

396. 自己探求と社会実践について
今日から少しずつ、発達科学の歴史と複雑性科学の歴史を結びつけるような作業に取り掛かっている。より具体的には、作業範囲を少し狭めて、構造的発達心理学の文脈の中にシステム理論の進展過程を捉えるということを行っている。 この作業を開始しようと思った直接的な理由は、もちろんながら現...


394. 「変化」に関与する全ての職業人に求められる自覚
仕事の手をはたと止め、窓越しに夕暮れの空を眺めた。太陽が暮れゆく方角に一筋の飛行機雲を見つけた。その飛行機雲の先頭は白く、飛行機の進む度合いに合わせて白味が増していく。一方、その飛行機雲の後尾は飛行機の進行に応じてますます白味が失われていく。...


392. 進歩の実感
前回のオランダ語のクラスで自分の不甲斐なさを痛感したため、火曜日から金曜日にかけて工夫を凝らしながらオランダ語の学習を進めていった。その成果を試す気持ちで、本日の第六回目のクラスに臨んだ。 第五回目までに習った単語や表現を自分で使えるレベルにまで訓練を重ねていたため、語学セ...


372. 思想や哲学
気がつけば九月も終わろうとしている。早いもので、フローニンゲンで生活を始めてから二ヶ月が経とうとしていることにふと気づかされた。十月が近づいてくるにつれ、フローニンゲンの街も徐々に寒くなり始めている。 早朝の起床は、太陽が昇るよりも早くなってしまった。薄暗闇の中、今朝も太陽...


368. 個人と組織の発達に関する新たな理論モデル「ダイナミックネットワーク理論」
フローニンゲン大学でダイナミックシステム理論に関する経験豊富な研究者や実務家から直接教えを受けることに伴い、ただただ嬉しい意味での驚きに包まれている。この一年間の小さな目標は、これまで培ってきた構造的発達心理学の言語体系を一旦手放し、新たな言語体系を内側に構築していくことで...


354. 社会で奨励される諸々の活動とアイデンティティの喪失
一昨日、ふとした偶然によって、この五年ほど折を見て考え続けていた問題がようやく解決した。この問題は多くの人から見ると実にくだらないものだと思われるだろうが、私はやたらとこの問題に時折取り憑かれていたのだ。 文字で書き残すことに躊躇するほどくだらないと見なされるであろう問題で...


353. 研究内容をまとめながら
昨日は、9/7に控えているプログラム長のルートとの面談に備え、研究内容に関するPPT資料を作成していた。研究テーマやその内容をワードやパワーポイントにまとめることを特に要求されたわけではないのだが、PPT資料を見ながら説明した方が分かりやすいだろうと思い、昨日中に説明資料を...


328. 継続
昨夜はいつも通り十時前に就寝したが、いつもより睡眠時間が長く、七時に起床した。旅で得られたものを自分の内側で咀嚼するためには時間がかかると思っていた通り、その作業は睡眠中においても徐々に進行していることを感じる。 今朝のフローニンゲンの天候は、こちらに来てから一番の快晴であ...


300.「美」と「組織のイノベーション」に関する脱神秘化
——学術論文とは、人類への手紙である——ウンベルト・エーコ 森有正先生の全集のどこかで、バッハの音楽は主観的・直感的に生み出されたものではなく、客観的に秩序化された音楽的方法論に基づいて生み出されている、というような記述を見かけたことを記憶している。つまり、バッハは自分の音...


297.「発達理論」なるものについての誤解
以前から薄々感じてはいたが、もしかしたら発達理論に関して多くの方に誤解を与えてしまっているかもしれないと思った。「発達理論」と思い込んでいるものを学び始めると、「段階モデルはとても有益だと思います。ですが、これだけでは実務的な応用に関して限界がありますよね」という趣旨の発言...