1222. インテグラル・ジャパン代表鈴木規夫さんとの『成人発達理論による能力の成長』の出版記念対談より
先日、インテグラル・ジャパン代表の鈴木規夫さんと『成人発達理論による能力の成長』の出版記念対談をさせていただいた。 対談の冒頭で、カート・フィッシャーの理論とロバート・キーガンの理論の関係について質問を受け、その点についてもう少し補足が必要だと思った。書籍の中では、前者の理...
1193.「測定主義」の危険性
先ほど、一年目のプログラムの最終試験を全て終えた。今日は、太陽が燦々と降り注ぐ夏日であり、試験会場に行く最中の道のりは、とても暑く感じた。 今日の試験は、「成人発達とキャリアディベロップメント」に関するものであり、一年目のプログラムを締め括る最後の試験だった。この一年間で受...
752. 創造性とIQや性格特性との関係
昨日は午後から、「創造性と組織のイノベーション」というコースの第二回目のクラスに参加した。家から出るのが少し遅れたため、早歩きだけではなく、時に小走りをしながらクラスが行われるキャンパスに向かった。 クラスの開始になんとか間に合い、慌ただしく席に着いた。今日のトピックは、一...
583. ピアジェの発達理論
夕方から夕食までの時間、そして夕食後からしばらくの間、ピアジェの構造的発達理論に関する論文に目を通していた。ピアジェの関心事項の一つは、知性発達の領域全般型特性を明らかにすることにあった。 つまり、ある一つの知性領域——論理思考など——が次の段階に到達すれば、新たな段階の能...
573. 孤島と連絡船:能力開発に対する視点
やはり今の自分は、特殊な環境の中に身を置き、特殊な活動に従事し続けていることに気づく。正直な感覚は、孤島の中での生活に近いと言えるだろうか。このような生活を望んでいた自分が存在していたことは間違いない。 また、このような環境に私を運んでくるような力が自己の背後にあったことも...
384. 専門家の能力と使い方について
昨日読んだ論文の中で印象に残っているのは、 "Wither cognitive talent? Understanding high ability and its development, relevance, and furtherance(2013)”...
195. レクティカ時代の回想:発達測定手法の開発プロセスについて
マサチューセッツ州にある人間発達に関する研究機関レクティカ時代のことを少し振り返ってみた。現在、日本の企業組織向けに構造的発達心理学に基づいた人財評価システムを開発している最中であるため、レクティカが新たな発達測定手法を開発する際にどんな開発プロセスであったかを思い出してみ...
166.記事157から165までのまとめ:測定手法と理論モデルの差異
それでは、ここで一旦これまでの記事「157-165(164を除く)」をまとめたいと思います。これまでのところ、「発達の高度」という概念を明瞭にするために、構造的発達理論の歴史において鍵を握る幾つかの概念を見てきました。 ケン・ウィルバーが提唱しているように、多種多様な知性領...
57. 認知構造と活動の分離:チョムスキー派とピアジェ派の思想の限界
生得論者と多くの認知科学者はこれまで、人間の深層部分に存在する能力と実際の活動を切り離す思想特性を持っていました。こうした分離を提唱した代表的人物は、ノーム・チョムスキーです。彼が主張する普遍文法は残念ながら、実際に私たちが言語を用いてコミュニケーションをしている際に現れる...
53. 発達の共時性:ロビー・ケースの実証結果
ここ数回の記事で、領域特定型発達モデルの限界について言及してきました。もう一度おさらいをしておくと、領域特定型発達モデルの限界点は、発達の可変性を蔑ろにしてしまっているということでした。 もちろん、私たちはある特定の文脈、つまりある特定領域に基づいて能力を発揮していく生き物...