533. エッシャーの『発展』という作品より
デン・ハーグのエッシャー美術館で鑑賞した幾つかの作品の印象が色濃く脳裏に焼き付いている。一つは、『発展(development)』という作品である。発達科学を探究している者として、この作品のタイトルを『発達』と呼びたいところだが、最初に翻訳した方が『発展』と命名しているので...
351. 経験の内的濾過と内的分化
各種の歓迎セレモニーが終わり、落ち着きを取り戻した日常に戻っている。明後日は、心理学の修士課程に在籍する生徒だけを対象にした説明会がある。フローニンゲン大学の心理学の修士課程は10個のサブプログラムから構成されており、各プログラムの入学者数は不明であるが、ここでも多くの生徒...
344.人と組織の発達に求められる言語記述による「自己分節」と「自己解体」
この関心事項はここ最近何度も現れているが、書くことの本質と発達の本質は相通じるものがあるため、書くという実践が発達を促進するのではないかという考えが日増しに強くなっている。 そもそも書くという行為には、言葉を用いて対象を分節するという非常に重要な役割がある。私たちは極めて高...
249.「自己組織化」と「自己創出」
言葉の使用に関してもう少し厳密な態度を取る必要性を強く感じている。借り物の言葉ではなく、自分の内側を真に通過した言葉だけを使用するように心がけたい。自分の内部でろ過されていない言葉を用いることは自己欺瞞を招きやすいし、何より伝えたい人に自分の言葉が届かないという事態を引き起...
244. 能力の選定と剪定
昨日は、市役所や税務署で各種手続きを行い、実家へ送る荷物の梱包が完了した。オランダへ送る荷物の梱包はこれからであるが、過去数年間において幾度となく引越しを繰り返してきたので、梱包も手馴れたものである。 元ハーバード大学教育大学院教授のカート・フィッシャーが指摘しているように...
230. カート・フィッシャー5つの変容原則:「統合化」と「複合化」
極端に暑い日と比較的涼しい日が入り混じった不思議な時期である。夏という秩序だった季節が到来する前の最後の混沌状態にあるのかもしれない。 記事217で紹介した「知性や能力の発達に関する5つの変容原則」について、一つ一つの原則をより詳しく解説したい。再度確認すると、私たちの知性...
217. 能力の発達に関する「5つの変容原則」
元ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーは、 “A Theory of Cognitive Development: The Control and Construction of Hierarchies of Skills...