868. 束の間の休息に
先ほど無事に、「創造性と組織のイノベーション」のコースで課されている、グループ共同論文の最初のドラフトをメンバーと一緒に担当教授に提出した。この課題に取り組むにあたって、産業組織心理学を専攻しているルクセンブルク人のヤンとドイツ人のマーヴィンに随分と助けられたように思う。...
762. 森・井筒・辻先生から:変容の特質
今日は、普段と若干異なるような日だったように思う。早朝の五時半に起床して以降、いつもと変わらないような仕事をしていたのは確かである。 それは学術論文を読むことであったり、何かしらの文章を書くというものである。ただし、午前中のある時を境目に、無性に日本語を読みたくなったのであ...
743. あの夏、デカルト通り39番地で
私はあの時パリにいた。セーヌ川左岸に位置する5区と6区にまたがるカルチェ・ラタン界隈を私は歩いていた。それは昨年の夏の出来事である。 カルチェ・ラタンは学生街としても有名な場所であり、フランスを代表する大学がこの地区に幾つも点在している。あの夏私がパリを訪れたのは、世界を代...
734. 音楽の具現化へ向けて
夕方の仕事を終え、浴槽に浸かっている最中に、本日の午後に書いていた日記について、少しばかり説明を補足しなければならないとふと思った。それは、芸術鑑賞における知識の重要性についての日記である。 その時に書いていた文章は、基本的に絵画鑑賞よりも音楽鑑賞を念頭に置いていたように思...
725. 科学論文の創出方法について
フローニンゲンの街も二月に入ってからしばらく経った。先週は比較的暖かい日が続いていたが、今週は再び最高気温がマイナスとなる日々が続いている。 今日は、最高気温がマイナス1度なのだが、体感はマイナス10度ぐらいに感じられるという予報が出ている。十倍に寒さが強化されているのはな...
710. 言語の深化
今朝方、いつものようにオランダ語の学習を行っていると、また少しばかり小さな壁を破ったような感覚があった。 私の中で、オランダ語の語彙を積極的に増やそうという意識はそれほどないため、獲得した語彙に関しては未だにそれほど多くないが、オランダ語の音に徐々に慣れ始めていることに気づ...
681. 辻邦生『夏の砦』からの招き
今日も一日が終わった。今はまだ冬なのか、春がやってきたのか、それすらもわからない。なぜなら、今日は一日中書斎にこもり、窓の景色を忘れて自分の仕事に熱中していたからである。 読むことと書くことしかない生活。この二つの活動を中心にした生活が延々と繰り返される日々を過ごしている。...
676. だから日記を読み、日記を書く
——私たちが人生の空しさを超えるのは、ただ、自らを激しく燃えることによって、刻々の時間に永遠の刻印を押すしかない——辻邦生 振り返れば、今日も一日中、何かしらの文献と呼吸を共にしていたように思う。確かに、私は研究活動や仕事の都合上、専門書籍や学術論文に目を通すことが多い...
595. 打たれる体験と魂の抜けた人たち
「真に考え抜き、真実に生きたことだけが人間を打ち、人間を打ったものだけが人間の遺産となる」という、フランス文学者であった辻邦生先生の言葉が脳裏から離れない。 人を打つことができるのは、本当にごく限られた人だけなのではないか、と確かに思わざるをえないことがよくある。それぐらい...
586. 日記について
日々の状況がいかなるものであろうとも、そして、その日一日がいかに昨日と変わらぬものであるように思えたとしても、毎日絶えず文章を書き始めてから、ある程度の期間が経った。何かを継続させていくことの意義と価値を、体験を通じて大いに実感している。...