573. 孤島と連絡船:能力開発に対する視点
やはり今の自分は、特殊な環境の中に身を置き、特殊な活動に従事し続けていることに気づく。正直な感覚は、孤島の中での生活に近いと言えるだろうか。このような生活を望んでいた自分が存在していたことは間違いない。 また、このような環境に私を運んでくるような力が自己の背後にあったことも...
566. 後継者として
発達科学者のカート・フィッシャーが残した功績について、まだ書き足りないことがあったようであり、フィッシャーが発達科学に与えた貢献についてしばらく考え続けていた。特に、優れた理論が持つ応用力について考えを巡らせていた。 ここで述べている理論モデルの応用力というのは、実務の世界...
565. 構造的発達心理学の二大巨頭:ロバート・キーガンとカート・フィッシャーについて
今日も非常に有意義な休日を過ごすことができた。午前中のオンラインゼミナールの後、仕事関係や交友関係の諸連絡を済ませ、予定通り、複数の論文と専門書に取り掛かることができた。 今日の文献調査を通じて、改めて、元ハーバード大学教育大学院教授カート・フィッシャーは、偉大な発達科学者...
556. 欧米の一流校の博士課程
先日の「複雑性と人間発達」のクラスで同席した、博士課程に所属しているドイツ人のヤニックとお互いの近況について、先ほど立ち話をしていた。知性発達科学に関する自分の研究をより深く探究したいという想いと、探究の過程で得られた知見を活用した実務の質をより向上させていきたいという想い...
555. エルゴード性と発達支援について
私たちの知性や能力が発達していくプロセスは非常に多様であり、私たちには各人固有の知性や能力の種類が備わっている、という考え方は、それほど疑問の余地はないように思う。しかし、これまでの知性発達科学の世界では、常識的と呼べるようなこのような発想を踏まえた研究を行うことが難しかっ...
532. キーガンとウィルバーからの脱却と回帰
オランダでの生活で一つ厄介なのは、アマゾンで注文した書籍が到着することが遅いことである。物流面のシステムがそれほど整備されていないからなのか、注文予定日よりもだいぶ遅くに書籍が到着することがあったり、書籍のロスト率も米国や日本で生活をしていた時に比べると、格段に高い。...
527. 20年の歳月を経て:国際司法裁判所との再会
エッシャー美術館を後にした私は、最後にどうしても足を運んでおきたい場所に向かって歩き始めていた。それは、デン・ハーグに本部を置く国際司法裁判所だった。 国際司法裁判所の存在を始めて知ったのは、小学校高学年の時である。社会科の時間に、何気なく資料集のページをめくっていた時に目...
525. デン・ハーグ訪問記:「マウリッツハイス美術館」より
デン・ハーグ中央駅から、まずはデン・ハーグにある最も有名な美術館と呼んでも過言ではないであろう「マウリッツハイス美術館」に向かって歩き出した。デン・ハーグの街を歩いてみてすぐに気づいたのは、フローニンゲンの街とはこれまた一風変わったものが息吹いている、ということであった。...