く軽食を摂るが、今日の食事はそれが最後で、明日の昼まで何も固形物を摂取しないという1日強のファスティングを行う。そもそも旅の移動で身体全体が疲れているので、そのような状態でたくさん食べ物を食べるというのは愚の骨頂である。1日強のファスティングを通じて胃腸を休め、それを通じて各種のデトックスと身体の疲労回復に努める。午後4時か午後5に就寝し、明日の午前3時半ぐらいまで睡眠を取ろうかと思う。起床時間だけ見ればかなりの早起きだが、就寝時間がすこぶる早いので、実際のところは相当な睡眠時間を確保することになる。


今回の旅の移動を通じて、普段から身体を鍛えていてもどうしようもできないことがあるのだと改めて知る。長距離フライトによって、身体が弱体化し、機内とホテルの乾燥と、ボストンの寒さが相まって、風邪の初期症状を初日と最終日以外ほぼずっと患っていた中での今回のボストン滞在であった。そうした状態でありながらも、今回のボストン滞在は本当に実り多いものだった。とりわけこれからの自分の道を切り開いていく上で不可欠な旅行であった。自分の体には無理をさせてしまう申し訳なく思うが、無理を押してでも敢行して良かったと思える旅であった。とりわけハーバード神学大学院の関係者や学生たちとの交流が自分にとっての財産になった。今年の出願に際して、その競争率の高さから合格通知を得られるかは定かではないが、ご縁があってもなくても、この人生における良き思い出の一コマになったことは間違いない。願わくば、無理をさせてしまった身体に報いるためにも吉報を得ることができれば幸いである。未来の扉を開くための旅になったのであれば、今回体調不良を抱えながらもボストンにやって来て本当に良かったと思えるだろう。


現在の人類は過去から極々わずかの意識の発達を遂げているに過ぎない。身体としてもその変化は微々たるものである。身長や体重の増加はあれど、機能的には大して変わりはないのである。人類の脳の大きさや形はここ5万年ぐらいほぼ変化がないそうだ。5万年という時間を長いと思うか短いと思うかは何と比較するのかや、受け取り方によって違いが生まれるだろう。いずれにせよ、生命進化の長大な歴史から見たときに、たかだか5万年では脳が変わらないだけではなく、意識もさほど変わらないのである。もちろん発達心理学のモデルで見れば、そこに確かに構造的な進化を認めることができる。しかしながら、根本的な脳の設計図はほぼ変わりがないということを見逃してはならない。今後サイケデリクスが解禁され、人類がそれを長い年月をかけて摂取し続けたり、科学の進歩を通じて脳の進化を促すような画期的なサイケデリクスが登場したら人類の脳も少しは変わるかもしれない。人類の脳はこれまでさほど変化してこなかったどころか、逆にシャーマン的な変性意識状態を自由自在に活用することに関してはその能力が抑圧され、眠った状態になっているとさえ言えるかもしれない。サイケデリクスの普及はまず脳のそうした機能を呼び覚ますところから役割が出発するだろうか。フローニンゲンに向かう列車の中:2023/11/5(日)09:06


11246. 形相なき状態へ/アイヌ民族のベニテングタケの活用


今となってはもう昨日だが、ボストンのホテルで、サイケデリクス体験中に生起する種々の内的現象は形相(form)であり、重要なのはその形相に囚われるのではなく、形相なき状態(formless state)を感じることであるということについて考えていた。そこに非二元性の鍵があるのだ。ある種生起する形相に目を奪われ、それに虜になってしまうのは、鈴木大拙氏が指摘するような魔境へ囚われてしまったようなものである。魔境に囚われることなく、形相は目撃者の意識状態を通じて目撃することに努める形で、形相なき状態にいかに留まれるか。それが非二元性を自己の内側で涵養していく際に重要な役割を果たすであろう。


そう言えば、アムステルダムからボストンに行く際のフライトの中で、アイヌ民族のサイコアクティブな物質の活用について言及している興味深い英語論文を読んでいたことを思い出した。どうも日本はサイケデリクス恐怖症のようなものが一般人だけではなく多くの学者にもあるようで、これまでアイヌ民族の日本語文献を調査していてもサイケデリクスの使用に関する明確な記述はなかった。ある対象を無視することであったり、盲目的であり続けることは学問の態度としてどこかおかしいのではないだろうか。いずれにせよ、その論文に書かれていたのは、アイヌ民族がカムチャツカ半島のシャーマンと同じく、イボテン酸というサイケアクティブな物質が含まれるベニテングタケを儀式で使用して来た歴史があるとのことだった。アイヌ民族が住む場所とカムチャツカ半島の近さを考えれば、アイヌ民族がベニテングタケをシャーマニズムの儀式に使っていたとしても何ら不思議なことではない。むしろこれまでそれが知られていなかったことが不思議なぐらいである。真実を隠蔽するというのは決して学問が行うことではない。学問は真実を明らかにすることなのだ。学問は絶えず真理に開かれ、真理に向かっていくものなのだ。この点については自分も常に肝に銘じて学術研究に打ち込み、とりわけサイケデリクスが開示する全象限的な真理の開示にとことん打ち込んでいきたい。フローニンゲンに向かう列車の中:2023/11/5(日)09:20


11247. ゆっくりと入浴を楽しみながら


時刻は午後12時半を迎えた。フライトが1時間ほど早くスキポール空港に到着したおかげで、午前11時過ぎにはフローニンゲンの自宅に帰ることができた。ハーバード神学大学院はとてもアットホームな雰囲気だったが、ここフローニンゲンはそれとはまた違う種類のアットホームさがあり、心底自分の心が落ち着く。ボストンのホテルには浴槽がなかったので、先ほどじっくりと湯船に浸かって寛ぎのひと時を過ごした。ラベンダーの入浴剤をいつもより少し多めに入れて、その香りと共に肩まで使って身体を温めた。移動の疲れと寒さで固まった筋肉がほぐれていくのがわかり、今から数時間後にはぐっすりと眠りの世界に入れるだろう。今日は日暮れ前に就寝する予定だ。たっぷり睡眠を取って、明日の早朝からまたいつものように全身全霊でサイケデリクス研究に打ち込もう。それと並行して、HDSに提出する志望動機書をポールにレビューしてもらうために、来週のどこかで最終版にする。また、明日と明後日にはライティングサンプルについても加筆修正を行なっていく。


以前から気づいていたが、日本、アメリカ、オランダでは水の塩素濃度が異なり、アメリカは日本の10倍ほどの塩素濃度があり、実はそのおかげでシャワーだけでも随分と肌質が良くなっている。オランダは日本の4倍ぐらいの濃さだったかと思う。自分にとっては、肌に水が一番合うのはアメリカかもしれない。空気の綺麗さで言えば、滞在したボストンとフローニンゲンを比較すれば、都市の規模が違うので当然と言えば当然かもしれないがフローニンゲンに軍配が上がる。しかし、マンションの下見をしたボストン郊外とフローニンゲンの今の自宅の周辺とでは空気の綺麗さと落ち着きはそれほど変わりがないように思える。


先ほど入浴しながら天窓を眺めていると、ここからはもう旅行に出かけることは基本的にしないが、仮に来年からアメリカでの生活が始まることが決まったら、欧州旅行の最後はスイスのアスコナにしたいと思った。そこにはまだ足を運んだことのないユング記念館があるし、何よりアスコナは世界の名だたる神秘思想研究者が一堂に会したエラノス会議が開催されていた場所でもある。そうした歴史的に意味のある地の雰囲気を感じる形で当面の欧州旅行の最後としたいと思った。アスコナに行くとすれば、来年の4月末か5月初旬がいいだろう。そのようなことを天窓を眺めながらゆっくり入浴しているときに思った。寛いだ意識状態で浮かんだアイデアはかなりの確率で実現するような気がしている。フローニンゲン:2023/11/5(日)12:52

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