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11234-11243: ボストンからの便り 2023年11月4日(土)



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成人発達理論とインテグラル理論を楽しく学んでいただける「成人発達コラボラジオ」を2023年7月14日より始めました。

タイトル一覧

11234. 【ボストン滞在記】ボストン出発の朝に

11235. 【ボストン滞在記】ボストンとフローニンゲンの天候比較を行う自分/今朝方の夢

11236. 【ボストン滞在記】ハーバード大学における学際的なサイケデリクス研究の動向に想いを馳せて

11237. 【ボストン滞在記】2人の協働者の方へのメール

11238. 【ボストン滞在記】重なる幸運な偶然/“Afflicted (2018)”を視聴しながら思うサイケデリクスの役割

11239. 【ボストン滞在記】エールフランスのラウンジに到着して

11240. 【ボストン滞在記】サイケデリクス比較神秘主義研究への目覚め

11241. 【ボストン滞在記】その人固有の命が辿る道

11242. 【ボストン滞在記】DMTが持つ諸刃の剣の性質から

11243. 【ボストン滞在記】サイケデリクス・ルネサンスの背後にあるアメリカの構造的闇の解決に向けて


11234. 【ボストン滞在記】ボストン出発の朝に


時刻は午前5時を迎えた。いよいよ6泊7日のボストン旅行も終わりを迎え、本日オランダに帰る。フライトの時間が午後8時と遅いのだが、搭乗が約1時間前ぐらいから始まるので、空港には早めに到着しておこう。少し早いかもしれないが、ホテルのチェックアウトである午前11時にはホテルを出発したいと思う。そうすると空港には正午前に到着する。昨夜、オンラインで搭乗券を発券しようとしたが、それがうまくいかなかったので、デルタ空港のカウンターに行って搭乗券を発行してもらおうと思う。無事に搭乗券を受け取ったらセキュリティーチェックを通過してラウンジに向かいたい。そういえば思い出したが、5年前も今日利用しようと思っているエールフランスのラウンジを活用したのだと気づいた。そこにはシャワーもあったはずなので、フライト前にシャワーを浴びてさっぱりしたいと思う。


当初の予定では、空港のラウンジでHDSに提出する志望動機書(SOP)の加筆·修正を行おうと思っていたが、昨日の段階で加筆·修正を完成させることができた。それに加えてレジュメにも加筆·修正を加えて、ドラフトを完成させた。昨日はそうした作業が捗り、それをもたらしてくれたのも旅の刺激のおかげかと思う。であればこの刺激をさらに活用しないというのはもったいないように思えたので、ホテルのチェックアウトまでの時間を、自分の研究アイデアを紹介したライティングサンプルの加筆·修正に充てたいと思う。これは参照文献の引用が求められるため、当初の予定ではオランダに戻ってから加筆·修正をしようと思っていた。しかし、どの書籍やどの論文を引用するかに関しては既に頭の中に大半のものがあるし、何より毎日サイケデリクス研究を進めながら執筆してきたリサーチノートがあるので、それを見て参照文献を正しく引用していけばいいと思った。SOPの字数制限は1000字だったが、ライティングサンプルは1500字である。多少字数にゆとりはあるが、研究アイデアは組み尽くせないほどたくさん色々なアイデアや観点があるので、うまく思考を整理しながら首尾一貫した研究アイデアを紹介したいと思う。


最後に細かなこととして、帰りのフライトでは機内の乾燥から喉を守るために、喉につながっている鼻を乾燥から守るべく、鼻にワセリンを塗ることにした。そのような方法があることを知らず、ぜひ試してみようと思ったのだ。実は早速昨夜寝る前にもホテルの自室の中で試してみたところ、今朝はもう喉の痛みもなく、鼻水もほとんど出ることなく万全の体調に近い状況になった。今後また旅行に出かける時には、機内やホテルでの乾燥から鼻を守るために、鼻の中にワセリンを塗ることを行っていきたいと思う。ボストン:2023/11/4(土)05:25


11235. 【ボストン滞在記】ボストンとフローニンゲンの天候比較を行う自分/今朝方の夢


ボストンの町がゆっくりと目覚めようとしている。今日は土曜日だが、午前5時半を迎えようとしているこの時間帯でも車の音がもう聞こえてくる。今の気温は8度で、それほど寒さはない。昨日の午後に近くのホールフーズマーケットに歩いて向かった際には、暖かさを感じていて、帰りの時には少し汗が滲みそうなぐらいだった。もちろん上下にヒートテック等を含めてかなり着込んでいたわけだが、それでも昨日までの数日間においては寒さを感じていて、昨日がどれだけ暖かかったかがわかる。幸いにも今日も日中の最高気温は14度まで上がるので、空港や機内の気温を考えるとヒーテックを着込んでいく必要はないだろう。念のため、寒さを感じた時のために上のヒートテックだけリュックサックに入れていく。


ボストン滞在全体を振り返ってみると、移動初日と次の日以外は晴れに恵まれ、本当に素晴らしい天気の中でボストンで過ごすことができて幸いであった。実際にボストンはここから1週間1日だけ小雨マークが付いているだけで、あとは全て晴れのようだ。転じてフローニンゲンはどうかというと、この1週間で晴れマークが付されている日は1日もなく、全て小雨マークが付されている。これがボストンとフローニンゲンの天気事情である。5年前はあまり天気の比較をしていなかったが、来年からボストンで生活するかもしれないという意識が自分の中に芽生えているからなのか、今回はそうした天候比較を無意識的に行っている自分がいた。


今朝方は珍しく記憶に残る夢を見ていなかったように思う。ただぼんやりと覚えているのは、前職時代によくしてくれていた女性の上司の方が登場し、その方と談笑していた場面である。その他にも、自分ではない誰かが運転する乗用車に乗って、自分は窓からぼんやりと外の景色を眺めていた場面があった。今のところ今朝方の夢で覚えているのはそれくらいだが、ここからまた何か思い出すかもしれないので、思い出したらまた夢日記を書き留めておこう。ボストン:2023/11/4(土)05:52


11236. 【ボストン滞在記】ハーバード大学における学際的なサイケデリクス研究の

動向に想いを馳せて


静かに今回のボストンの旅を振り返りたい気分が押し寄せてきた。ボストンの夜明けはもう少し先のようだが、夜明け前に今回の旅の総括のようなものを書き留めておきたい。おそらくここからオランダに帰る道中においても、さらにはオランダに戻ってからも今回のボストン旅行についてはたびたび振り返ることになるだろう。それくらいにこの6日間は濃密であった。とりわけ今の自分の最大の関心事項であるサイケデリクス研究において希望をもたらしてくれるという意味での濃密さがあった。


それで言えば、日頃からサイケデリクス関係のニュースはウォッチしているつもりであったが、完全に見落としていたものとして、昨日のラジオ収録の合間に早田航さんに教えていただいたイーロン·マスク氏によるハーバード大学への20億円ほどの寄付は驚くニュースかつ嬉しいニュースであった。マスク氏は革新的な起業家として有名であり、そんな彼が今サイケデリクスのとりわけ医療効果に注目しているというのはもっと注目されていいことなのではないかと思う。マスク氏がハーバード大学をサイケデリクス研究の中心地として選んだことには様々な理由があるだろうし、自分が思っている以上の理由もあるだろうが、少なくともアメリカのサイケデリクス史を振り返ってみれば、ことサイケデリクス研究に関して言えば元々ハーバードが最初の起点だったのである。1960年代のティモシー·リアリーやリチャード·アルパートらによる研究もそうであるし、民族植物学者のリチャード·エヴァンス·シュルテスはさらに歴史を遡って、内的ビジョンを知覚させるシロシビン·マッシュルームの研究に1930年代の後半からハーバードで行っていたのである。 そうした歴史があるのがハーバード大学なのであり、ハーバード大学はおよそこの世に存在する全ての学問領域と実践領域をカバーする形で様々な学科やプロフェッショナルスクールがある。学際的にサイケデリクス研究をする場所として、世界にハーバード以上の場所はなかなか見つからないであろう。おそらくそんな判断がマスク氏にもあったのではないかと推察される。


この寄付を受けて、ハーバードが学際的なサイケデリクス研究プロジェクトを立ち上げるのか、それとも修士課程·博士課程を新たに新設するのか、はたまたその両者なのかはまだ全貌が明らかになっていない。ハーバードは大学そのものとして学際的な機関だが、修士課程·博士課程として仮にサイケデリクスを学際的に扱えるようなプログラムができたら、唯一のものになるのではないかと思う。サイケデリクスというのはそれだけ多様な学問領域から研究できる可能性を有しているし、多様な実践領域からアプローチするべき規範性も有している。おそらくそんな対象はサイケデリクス以外にないと言っても過言ではないだろう。


いずれにせよ、ハーバードが威信をかけて、ハーバードの全学術的リソースを投入して学際的にサイケデリクスを研究する本当に大きな動きが今起ころうとしていることを当地で実感できたことは本当に幸いであった。このニュースをこの地で知ったことは、また何かの導きなのかもしれない。その導きに感謝しながら、可能であれば自分もこの地で学際的に思う存分サイケデリクスに関する研究と実践に従事したい。願い事が1つだけ叶うとするならば、この願いを叶えてほしいと思う自分がいる。ボストン:2023/11/4(土)06:49


11237. 【ボストン滞在記】2人の協働者の方へのメール


つい今し方、2人の協働者の方にメールを送った。それは、ボストンの当地で感じたハーバード大学を取り巻くサイケデリクス研究の動向を伝える内容のものである。


細かなところで言えば、ハーバード大学の生協にあたる書店(Harvard COOP)で、いくつものサイケデリクスに関する書籍が棚に置かれている光景を目撃し、やはりこの地でもサイケデリック·ルネサンスが起きているのだと実感した点をまず伝えた。その書店に置かれていたのは数冊程度だったが、ハーバード大学のメインキャンパス前のマサチューセッツ通りを東に下ったところにある宗教·スピリチャル系の専門書店にはサイケデリクスに関する書籍だけを扱う棚があり、そこには60冊を超えるサイケデリック関連書籍が置かれていた点も伝えた。


そこからは、それでは、ハーバードの学内にいる人たちはどれほどサイケデリクスに関心があるのだろうか?サイケデリクスについて話ができる雰囲気がどれほどあるのだろか?そんな疑問を持ってハーバード神学大学院のオープンキャンパスイベントに参加した時の話題を共有した。朝食会場の6人掛けのテーブル席で同席した全員が過去に何かしらのサイケデリクスを摂取していて、何らかの観点からサイケデリクスについて今も関心があるとのことだったという話や、聴講させてもらったユダヤ教神秘主義のクラスにおいて、ユダヤ教のカバラとサイケデリクス体験を絡めた質問を私の方からさせてもらったところ、2時間のクラスの中でその問いに対する他の生徒も含めたやり取りが最大の盛り上がりを見せる形になったことも伝えた。


そして特大ニュースとして、ちょうど2週間前に、革新的な起業家のイーロン·マスク氏がおよそ20億円の私財をハーバード大学に寄付した出来事を紹介した。寄付の目的は、ハーバード大学が学際的にサイケデリクス研究を行えるようにするためで、先見の明のあるマスク氏もまたとりわけサイケデリクスの医療効果に注目し、学術横断的にサイケデリクス研究が行えるリソースと人材を持っているのはハーバードしかないと判断したようだということを伝えた。


それを受けて、これまで「成人発達とテクノロジーの進化」というシリーズで毎月1回対話会をさせてもらっていた機会について、ここ最近はずっとサイケデリクスの話をしていて少し看板に偽りありのような状態になっているかと思い、「成人発達と学際的サイケデリクス研究」のような名前に変えて、今月からそのタイトルの下に心機一転対話会をさせてもらえないかと打診した。


またトランスヒューマニズムに関する翻訳プロジェクトに関しても、すでにこの夏に原稿の翻訳は完成していながらも、やはり今はサイケデリクス研究とハーバード神学大学院への出願に全てを捧げたいので、翻訳プロジェクトはいったん保留させていただけないかと編集者の方に打診した。合格発表のある来年の3月中旬以降からまた本格的にこの翻訳プロジェクトを形にできれば幸いである。ボストン:2023/11/4(土)07:31


11238. 【ボストン滞在記】重なる幸運な偶然/

“Afflicted (2018)”を視聴しながら思うサイケデリクスの役割


時刻は午前8時半を迎えた。早朝の天気予報では今日は曇りとのことだったが、青空に恵まれ、輝く朝日が地上に降り注いでいる。どこか天気までもが自分に味方してくれているかのようである。あと2時間半ほどしたらホテルのチェックアウトをするが、こうした恵まれた天気に送り出してもらえることに感謝したい。それで言うと、もう1つ偶然に見舞われた。今回のボストン旅行では本当に嬉しい偶然の出来事によく遭遇したものである。昨日知ったイーロン·マスク氏のサイケデリック研究を後押しするためのハーバード大学への多額の寄付のニュースは最大のものだったが、先ほどハーバード神学大学院(HDS)のYoutube公式チャンネルを確認したところ、ちょうど今朝方に“Psychedelics and the Future of Religion: Race and Exoticism in Global Psychedelic Spirituality”という新しい対談動画がアップされていたのである。早速今それを視聴している。後ほど荷造りをしながら視聴の続きをしたい。


昨夜、HDSのオープンキャンパスイベントで知り合ったロシア人のアリーシャに勧めてもらったネットフリックスの“Afflicted (2018)”を見始めた。これは全7話のエピソードで構成されているドキュメンタリー作品で、内容しては、原因不明の種々の新しい病気で苦しむ人たちの生き様を取り上げたものである。そもそもアリーシャがなぜこの作品を紹介してくれたかというと、作品内にHDSが登場するからである。実際に作品を見始めたところ、第1話の中ですでにHDSの言及があった。登場人物の1人がカビによって治癒不明の病気に悩まされているのだが、彼女のパートナーがHDSに出願するという話がなされていた。おそらく彼女の死期が迫り、スピリチャルケアを目的としてパートナーの彼はHDSに出願したのだと思う。そのあたりの出願動機は第2話以降に出てくるかもしれないので、引き続きこの作品を見ていきたい。


それにしてもこの作品を通じて改めて思ったのは、現代人は存在の入れ子の全てが弱体化してしまい、病弱になっているということである。テクノロジーの進化による便利さに飼い慣らされてしまい、まずは身体的な弱体化が進行し、環境汚染を通じても身体がますます新たな病気にかかりやすくなっているのだと思う。作品の中で、そんな原因不明の種々の病気に対して色々な代替医療の方法が登場するのだが、代替医療は玉石混交で、中には詐欺まがいなものもたくさんある。現代は「病の時代」と形容できるぐらいに、医療や科学の進歩にかかわらず、次から次に新たな病が誕生し、人々はそれに苦しんでいる。そんな現状に対するサイケデリクスの役割について考えさせられる。サイケデリクスは1つの重要な治療薬かつ病を生む病理的な社会構造を治癒·変容していく可能性を持っているものなのではないかと思う。サイケデリクスはその個人の存在の入れ子全てに働きかける点がユニークであり、それを通じて個人の病を深層的に癒し、集合規模においても深層的な癒しを実現する可能性を秘めているものだと改めて思う。ボストン:2023/11/4(土)08:43


11239. 【ボストン滞在記】エールフランスのラウンジに到着して


時刻は午後12時半を迎えようとしている。ホテルのチェックアウトでは少し列に並んで時間を食ったが、そこからは万事順調に事が進み、今、ボストン·ローガン国際空港のエールフランスのラウンジにいる。プライオリティーパスを使ってのラウンジの利用は旅の日課となっている。ウェブサイトの情報では最大3時間までしかラウンジに滞在できないとのことだが、幸いにも先ほどラウンジに入った時には何も言われなかった。というのも自分が搭乗するフライトは今から7時間半後のものであり、ボーディングが始まるのもあと6時間半もあるため、ラウンジの受付で何か言われるかと思ったら、受付のアジア系アメリカ人の女性はにこやかに笑って、 “You’re all set!”と言ってくれ、何の問題もなくラウンジに入れた。


ラウンジに入るとがらんとしていて、数人ほど先客がいたが、今彼らは出て行ったので、なんと客は自分しかいない状況だ。広いラウンジに1人ポツリとソファに腰掛けてこの日記を書いている。ラウンジの受付の女性曰く、午後2時から3時にかけてはもう少し混み合うようだが、正午過ぎのこの時間にこれほどまで人がいないというのは驚きである。それでいくと、そもそもローガン国際空港自体にも人が少なかった。合計でターミナルが4つあり、国際線は主にターミナルEで、そこに多くの航空会社が集中している。なので国際線を使う人の大半はこのターミナルに来るはずなのだが、本当に人が少なくて驚いた。正午過ぎにターミナルに到着した時にはデルタ航空のカウンターには誰も人がおらず、カウンター付近の発券機でボーディングパスを発券し、そこから速やかにセキュリティーに向かった。セキュリティーにおいても誰も待っている人がおらず、また自分の後に続く人もおらず、本当に速やかにセキュリティーを抜けることができた。セキュリティーを抜ける際にも国際空港のターミナルEはいつもこんなに閑散としているのかと近くの係員に尋ねたら、普段はもう少し人がいるとのことだった。ボストンを代表する国際空港がこれほどまで閑散としているのはむしろ自分にとっては大変好意的に映った。これまで様々な国際空港を訪れたが、自分は兎にも角にも人混みが好きではなく、今回のボストン滞在でも人混みはできるだけ避けようと思った。公共交通機関を使うのもあまり好きではなく、そこでは不特定多数の人と接触する可能性があるからだ。仮に来年ボストンで生活することになったら、雨の日や雪の日以外は公共交通機関を使わず、基本的には歩いてキャンパスに向かったり、買い物に出かけようと思う。自分はとにかく自分のスペースを大切にし、できるだけ空気とエネルギーが綺麗な場所にいたいのだということを改めて確認した次第である。ボストン・ローガン国際空港:2023/11/4(土)12:34


11240. 【ボストン滞在記】サイケデリクス比較神秘主義研究への目覚め


つい今し方、ラウンジで軽めの昼食を摂った。旅行中はヴィーガンからラクトオボベジタリアンに切り替わる日があり、先ほどは野菜を中心にして、3種類のチーズもいただいた。ここから少しライティングサンプルの加筆修正をして、その後仮眠を取ろうと思う。ライティングサンプルはオランダの自宅に戻ってから加筆修正を行おうと計画していたが、自宅でなくてもすでに加筆修正できる箇所が随分とあることに気づいたので、そうした箇所の加筆修正を進めていく。


今回のボストン旅行には2冊の書籍を持参し、それらは全て行きの機内で精読を終えた。ボストン滞在中には合計13冊の書籍を購入し、全て無事にスーツケースとリュックサックに収まってよかった。最悪の場合、手提袋に本を数冊入れて帰ることになるかもしれないと思っていたが、そうならなくて嬉しく思う。移動の際に片手は必ず空けておきたいと思うので、無事に全ての書籍が収まって幸いであった。


ボストン滞在中に何度かハーバード神学大学院(HDS)を訪れ、それが刺激となって、「サイケデリクス比較神秘主義(psychedelics comparative mysticism )」と「サイケデリクス哲学(philosophy of psychedelics)」のコースをいつか欧米の大学で受け持てるように研究を日々進めていこうという明確な目標を持つことができた。とりわけ前者についてはHDSで思う存分探究できる分野である。まずは神道と仏教の神秘主義思想から探究を始め、そこからユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教といった諸宗教の神秘主義思想を学び、それらの思想とサイケデリクス体験を絡めて研究を進めていく。このテーマに関する研究アイデアはまさにライティングサンプルに盛り込みたいものだ。


それ以外にも、4象限全体を見据えながらの左上象限と右下象限という対角線的探究をサイケデリクスに対して行っていこうと改めて滞在中に思った。サイケデリクスに伴う左上象限は、サイケデリクスが引き起こす無限の内的宇宙の姿を扱うものだ。右下象限はサイケデリクスを社会実装するに際しての最重要領域であり、それはサイケデリクスに関するゲームチェンジャーになり得る。サイケデリクスに関する法規制がどのようなものになるか否かが、サイケデリクスに関する研究と実践·実務を決定するのである。サイケデリクス研究がより多角的かつ実りある形で遂行されるように、そしてサイケデリクス に関するビジネスや種々の実践がより多様で豊かなものになるように、最善の法規制が何なのかを自分なりに考えていくことを怠りたくはなく、この分野の法律の専門家と意見交換を積極的に行っていきたい。それこそまさにハーバードロースクール(HLS)のプロジェクトは自分のこの思いを実現する上で格好の機会を提供してくれるだろう。 HDSのみならず、サイケデリクスの法規制に関しては積極的にHLSの関係者と勉強会や意見交換をしたい。ボストン・ローガン国際空港:2023/11/4(土)13:09


11241. 【ボストン滞在記】その人固有の命が辿る道


空港ラウンジで過ごす時間も3時間が経とうとしている。ラウンジで6時間半ほど過ごすのはかなり長いなと思っていたが、もう半分ほど過ぎた。むしろこんな快適な場所でゆっくり時間を過ごさせてもらえるのだから何も文句はない。ここまでの時間はゆっくり日記を書き留めたり、デスクトップ上の論文を読んだりしていた。さらには早田航さんが執筆したシロシビン体験レポートは帰りのこの時にじっくり拝読しようと思っていたので、先ほど時間を取って一気に最初から最後まで読み通した。体験の詳細な語りも見事であるが、その体験をどのように伝えるのかの心配りに大いに感銘を受けた。おそらく、あるいは当然ながら、航さんと自分が仮にこれから本格的にサイケデリクスの研究と実務に打ち込むことになっても、お互いがこの世界に果たす役割は違うであろうから、航さんの役割を自分が担う必要はない。しかしながら、お互いの役割はどこかで重なる部分もあるはずで、その重なる部分が自分の役割にまた新たな刺激と光をもたらしてくれている。そんなことを感じながらレポートを全て読了した。


今回のボストン旅行は2023年最後の旅行となった。2023年を締め括るにふさわしい旅であった。オランダに戻ってからはまたシロシビンのセルフセッションがあり、それはまた別種の旅となるが、物理的にどこか地理的に旅に出かけるのは年内はこれが最後である。2024年も今のところは旅行に出かける予定はない。サイケデリクス研究に邁進没頭するのみである。サイケデリクスの研究と実践にとにかく全身全霊をかけて打ち込むことが天命かつ世界への恩返しなのだ。


n=1を大切にできない者に、n=多数を大切にできるはずはない。サイケデリクス研究を進めていくにあたってこの点は常に肝に銘じておきたい。もちろんサイケデリクスに関する右側象限の研究成果には絶えず敬意を払い、最先端研究を逐一追いかけていくが、自分が天命として与えられた主戦場としての左上象限の研究を遂行していくにあたってはとにかくn=1を大切しなければならない。それはちょうど昨日の日記に書き留めた、その人の固有の命を尊重し、大切にするのと全く同じであることに気づかされる。フローニンゲン大学で習得した各人固有の発達プロセスを研究するマイクロプロセスアプローチが今思わぬ形でサイケデリクス研究とつながってきた。遡れば、自分はJFK大学でもある特定の個人の成長プロセスに寄り添い、それを1つの豊かなケーススタディとして研究材料にさせてもらっていたのであった。その人固有の発達プロセスというのは、その人固有の命が辿る道なのである。自分がこれまでその人固有の発達の道を大切にしていたのは、その人固有の命が発露する光の道を尊重していたことを意味していたのである。どこかまた新しい意味が紐解かれたようだ。このように自らもまた固有の命を持って固有の発達のプロセスを歩んでいる。自分のその道をまずは最大限に慈しみたい。そしてそこからは、自分の命の道に両足をつけながら、それぞれの人が固有の命の光を輝かせ、固有の命の道を歩けるように、右下象限の社会的な仕組み変革に乗り出していくのだ。それを必ずしなければならない。そこに自分は必ず深く関与していく。この世界のそれぞれの人の命を尊重しながら、命の通り道が健全に形成されていくような土壌としての仕組みの整備に自らは乗り出していかなければならない。それは使命的·天命的な覚悟かつ責任である。ボストン・ローガン国際空港:2023/11/4(土)15:22


11242. 【ボストン滞在記】DMTが持つ諸刃の剣の性質から


デスクトップ上の諸々の論文を読み終えたので、リュックサックに入れてきた2冊の書籍のうちの片方を読み始めた。その書籍の中でテレンス·マッケナが指摘するように、DMTはLSDを凌駕するほどの効力を持つ物質で、尚且つ人間に元々内在している物質でもあることから自分も注目している。しかしその効力性ゆえに、吸引摂取の場合の持続時間はわずか15分から30分ほどしかない。DMTによるサイケデリクス体験は、その時間の短さと手軽さから、「ビジネスパーソンのランチトリップ」などとも言われる。それは揶揄的な表現だが、確かにその側面もある。ここで自分が問題意識を持つのは、おそらくサイケデリクスや人間の意識の奥深い性質について知識を持たないビジネスパーソンがDMTを摂取したところで、ほとんどその人の内面は何も変わらないだろうということだ。それは単なる現実逃避的なトリップに留まる。それは自己発見や自己変容につながるような旅になるとは到底考えられず、サイケデリクスを通じた旅を本当の意味で自身の自己発見や自己変容につなげようと思ったら、それなりの勉強が必要になる。実は映画そのものも治癒や変容の優れた道具になるのだが、基本的に人々は映画がもたらす治癒や変容の力に自覚的ではなく、その力を引き出すことなく単に娯楽的に視聴しているゆえに映画を通じてほとんど何も起こらないのだ。映画を見てちょっとした感動や笑いがあったとしても、それが深い治癒や変容につながることが極めて稀であることはすぐにわかるだろう。それと全く同じことがDMTによる手軽なサイケデリクス体験においても当てはまるであろうことを危惧している。効力が強く、それでいて持続時間が短いことは良薬の側面と毒薬の側面の両方を持っていて、まさに諸刃の剣である。DMTが仮に今後も今の持続時間と効力のままを維持するのであれば、それがビジネスパーソンを含め、広く一般人が摂取するようになった場合に、どのようにその力を真に意味のある形で引き出すことができるかを考えていきたい。もちろん映画を単に娯楽として視聴することもまた否定されるべきではなく、DMTの摂取が単に娯楽目的であってもそれはそれで否定されることではない。だが、DMTの力を真に引き出し、それを自身の治癒や変容につなげたいと願う人にはその道をきちんと示したいと思う。それもまた1つの架け橋を築くことであり、これもまた1つの自分の役割だと思う。


最後に、DMTは内因性の物質であるという珍しい性質を持っている。自分がその他に注目しているシロシビンは、私たちの内側に本来あるセロトニンと似たような働きをするが、外因性の物質である。ここで肝に銘じておきたいのは、内因性と外因性のどちらも軽視しないことである。どちらも等しく大切にすることが、それぞれに居場所を与えることにつながり、それぞれの価値を尊重し、それぞれの有効活用につながるのだから。ボストン・ローガン国際空港:2023/11/4(土)16:41


11243. 【ボストン滞在記】サイケデリクス・ルネサンスの背後にあるアメリカの構造的闇の解決に向けて


ボストン·ローガン国際空港のエールフランスのラウンジに住んでいる人。このラウンジを7時間弱利用することになる自分がそんな存在に思えてきた。正午過ぎにこのラウンジに入って以降、夕方の時間に人が結構入ってきたが、午後6時半を迎える今はまた少し落ち着いてきた。自分もあと50分したら搭乗が始まるので、いよいよこのラウンジをあとにしよう。


行きの7時間のフライトでは夕食と朝食の2回の機内食が出た。帰りもきっと2食出てくるだろうと思われるが、すでにラウンジで先ほど野菜豊富な夕食を食べたので——数年ぶりに白米を口にした——、2回の機内食は食べないようにする。機内食を食べることによって胃腸の消化に身体エネルギーを使って体力を奪われたくないためである。食事でエネルギーが補給される場合もあるが、逆にエネルギーを奪う場合もあるということをきちんと理解しておかなければならない。機内では基本的に寝て過ごす。搭乗してすぐに目を閉じて、5時間後ぐらいに2回目の朝食が出てくるタイミングで朝のコーヒーをもらおうと思う。スキポール空港に到着するのは翌日日曜日の朝8時過ぎで、パスポートコントロールを速やかに抜けることができれば午前9時のフローニンゲン行きの列車に乗れるだろう。時間を見て、空港のスーパーで何か朝食としての軽食を購入できればと思う。


昨日知ったイーロン·マスク氏のハーバード大学へのサイケデリック研究への寄付のニュースと、ネットフリックスのドキュメンタリーの内容を掛け合わせて考えると、確かにマスク氏の寄付はサイケデリック研究とその社会実装を大きく前進させるだろうが、気をつけなければならないことがある。大抵のサイケデリクス研究のディスコースは、それがもたらす治癒の力を喧伝する。うつ病やPTSD、さらには各種中毒からの回復などの効果を謳うものが多く、確かにサイケデリクスにはそのような力があることがすでにメタアナリスレベルで明らかになっている。しかし、それらはあくまでも対処療法的であることを自覚している人がどれくらいいるだろうか。確かに1人の個人を眺めてみたら、サイケデリクスは存在の入れ子の全てに働きかけるという点で、根本的な治癒をもたらしうる。しかし以前にも言及したように、その人を取り巻く環境が病理的であったら、その人は再び同じ病気を患ってしまうかもしれない。またそもそもマクロ的な観点においては、ある個人の病理の治癒だけに注目していては、その問題を生み出しているより根深い根本的な病理を温存することになるのである。マスク氏に関するニュースを手放しで喜べないのはそのような事情があるからだ。そしてこの問題自体がある意味、時代の病でもある。いかに学術機関で優れた科学研究を行っていたとしても、それが結局のところは社会の構造的病の治癒に何ら貢献していないというケースが大半なのである。自分がなぜ科学だけではなく、哲学と神学の探究をするかというと、それら三位一体の研究があって始めて巨大で複雑な社会の構造的な問題を解決すると思うからである。


アメリカはもはやサイケデリクスを最後の頼みの綱にしているように映る。それだけこの国は各種の精神病や中毒症、さらには原因不明な病に毒されているのである。それらの問題を生み出しているのは確かに様々な業界による複合作用によるものだろうが、大きくは製薬業界と軍事業界に構造的な問題の根幹がありそうだ。先進国と称されるアメリカは今でも絶えず戦争に加担し、大量の兵士を戦場に送り込んでPTSDを含めた精神病患者に仕立て上げて本国に戻らせる。そして精神病患者に仕立て上げられた国民に今度は製薬業界が根本的な治癒につながらないどこから中毒を引き起こしかねない種々の薬を提供するという負のループ構造が存在している。アメリカが製薬資本主義と戦争資本主義の癒着的ループ構造の問題解決に乗り出さない限りは、サイケデリクス研究とその社会実装は空を切るだろう。 自分はその一部始終を絶えず観察しながら、この国の根深い問題の解決に向けても貢献したいと思っている。アメリカの背負う巨大な構造的闇を解決することができれば、他国の同種の問題の解決にもきっとつながるであろうと期待して。ボストン・ローガン国際空港:2023/11/4(土)18:38

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