3851. 魂の希求と躍動
時刻は午後の八時に向かいつつある。このところ何度も述べているが、日が随分と伸びた。 季節が春に近づくにつれて、時間の拡張と空間の拡張の双方を感じ取ることができる。各季節には、固有の時間の流れがあり、それは同時に、空間の感覚密度にも影響を与えるのかもしれないとふと思う。...
2635. 【アムステルダム滞在記】三年振りのヴァン・ゴッホ美術館
ヴァン・ゴッホ美術館に訪れることができて本当に幸せに思う。ゴッホは私にとって、創造活動上の最大の模範にしなければならない。 三年振りにゴッホ美術館を訪れてみて、ゴッホの偉大さに改めて触れ、領域は異なれど、彼を表現活動上の師として仰ぎたいと思う。オランダにいる間に少なくともも...
2303. 深化の原理と自己対峙への恐れ
憐れみ深い日々が自分の中で続いている。慰めと祝福が染み渡るような毎日が今日も過ぎていくのだと思えて仕方ない。 天気予報では昼食時あたりに雨が降るそうなのだが、今はそのようなことを一切感じさせないような空である。空はうっすらと晴れており、雨の予感など微塵もない。...
2067. ライフワーク
起床してから二時間以上が経ったが、相変わらずあたりは真っ暗である。よくよく考えてみれば、今日は五時に起床していたから、今のこの時間帯が闇に包まれていたとしても一向におかしくはない。 今日は日曜日であるため、その静寂さが一層強さを増す。そうした中にあって、小鳥の声がいつもより...
1952. 誰かのためではなく誰のためでもない形で
小さなお題を自らに課し、それを曲で表現するということを行っていきたい。穏やかな瀬戸内海を眺めていると、そのようなことを自然と思う。 葛飾北斎が波を主題として、波を何度も描き続けたように、同一主題を繰り返し曲として表現していく。その実践の継続により、自らの思想の変遷と技術の高...
1926. 旅の疲れ
昨日の早朝から胃腸が悪い。移動の疲れが突如として現れたのかもしれない。 行きの機内の中ではほとんど睡眠を取ることがなく、欧州から日本に来る時は時差の都合上、少しばかり睡眠を取っておいた方が良かったのかもしれないと今頃になって思う。...
1923. 連続的な至福時間
起床してから二時間半が経ち、少しばかり自分の思考も落ち着き始めたように思う。早朝の六時半の東京は、すでに夜明けを迎えており、もう辺りが明るい。 この素朴な自然現象が、どれほど自分の心を落ち着けることだろうか。オランダではまだこれから二時間ほど真っ暗闇が続き、九時を迎える頃に...
1909. 一時帰国に向けて
ユトレヒトから戻ってきての日曜日もあっという間に時間が過ぎていった。ここのところ休日中は、全ての時間を作曲実践か自分の関心の赴くままの読書に充てている。 今日もそのような一日だった。空は晴れ渡り、常に心が爽快な感じに包まれている日曜日だった。...
1474. 一人の人間の一生
これから夕方に向かって時間が進んでいく。時計の針が午後の三時半を回った。今日は土曜日であり、いつも以上に辺りに行き交う人々の数が少ない。 家の目の前の道路を時折車が走り去り、時折通行人が行き来している。何か重要な気づきが喉まで出かかっているのだが、それが完全に外に出ない感覚...
622. 隅田川での邂逅と肯定
今日は日本橋や両国あたりの東京の下町を歩きながら、まるで自分が海外を旅するのと同じように、道行く人たちや目に見える建物を観察していた。終始、自分の目を上下左右に動かしながら、東京の街を歩いていたのである。 自分の目に映る全てのものが新鮮であり、強烈な好奇心を私にもたらす。青...